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出雲と古代朝鮮(拾壱)・馬具類

2021-02-24 07:22:39 | 古代出雲

<続き>

朝鮮半島からの渡来か国産かは別として、半島の影響を受けた遺物として馬具類が存在する。

6世紀末の出雲市上塩冶町・築山古墳からは、大刀のほかに馬具類が出土している。

これらを復元した首長の騎馬像が下の写真である。

金達寿氏は、この馬具類は”古代朝鮮から直行したものにちがいない”・・・と、「日本の中の朝鮮文化・8」で、指摘しておられる。他に馬具類が出土するのは、6世紀前半の出雲市国富町の上島(あげしま)古墳、同町の国富中村古墳、出雲市今市町の大念寺古墳、同市下古志町の妙蓮寺山古墳、松江市の御崎山古墳がある。

上掲3葉の写真は国富中村古墳出土の馬具類である。この古墳は次の復元模型にあるように二つの埋納石棺があり、おびただしい馬具と武具が副葬されていた。

これらの馬具や武具類は、やはり半島の影響を受けたものと考えられる。

写真は韓国・金海国立博物館展示の馬具と甲冑を身に着けた武人像である。やはり出雲に限らず全国の馬具・甲冑類は半島の影響を認めざるを得ないであろう。

拾壱回にわたり『出雲と古代朝鮮』としてシリーズ展開してきた、今回をもって終了する。出雲の縄文・弥生期については、半島の影響は云われるほど大きなものではなかったようだが、古墳時代にはそれなりの影響を受けたものと思われる。

<了>


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