ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

江永ダム

2019-06-12 00:44:49 | 長崎県
2019年5月25日 江永ダム
 
江永ダムは長崎県佐世保市江永町の小森川水系江永川にある長崎県土木部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助治水ダムで、江永川および小森川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給を目的として1976年(昭和51年)に竣工しました。
 
佐世保市江永は三河内焼の里として知られ街には窯元の煙突が並んでいます。
市街地の狭い道を川沿い進むと正面に江永ダムが現れます。
道路はダム直下を通っていますが、枝葉が茂り堤体がほとんど見えません。
自由越流式クレストゲート2門、自然調節式オリフィスゲート1門を備えたゲートレスダムです。
日本初の完全ゲートレスダムは1973年(昭和48年)竣工の百谷ダムですので、1976年竣工の江永ダムもかなり初期のゲートレスダムとなります。
 
そのまま直進すると右岸ダムサイトに到着します。
長崎県営ダムではおなじみ、銅板の諸元プレート。
 
こちらは親柱。
 
下流面。
 
天端は車両通行可能でダム湖を一周できます。
 
上流面
手前に取水設備、奥にクレストゲートとオリフィスの流木除けゲージが見えます。
 
総貯水容量83万4000立米とコンクリートダムとしては小ぶりな貯水池。
 
減勢工と副ダム
ダムのすぐ下に江永の市街が続きます。
 
下流面。
 
ダム湖畔右岸に江永ダム水神宮が祀られています。
もともと江永川流域には複数の水神が祀られていましたが、ダム湖に沈むことになったためここにまとめられたようです。
 
1976年(昭和51年)竣工と長崎県営ダムとしてはかなり古いダムです。
ダムの全貌が見える場所がないのが玉にキズです。
 
(追記)
江永ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。  
 
2624 江永ダム(1462) 
長崎県佐世保市江永町
小森川水系江永川
FN
29.7メートル
125メートル
834千㎥/780千㎥
長崎県土木部
1976年
◎治水協定が締結されたダム