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物原出土のミャンマー青磁・NUS博物館パンフレットより:#8

2018-01-08 07:54:48 | 東南アジア陶磁

<続き>

過去トワンテの陶工は、伝統的に美しい施釉陶磁を生産することができました - この展覧会で明らかです-しかし何らかの理由で、現代の後継者は施釉陶磁の焼造をおこなっていません。伝統的な施釉技術の喪失は、ミャンマー陶器学会のミョオ・タン・ティン氏により、伝統再現の努力をしています。灰釉の実験・試作は、鉛釉薬の代替品を見つけ出し、市場性のある陶磁器の生産を通じて地元の産業を復活させるために行われています。

実験・試作がコミュニティ内の確立されたプラクティスに変わることを楽しみにしていますが、私(学芸員)はその持続性について疑問を抱いています。一つは、地元の陶工たちに、自分の時間と労力を投資する価値あるプロジェクトであると納得させるインセンティブが必要です。低温度の焼成要件を備えた従来からの陶器の生産は、数十年にわたり進行中であり、彼らの主な収入源であります。それらのオーナーに窯業施設をアップグレードし、陶工を再教育して施釉陶磁の生産に移行してもらうことは、難しい課題です。

窯場を訪れている間、大きな甕類を生産する場合を除いて、労働者の大多数が女性であることに気付きました。アシスタントがロープをつかんで、足を動かして轆轤を動かすと、粘土の塊を瞬時にポットに変えました。別の一隅では、女性がカップを水挽きしていました。彼女の迅速で決定的な動きは、長年にわたり轆轤を使った経験があることを示しています。しかし、陶工はある年代の層にみられ、若い世代はどこにも見られませんでした。トワンテの陶磁産業の未来を築くには、伝統的な手工業業界でしばしば遭遇する問題である、若い世代に如何に参画を促すか、これが最大の課題です。・・・以上がパンフレットの内容である。

残念ながら昨年末、NUS博物館へ行くことはできなかったが、パンフレットで展示会の内容を紹介してきた。注目したいのは先日紹介した下写真の日輪文様が、北タイのそれと極めて似ている点である。

次回はそのことについて、私感を紹介してみたいと考えている。

                           <続く>

 


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