過日、県立古代出雲歴史博物館で『企画展・荒神谷発見!』を観た。弥生時代の高地性環濠集落である松江市・田和山遺跡出土の板石硯が複製漆塗製板石硯台と共に展示されていた。弥生時代に文字が使われていた証と云おうか傍証である。
この硯台復元品はどこかで見た覚えがある。調べてみると東京国立博物館のソレであった。田和山クラブでソレを基に復元したようだ。
韓国・金海の西方、茶戸里(タホリ)遺跡(前1世紀)から筆が五本出土した。木簡や竹簡に墨で書いて間違えた場合の書刀(ナイフ)と一緒に出土した。漆器も一緒に出土しているので、この筆は漆を塗る筆との説もあるが、楽浪郡の遺跡からは、筆と一緒に硯も出土している。この筆は文字を書く筆であったとうと云われている。
この田和山遺跡から出土した板石硯は、楽浪郡製の可能性もあるという国内最古の硯である。田和山遺跡の山頂部には神社建築のルーツと云われる5本柱、9本柱の高床式建物跡が出土し、柵で囲まれていた。この様子から、巫女が祭祀につかった硯で、祝詞でも記したのかとの妄想が頭をよぎった。
<了>
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