2021年11月20日 杉田ダム
杉田(すいた)ダムは左岸が高知県香美市土佐山田町杉田、右岸が同町有谷の一級河川物部川本流にある高知県公営企業局が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1934年(昭和9年)に『物部川河水統制事業』が採択され物部川の総合開発が着手されます、戦後河水統制事業は『物部川総合開発事業』に衣替えしこれに高知県企業局(現高知県公営企業局)が発電業者として事業参加、杉田・吉野両ダムおよび発電所建設事業が進められました。
杉田ダムは1959年(昭和34年)に竣工し、ダム式発電所の杉田発電所で最大1万15004900キロワットのダム式発電が行われています。
杉田ダム・発電所の完成により高知県企業局は計3万9200キロワットの発電能力を有するに至りました。
杉田ダムは国道195号線沿いにあり、ダム下流側の農道を辿るとダムと正対できます。
吉野ダムと同じミントグリーンのゲートが4門並びます。
ズームアップ
西向きのダムで、ちょうど西日を受けてゲートが美しく輝いています。
水利使用標識と発電所概要。
ダムそばを走る国道195号線にはJRバス『杉田ダム』バス停があります。
ダム式発電の杉田発電所取水口
これは吉野ダムとほぼ同じ構造。
右岸にある取水設備
これは既得取水権を持つ農業用の取水設備で上流の永瀬ダムの不特定利水容量からの補給を受けます。
天端は軽車両まで通行可能。
こちらも吉野ダム同様緑と黄色の組み合わせ。
天端からダム式発電の杉田発電所を見下ろします。
こちらは吉野発電所と異なり半地下式で落差35メートルを利用して最大1万1500キロワットの発電を行います。
発電所頭上にはガントリーが鎮座。
減勢工と副ダム。
ダム湖は総貯水容量1053万2000立米、有効貯水容量573万2000立米
堆砂率は46%。
(追記)
杉田ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
2312 杉田ダム(1750)
左岸 高知県香美市土佐山田町杉田
右岸 同町有谷
物部川水系物部川
P
G
44メートル
140.5メートル
10532千㎥/5732千㎥
高知県公営企業局
1959年
◎治水協定が締結されたダム