ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

平木場脇ダム

2019-06-03 19:49:36 | 佐賀県
2019年5月24日 平木場脇ダム
 
平木場ダムは1983年(昭和58年)に松浦川水系町田川上流部に建設された佐賀県県土整備部が管理する多目的ダムです。
満水時に貯水池左岸から水が溢れてしまうため、全長390メートルに及ぶアースフィルの副堤が建設されました。
これが平古場脇ダムです。
脇ダムながら堤頂長で主ダムの約3倍、堤体積では約10倍の規模となっており、スケールでは主ダムをはるかに凌駕しています。
主ダムと脇ダムの位置関係は下の地図の通りで、地図の赤線が主ダム、青線が脇ダムです。
 
平木場脇ダムに沿って県道33号線が走っています。
 
脇ダム左岸(ダム湖上流側)に展望台があり脇ダムを見下ろせます。
堤体は下流側を角にしてに屈曲、上流面はコンクリートで護岸されています。
右奥に主ダムが見えます。
 
天端は主ダムダムサイトから舗装された道路が続きます。
歩行者は立ち入り可能でちょっとした湖畔の遊歩道の趣。
 
脇ダム天端に下りてみます。
右奥に辛うじて玄海灘が望め『海が見えるダム』です。
 
主ダムダムサイト(脇ダム右岸)から
 
ダムサイトから奥の展望台まで往復約800メートル
軽い散歩にはちょうどいい距離です。
 
3586 平木場脇ダム(1444) 
佐賀県唐津市神田
松浦川水系町田川
FNW
28.2メートル
390メートル
1080千㎥/1024千㎥
佐賀県県土整備部
1983年

平木場ダム

2019-06-03 11:47:02 | 佐賀県
2019年5月24日 平木場ダム
 
平古場ダムは佐賀県唐津市神田の松浦川水系町田(ちょうだ)川上流部にある佐賀県県土整備部の多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで町田川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、唐津市への上水道用水の供給を目的として1983年(昭和58年)に竣工しました。
ダム名は計画段階では河川名から町田(ちょうだ)ダムとなっていましたが、運用開始後は水没集落の地名を採用して平木場ダムに変更されました。
 
なお平木場ダムでは満水時での左岸からの溢流を防ぐため、重力式コンクリートの主ダムのほか左岸にアースフィルの脇ダムが建設されています。
脇ダムの規模は堤頂長で主ダムの約3倍、堤体積では約10倍の規模となっています。
主ダムと脇ダムの位置関係は下の地図の通りで、地図の赤線が主ダム、青線が脇ダムとなります。
 
唐津市街から西へ向かう県道33号線沿いにダムがあり、入口に標識も出ているのでアプローチは簡単です。
左岸から下流面
波返しの付いた堤趾導流壁が目を惹きます。
 
天端は車道で右岸にある集落へと続いています。
親柱の円球の装飾は何を意味してるんでしょう?
対岸の斜面崩落は2018年(平成30年)の西日本豪雨によるものです。
 
減勢工と放流設備
福岡県営ダムでよくみられる減勢池がついた放流設備。
ここから浄水場に直接水が送られます。
 
ダム便覧には『ダム天端から玄界灘と唐津城をセットで望むことが出来るというが、本当だろうか。』と書かれていますが、
本当です!
望遠で撮ったものをトリミングしたので画質は悪くなっていますが、唐津城と海がはっきりと見えます。
 
ダム湖は総貯水容量108万立米と県ダムにしては小ぶり。
職員さんの話では、今年は降雨量が少なくこの時期にしては貯水量がかなり厳しいそうです。
 
右岸から天端と管理事務所。
 
左岸にある金箔仕様の竣工記念碑。
 
左岸から上流面
非常用洪水吐としてクレストに自由越流式洪水吐が7門
常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲートが1門。
 
上流から遠望。
 
脇ダムと主ダムをセットで。
 
全国でも珍しい海と城が見えるダムです。 
 
(追記)
平木場ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。  
 
2543 平木場ダム(1443) 
佐賀県唐津市神田
松浦川水系町田川
FNW
29.5メートル
117メートル
1080千㎥/1024千㎥
佐賀県県土整備部
1983年
◎治水協定が締結されたダム

赤坂ダム

2019-06-03 09:46:10 | 佐賀県
2019年5月24日 赤坂ダム
 
赤坂ダムは佐賀県唐津市肥前町赤坂の座川水系座川源流部に灌漑目的のロックフィルダムです。
佐賀県北西部の東松浦半島はその大半が上場(うわば)台地と呼ばれる火山性土壌によって形成された台地で、水利に乏しく古くから農地開拓は困難を極めていました。
1973年(昭和48年)より国営の『上場土地改良事業』が着手され2期にわたる事業の結果5基のダム、13箇所の揚水機場、延長77キロの幹線水路の整備が行われました。
同事業により松浦川から揚水された水が5基のダムに合計で1000万立米以上貯留され、新たに5000ヘクタールを超える水田、畑、果樹園への灌漑用水の補給が可能となりました。
赤坂ダムは5基のダムの一つとして1992年(平成4年)に竣工し、運用開始後は唐津市が受託管理を行っています。
総貯水容量は146万立米と全体貯水量の15%弱の貯水を担い、この大半は松浦川からの揚水に依存しており事実上の河道外貯留方式となっています。
 
ダム下から見える堤体は堤頂長256.4メートルの一部にすぎません。
ダム下では洪水吐からの導水路と取水設備からの水路、松浦川からの幹線水路が交差しています。
 
向かって左手が洪水吐からの導水路、右手は取水設備からの水路
サイフォンで交差しているパイプラインは松浦川からの幹線水路
右奥の建屋は揚水機場です。
 
ダムサイトに上がります。
左岸に駐車場があり記念碑や案内板が建っています。
竣工記念碑は金箔仕様。
 
左岸の洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
天端からの眺め。
 
総貯水容量は146万立米
灌漑期を迎えて用水補給が多いせいか水位がずいぶん下がっています。
 
水位が下がり、普段湖底に沈んでいる立ち枯れの木も姿を見せています。
 
リップラップはよく整備され草木がまったく生えていません。
 
ダムの周囲には風力発電が立ち並びます
天端は車両通行可能ですが、右岸で行き止まり。
 
2548 赤坂ダム(1442) 
佐賀県唐津市肥前町赤坂
座川水系座川
30.4メートル
256.4メートル
1460千㎥/1450千㎥
唐津市
1992年