ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

熊野ダム

2016-12-27 23:18:44 | 広島県
2016年12月24日 熊野ダム
 
広島県福山市の沼隈半島中央部には堤高15メートル以上のダムが3基並んでいますが3基の真ん中に位置するのが熊野ダムです。
熊野ダムは1925年(大正14年)に福山市によって建設された上水道の供給及び灌漑目的のアースダムで、現在は福山市上下水道部が管理を行っています。
 
県道72号線から久師川に沿って市道を東に進むと正面に熊野ダムの堤体が見えてきます。
堤体右岸の路肩に車を止めてダムを見学します。
下流面はきれいに刈り払われ送水管が堤体を横断しています。
 
天端は車道。
 
上流面は谷積みされた石で補強されています。
 
大正14年の竣工当時の取水塔。
 
ダムの下流。
 
上流面
改修があったにせよ上流面の石積みもかなりの歴史を感じさせます。
 
左岸の洪水吐
この角部分の石積みも熊野ダムならではの作り。
 
越流部分が階段状になった洪水吐。
 
コンクリートの棒には溝があり、板をはめ込んで水止めするようになっています。
 
写真ではわかりづらいですが、洪水吐導流部はカスケードになっています。
 
ただのアースダムと思いきや、各所に大正14年竣工の歴史が隠れている熊野ダムです。
 
1924 熊野ダム(0749)
広島県福山市熊野町
芦田川水系久師川
AW
 
29.1メートル
189.7メートル
福山市
1925年

八日谷ダム

2016-12-27 19:43:27 | 広島県
2016年12月24日 八日谷ダム
 
広島県福山市の沼隈半島中央部には堤高15メートル以上のダムが3基並んでいますが一番南の沼隈町中山南にあるのが八日谷ダムです。
広島県の事業で1963年(昭和38年)(竣工記念碑では昭和41年)に建設された灌漑用ロックフィルダムで福山市土地改良区が管理を行っています。
 
八日谷ダムへは県道72号の天神山交差点を東に折れ市道を進むと到着しますが、訪問時はこの市道が橋の架け替え工事で通行止めのため東側から迂回してダムに向かいました。
ダム湖畔のスペースに車を止めて左岸から見学します。
左岸から上流面
 
左岸の洪水吐
逆光でわかりづらいですが薄く越流しています。
 
洪水吐導流部。
 
洪水吐越しの上流面。
 
天端は車両通行可
未舗装ですが右岸沿いにも道路が続いています。
 
ダム湖の貯水容量36万1000立米。
ちょうど日が昇ってきてもろ逆光になってしまいました。
 
堤体下流面
ロックフィルということですが見た目はアースです。
 
右岸から上流面。
 
右岸の斜樋。
 
ダムが西向きのため早朝の訪問時はちょうど逆光になってしまいました。
近場のダムならばこういった配慮も考えながらダム巡りができますが、遠征のときはなかなかそこまで配慮が利きません。
 
1967 八日谷ダム(0748)
ため池コード
広島県福山市沼隈町中山南
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
山南川水系横倉川
21メートル
74.6メートル
千㎥/千㎥
福山市土地改良区
1963年


大谷池

2016-12-27 14:46:07 | 広島県
2016年12月23日 大谷池
 
大谷池は広島県福山市加茂町の芦田川水系加茂川源流部にある灌漑用アースダムで水利組合により1931年(昭和6年)に建設されました。1990年(平成2年)に広島県のため池等整備事業で改修され、現在は受益者等で構成する大谷池運営委員会が管理を行っています。
 
四川ダムから加茂川に沿って市道を遡るとを大谷池に到着しますが、この市道は隘路の上に落石が多く運転には慎重を期しました。
堤体右岸に改修記念碑とモニュメントが設置されています。
 
堤体下流面。
 
天端は車道で中国自然歩道になっています。
 
上流面はコンクリートで補強。
 
溜池の貯水容量は89万1000立米。
 
左岸の斜樋。
 
対岸から右岸の洪水吐を遠望。
 
湾曲した洪水吐を傍で見たかったのですが樹林と薮に阻まれ叶いませんでした。
 
加茂川流域の貴重な灌漑用水源となっている大谷池ですが、旱魃時にはこの貯水容量だけでは足らず、2004年に下流に四川ダムが完成、憂いは断たれました。
 
1929 大谷池(0747)
ため池コード
広島県福山市加茂町百谷
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
芦田川水系加茂川
27.3メートル
103メートル
千㎥/千㎥
大谷池運営委員会
1990年

四川ダム

2016-12-27 13:55:08 | 広島県
2016年12月23日 四川ダム
 
四川ダムは広島県福山市加茂町の芦田川水系加茂川にある広島県土木建築局が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
加茂川流域では戦後に入って3度の大きな被害が発生し抜本的な洪水対策を求める声が高まりました。一方加茂川源流部には灌漑目的の大谷池がありましたが、その貯水容量は十分ではなく旱魃時には水不足が発生しました。
これらの課題に対処すべく2004年(平成16年)に完成したのが四川ダムで、加茂川の洪水調節と安定した河川流量の保持及び既得取水権への補給を目的としています。
 
加茂から県道21号を北上し、加茂町芦根で四川ダムの標識に従って左折すると四川ダムに到着します。
まずは下流から
クレストは自由越流式が4門、オリフィスから放流されています。
 
手前は取水設備。
 
天端は徒歩のみ通行可能、右手はエレベーター棟。
 
ダム湖(城山湖)は貯水容量165万立米。
 
減勢工
右手は利水放流設備建屋。
 
左岸から下流面。
 
右岸高台にはプラント跡を利用した展望台があります。
 
展望台から俯瞰。
 
ダム湖上流から
中央にオリフィスゲートが見えます。
 
(追記)
四川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
1999 四川ダム(0746)
広島県福山市加茂町北山
芦田川水系加茂川
FN
59.9メートル
251メートル
広島県
2004年
◎治水協定が締結されたダム

三反田池

2016-12-27 12:46:45 | 広島県
2016年12月23日 三反田池
 
三反田池は広島県福山市神辺町にある灌漑用アースダムで1975年(昭和50年)に広島県の事業で建設されました。
 
国道486号の大宮橋東詰交差点を北に折れ福山カントリークラブの手前を右折すると深品クリーンセンターの手前に三反田池が現れます。
下流面
気候が温暖なせいかススキがたなびきまだ秋の装いです。
 
左岸の洪水吐。
 
釣り人が一人、釣り禁止の看板はないのでOKなんでしょう。
話を伺うとバスが釣れるそうです。
 
 
上流面
石積みで補強されています。
 
天端はススキが茂っています。
 
貯水容量は11万7000立米
中央に水質保全のための循環設備があります。
 
斜樋と循環設備の機械室。
 
下流の眺め
煙突はクリーンセンター
直下は産廃処理業者の敷地になっています。
 
3554 三反田池(0745)
ため池コード
広島県福山市神辺町上御領
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
芦田川水系清水川
 
15メートル
107メートル
千㎥/千㎥
管理者未確認
1975年

天神山池

2016-12-27 11:52:21 | 岡山県
2016年12月23日 天神山池
 
天神山池は岡山県井原市芳井町にある灌漑用アースダムで1915年(大正4年)に竣工しました。2001年(平成9年)に県のため池等整備事業で改修され現在は西吉井水利組合が管理を行っています。
 
吉井集落から市道を西進すると天神山池へ到着します。
道路から堤体を俯瞰。
 
左岸の斜樋。
 
左岸の洪水吐と上流面。
 
反対側からの洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
溜池の貯水容量は20万立米。
 
天端には車両が入れますが、左岸で行き止まり。
ベンチの代わりに改修前の樋で使われたコンクリートが並んでいます。
 
下流面。
 
 
堤体基部はコンクリートです。
 
周辺の溜池に比べ規模が大きく、整備もきちんとなされていました。 
 
3512 天神山池(0744)
ため池コード
岡山県井原市芳井町天神山
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
高梁川水系当麻川
25.5メートル
90メートル
千㎥/千㎥
西吉井水利組合
1915年

大正池

2016-12-27 11:00:38 | 岡山県
2016年12月23日 大正池
 
大正池は岡山県井原市芳井町にある灌漑用アースダムで、1915年(大正4年)に竣工し現在は受益者で構成される水利組合が管理を行っています。
 
吉井集落から天神山へ向かう途中に大正池があります。
道路端に竣工記念碑と祠があり、碑には明治45年1月起工、大正4年6月竣工とあります。
 
右岸の洪水吐。
 
天端にはトタン板が立てられ立入禁止を示しています。
 
洪水吐導流部。
 
溜池直下には民家が一軒。
 
貯水容量は2万6000立米。
 
上流面はコンクリートで補強されています。
手前の階段わきに斜樋があります。
 
3514 大正池(0743)
ため池コード
岡山県井原市芳井町吉井
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
高梁川水系小田川
19メートル
68メートル
千㎥/千㎥
水利組合
1915年

泉谷池

2016-12-27 10:11:50 | 岡山県
2016年12月23日 泉谷池
 
岡山県井原市芳井町吉井地区の東には堤高15メートル以上のアースダムが4基並んでおり一番北にあるのが泉谷池です。
ダム便覧によれば泉谷池は1915年(大正4年)の竣工となっており、受益者による水利組合が管理を行っています。
 
国道313号線の芳井支所前から市道を西に折れ光栄寺を過ぎると右手に溜池の堰堤が見えてきます。
泉谷池の堰堤。
 
溜池直下のお宅の許可を得て溜池へと上がります。
洪水吐からの導流部が民家の裏手を流れています。
 
下流面。
 
導流部と吉井集落。
 
洪水吐。
奥に竣工記念碑がありましたが野バラが茂り断念。
 
天端も草ぼうぼう。
 
貯水量は4万1000立米。
 
斜樋。
 
溜池のそばには5体の石仏があります。
 
吉井集落の民家のすぐ上にある溜池です。
溜池直下のお宅は屋号が『泉屋』で溜池のある泉谷という地名からこの屋号になったそうです。
この谷では溜池ができる以前から泉がわき、集落の貴重な水源だっという逸話などを聞くことができました。
 
3515 泉谷池(0742)
ため池コード
岡山県井原市芳井町吉井
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
高梁川水系小田川
15.2メートル
108メートル
千㎥/千㎥
水利組合
1915年

明治ダム

2016-12-27 00:19:26 | 岡山県
2016年12月23日 明治ダム
 
明治ダムは岡山県井原市芳井町にある灌漑用重力式コンクリートダムで、岡山県の畑地帯総合土地改良事業により1993年(平成5年)に建設され明治土地改良区が管理を行っています。
 
芳井町の中心部から県道9号を北上し、梅木で右に折れ梅木川沿いの隘路を東進すると明治ダムに到着します。
ダムの左岸に駐車スペースがありここに車を止めて見学します。
左岸上流側から
赤い屋根の取水設備と右岸の明治ダムの銘板が目立ちます。
 
取水設備をズームアップ
ぱっと見『明治ガム』に見えたのは私だけじゃないかも?
 
天端は車両通行可能
天端両端の『こんぼうくん』と『みどりちゃん』はご当地キャラ?
 
左岸から下流面
クレストは自由越流式1門、揚水機場はちょっとクラシックなデザイン。
 
減勢工。
 
取水設備。
 
右岸の管理事務所。
 
ダム湖
貯水容量は47万立米と溜池並みのサイズ。
 
右岸から。
 
堤体直下まで行くことができます。
 
予想よりも立派な明治ダム、赤い屋根の取水設備と右岸の『明治ダム』の銘板が特徴です。
明大出身の私にとっては親近感溢れるダムでした。
 
追記
明治ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により、豪雨災害が予想される場合には事前放流により新たに2万9000立米の洪水調節容量が確保されることになりました。
 
1903 明治ダム(0741)
岡山県井原市芳井町池谷
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
高梁川水系横尾谷川
 
33.4メートル
100.6メートル
千㎥/千㎥
明治土地改良区
1993年
◎治水協定が締結されたダム