2021年11月24日 伊尾木川ダム
伊尾木川ダムは高知県安芸市古井の二級河川伊尾木川本流上流部にある四国電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編令により、日本発送電は解体され四国では新たに四国電力が誕生します。
同社は戦後の電力不足を補うために各所で積極的な電源開発を進め、その一環として1954年(昭和29年)に建設されたのが伊尾木川ダムです。
ここで取水された水は約10キロの導水路で伊尾木川発電所に送られ最大7700キロワットのダム水路式発電を行います。。
安芸市伊尾木から伊尾木川沿いの県道を北に約20キロ走ると伊尾木川ダムに到着します。
しかし県道とは名ばかり、隘路が続くうえに各所で工事が行われており運転には注意が必要です。
ダムと正対できるポイントはありませんが、下流の樹林の切れ目からゲートが1門見えます。

ゲートをズームアップ
ラジアルゲートを2門装備していますが見えるのは1門だけ
さらに左岸側に排砂ゲートがありますが、フレームに収めることができません。

余水吐を利用して河川維持放流が行われています。

天端は立ち入り禁止。
頭上には除塵機で集めたごみを運搬するモノレールの架線。
ゴミの搬出シーンを見てみたい。

右岸の取水口。
上記河川維持放流は取水口の余水吐から放流しています。

モノレールは右岸ダムサイトの管理事務所の脇まで伸びています。

水利使用標識。

上流に回り込みます。
右手のガーダー橋は森林鉄道の遺構。
昭和40年ごろまで運用されていたので、ダム建設にも利用された可能性大。

総貯水容量88万7000立米に対し、有効貯水容量32万7000立米
堆砂率64%ですが、実際にはもっと堆砂が進んでいそう

ゲートと取水口をズームアップ。

(追記)
伊尾木川ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
2308 伊尾木川ダム(1766)
高知県安芸市古井
伊尾木川水系伊尾木川
P
G
22.8メートル
57メートル
887千㎥/327千㎥
四国電力(株)
1954年
◎治水協定が締結されたダム