ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

六条溜池

2023-07-15 17:00:53 | 長崎県
2023年5月22日 六条溜池

六条溜池は長崎県雲仙市国見町神代戊のみのつる川支流にある灌漑目的のアースフィルダムです。
島原半島北東部に位置する雲仙市国見町は、沿岸部の扇状地で明治末期から新田開発が進められ、各河川源流部に多数の溜池が作られました。
六条溜池はもみのつる川下流扇状地の開拓に併せて建設され、ダム便覧には国見町の事業で1916年(大正5年)に竣工と記されており、当時の神代村の村営事業で建設されたと思われます。
現在は神代西武配水組合が管理を行っています。

池の左岸まで車で乗りつけられます。
天端、下流面ともに定期的に草が刈られているようですが、訪問時はまだ草刈り前。


満水で見えませんが、上流面はコンクリートブロックで護岸されています。


左岸の斜樋
シャフトが2本。


銘板によれば1994年(平成6年)の適正化工事で設置されました。


海は見えません。
受益地となる水田は森の先1キロほど下流から川沿いに続きます。


ため池データベースで総貯水容量15万9000立米。
ここまで辿ってきた大村湾沿岸の溜池の中では最大クラス。
貯水池は常緑広葉樹の自然林で囲まれています。


天端は程々に草が伸びています。
諫早や雲仙周辺では田植え時期に合わせて池の草を刈るようで、ここも間もなくでしょう。


右岸の越流式洪水吐。
薄く越流しています。


下流面
堤高は25.4メートル(ため池データベース)で周辺の溜池としては随一の高さ。


長く続く洪水吐導流部。


洪水吐導流部の先端
コンクリートはここまで、この先は自然の岩盤を流下するようです。


池下へ向かうルートが見つからなかったので、底樋管は確認できませんでした。
余談ですが池のある雲仙市国見町の県立国見高校は全国大会優勝14回を誇る高校サッカーの強豪校として知られ、多数のJリーガーを輩出しています。

2578 六条溜池(2007)
ため池コード 422130001
長崎県雲仙市国見町神代戌
みのつる川水系みのつる川左支流
22メートル(ため池DB 25.4メートル)
94メートル(ため池DB 108メートル)
148千㎥/148千㎥(ため池DB 159千㎥/159千㎥)
神代西部配水組合
1916年