ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

都川内ダム

2019-06-04 22:57:23 | 佐賀県
2019年5月24日 都川内ダム
 
都川内(みやこがわち)ダムは佐賀県伊万里市大坪町丙の伊万里川水系古賀川左支流都川内川にある佐賀県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、都川内川・古賀川・伊万里川下流部の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、伊万里市への工業用水の供給を目的として2002年(平成14年)に竣工しました。
多目的ダムですが、伊万里市への工業用水供給を主目的として建設されました。
 
まずはダム下から
洪水吐は自由越流式クレストゲート1門だけで。
越流部に切り込みがありこれで常用・非常用を兼ねています。
左下の建屋は低水放流設備。
 
左岸から下流面
ダム下から見上げるとさほど幅がないように見えたんですが、堤頂長は200メートル近くあります。
対岸の建物は管理事務所。
 
ダム一帯は公園として整備されています。
市街地に近いことからウォーキングや散歩をする市民が多いようです。
 
天端は車両通行可能。
 
竣工記念碑は金箔仕様。
 
天端中央のベンチ。
焼き物の街らしく高欄には伊万里焼の陶板がはめ込まれています。
 
そのうちの1枚。
 
減勢工と低水放流設備
ダム下も親水公園になっています。
 
ダム湖の名前は『いなさ湖』
総貯水容量は113万立米と県営ダムとしては小さめ。
 
上流面
手前から取水設備とクレストゲート。
 
3138 都川内ダム(1448) 
佐賀県伊万里市大坪町丙
伊万里川水系都川内川
FNI
31.5メートル
199.6メートル
1130千㎥/1110千㎥
佐賀県県土整備部
2002年

眉山溜池

2019-06-04 20:00:00 | 佐賀県
2019年5月24日 眉山溜池
 
眉山溜池は佐賀県伊万里市大川町大川野の松浦川水系井手口川左支流(河川名未確認)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には井手口地区の事業で1946年(昭和21年)竣工と記されています。
現地竣工記念碑には溜池建設から完成に至る経緯が詳しく刻されており、それによれば1939年(昭和14年)に西日本で発生した大干ばつは井手口地区にも大きな打撃を与え、これを契機に眉山山麓に新たな灌漑用溜池の築造を決めました。1940年(昭和15年)に着工された新溜池築造事業は戦時下の物資や人員不足をはねのけ、終戦後の1946年(昭和21年)に無事竣工しました。
眉山池は現在も井手口地区が管理を行っており、現地では『新溜池』と呼ばれています。
 
今回は入会地の整備を行っていた井手口地区役員の皆さまと遭遇し、溜池について多々お話を伺うことができました。
井手口川ダム建設に際して地区内で長く意見の対立等があったこと、2012年(平成24年)のダム完成による河川維持放流で井手口川からの取水環境が改善したこと、眉山溜池は地元では『新溜池』と呼ばれいまも貴重な水源となっていることなどご教授いただけました。
 
下流面は草ぼうぼう
毎年稲刈り終了後に草刈りをするそうで、冬に来ればきれいに刈られた姿が見れるようです。
 
天端。
 
総貯水容量11万立米と小さな溜池ですが、井手口地区にとっては貴重な水源となっています。
奥の山は池の名前の由来となった眉山。
 
右岸の洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
上流から。
 
草が生えていますが上流面はコンクリートで護岸されています。
 
ダム左岸の竣工記念碑。
 
眉山池紀念碑と彫られ、基部には溜池建設から完成に至る経緯が詳細に記されています。
 
2521 眉山溜池(1447) 
ため池コード 412050803
佐賀県伊万里市大川町大川野
松浦川水系井手口川左支流
17メートル
77メートル
110千㎥/99千㎥
井手口地区
1946年

井手口川ダム

2019-06-04 00:52:49 | 佐賀県
2019年5月24日 井手口川ダム
 
井手口川ダムは佐賀県伊万里市大川町の松浦川水系井手口川上流部にある佐賀県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、井手口川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、伊万里市への上水道用水の供給を目的として2012年(平成24年)に竣工しました。
 
ダム下は公園になっており芝生の広場が広がります。
堤高43.7メートル、堤頂長235メートルの横長堤体。
クレスト自由越流頂4門、自然調節式オリフィス1門のゲートレスダムです。
ゲートは堤体左岸(向かって右側)に寄っています。
 
洪水吐直下から。
 
天端は車両通行可能。
 
右岸上流から
ゲート右手に取水設備があります。
 
減勢工とダム下の眺め
減勢工右手の白い建屋は利水放流設備。広場の先には浄水場があります。
 
総貯水容量は218万立米。
 
左岸から
ゲートが左岸に偏っているため、減勢工は細長くなっています。
 
上流面
手前に浮桟橋があり巡視艇が係留されています。
右奥は管理事務所。
 
左岸上流から。
 
竣工記念碑
2012年竣工のダムということで、記念碑の金箔文字も余所よりも輝きが眩しい。
 
(追記)
井手口川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。  
 
3053 井手口川ダム(1446) 
佐賀県伊万里市大川町東田代
松浦川水系井手口川
FNW
43.7メートル
235メートル
2180千㎥/2030千㎥
佐賀県県土整備部
2012年
◎治水協定が締結されたダム

伊岐佐ダム

2019-06-04 00:47:21 | 佐賀県
2019年5月24日 伊岐佐ダム
 
伊岐佐ダムは佐賀県唐津市相知町伊岐佐の松浦川水系左伊岐佐川上流部にある佐賀県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、左伊岐佐川及び伊岐佐川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、旧相知町(現唐津市相知町)への上水道用水の供給を目的として1979年(昭和54年)に竣工しました。
 
県道40号伊岐佐交差点付近から伊岐佐ダムが遠望できます。
 
ダムへ通じる道道路から。
クレストにローラーゲートが2門。
 
右岸ダムサイトに管理事務所や駐車場がありここに車を置いてダムを見学します。
クレストのローラーゲートのピアには螺旋階段。香川県ではおなじみですが佐賀では初見。
 
減勢工。
 
堤体前面に突き出た放流設備
写真では分かりませんが常用洪水吐として高圧ラジアルゲートのコンジットゲートと、利水放流設備としてのホロージェットバブルを装備しています。
訪問時はホロージェットバルブから利水放流中。
 
洪水吐導流壁左側のピラミッド状のフーチング。
こういうタイプは初めて見ました。
 
左岸から下流面
対岸正面が管理事務所。
 
ダム湖は総貯水容量194万立米。
 
ピア左手に作業用クレーン、その手前に取水設備。
右岸にはダム湖へ下りる階段があります。たぶん階段の下に浮桟橋があるんだと思います。
 
金箔仕様の竣工記念碑。
 
実は伊岐佐ダムは遊歩道でダム下まで下りることができます。
ただこの日は昼食直後の満腹状態に加えて、5月なのに気温30度の異常気象、ということで標高差60メートルの帰りの登り返しを考えてパスしてしまいました。
 
(追記)
伊岐佐ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

2540 伊岐佐ダム(1445) 
佐賀県唐津市相知町伊岐佐
松浦川水系左伊岐佐川
FNW
58.5メートル
203メートル
1940千㎥/1660千㎥
佐賀県県土整備部
1979年
◎治水協定が締結されたダム