2021年11月24日 桜ヶ池(下)
桜ヶ池(下)は高知県安芸郡芸西村和食の赤野川水系長谷川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
芸西村一帯は年間降水量1400ミリ以下の少雨に加え村内を流れる河川は集水面積が小さく、戦前より多数の溜池が作られてきました。
桜ヶ池もそんな溜池の一つで、まず明治期に稲作向け水源として桜ヶ池上池が作られ、その後の新田開発の進展を受け1911年(大正8年)に新たに桜ヶ池下池が築造されました。
建設当初の貯水容量は6万立米程度だったようです。
戦後の減反政策を受けて、稲作から園芸農業への転換が相次いだことに対応して1961年(昭和36年)に嵩上げ再開発が行われ貯水容量は従来の1.5倍の9万立米となりました。
上池ともども東地水利組合が管理を行い両池合わせて約30ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
なお上池は堤高10メートルのためダムの要件は満たしていません。
桜ヶ池(下)へは上流側からのアプローチとなります。
上流面は石積で護岸、堤体中央に斜樋があります。
こちらは古い取水設備
シャフトは1本。
天端には轍が残ります。
斜樋とゲート操作盤。
2012年(平成24年)の改修で刷新された現在の斜樋。
石積護岸の上流面
石の大きさは不揃いで荒い積み方。
海岸線からは2キロ足らず
天端から太平洋が見えます。
総貯水容量は9万立米
上池と合わせて計11万5000立米で約30ヘクタールの農地に灌漑用水を供給します。
右岸の小さな洪水吐。
池下への踏跡がありましたが草が繁茂しているので自重しました。
2297 桜ヶ池(下) (1769)
ため池コード 393070002
高知県安芸郡芸西村和食
赤野川水系長谷川
A
E
20メートル(ため池データベース 23.5メートル)
62メートル(ため池データベース 66メートル)
90千㎥/87千㎥
東地水利組合
1919年