ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

湯西川ダム

2016-12-14 09:30:00 | 栃木県
2015年10月04日 湯西川ダム
2016年12月11日 
 
湯西川ダムは栃木県日光市西川の利根川水系湯西川にある多目的重力式コンクリートダムです。
利根川水系最大支流の鬼怒川は『鬼が怒る』という名が示すように、有史以来多数の洪水被害をもたらしその治水は長年にわたる課題となっていました。
鬼怒川水系では1956年(昭和31年)に五十里ダム、1966年(昭和41年)に川俣ダム、1983年(昭和58年)に川治ダムが完成し治水・利水能力は大きく向上しました。
これら3ダムに次いで1982年(昭和57年)に男鹿川の右支流湯西川に第4のダム建設事業が着手され2012年(平成24年)に完成したのが湯西川ダムです。
湯西川ダムは特定多目的ダム法により建設され国交省が直轄管理する特定多目的ダムで、他の3ダムと国交省鬼怒川ダム統合管理事務所により総合的に管理され、鬼怒川の洪水調節を行うほか、河川流量と既得取水権への補給、灌漑用水、上水道、工業用水の供給を目的としています。
高度経済成長の終焉やバブル崩壊による水需要の伸び悩みから湯西川ダム建設に対する懐疑的な意見があったのも事実ですが、2015年(平成27年)9月の鬼怒川大水害により改めてダムの存在意義が確認されました。
 
五十里ダムから国道121号を北上、湯西川温泉方面に県道249号を左折すると湯西川ダムに到着します。
上流面
2度目の訪問はあいにくの吹雪・・・・
上流面にはサイフォン式選択取水設備。(2016年12月11日)。
 
 
下流面
堤頂部の襟が非常に高くなっています。(2016年12月11日)。
 
2012年に完成したばかりでコンクリートは真新しく真っ白。
クレスト自由越流頂4門、オリフィスローラーゲート1門、ジェットフローとゲート2門を装備。
 
同じアングルを
天気が違うと表情も全く異なります(2016年12月11日)。
 
クレストをズームアップ(2016年12月11日)。
 
洪水吐越流面(2016年12月11日)。
 
減勢工
左奥の整地はかつての湯西川発電所跡です(2016年12月11日)。
 
左岸の山留め
クレオパトラに見えるのは私だけ?(2016年12月11日)。
 
天端(2016年12月11日)。
 
右岸の洪水吐越流面。
  
追記
湯西川ダムには最大3000万立米の洪水調節容量が設定されていますが、豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらに777万6000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
0584 湯西川ダム(0004)
栃木県日光市西川
利根川水系鬼怒川
FNAWI
119メートル
320メートル
75000㎥/72000㎥
国交省関東地方整備局
2012年
◎治水協定が締結されたダム