ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

植松溜池

2023-07-17 17:00:01 | 長崎県
2023年5月22日 植松溜池

植松溜池は左岸が長崎県雲仙市国見町多比良丁、右岸が島原市有明町湯江丁にある灌漑目的のアースフィルダムです。
島原半島北東部では雲仙の火山活動によって形成された緩やかな丘陵台地が海岸線まで続いており、明治末期からこの丘陵上での新田開発が進められその水源として多数の溜池が築造されました。
植松溜池もその一つで、ダム便覧には有明町の事業で1914年(大正3年)に竣工と記されており、当時の湯江村の村営事業で建設されたと思われます。
現在は新田水利組合が管理を行っています。
ダム便覧では所在地が『長崎県島原市有明町湯江』と記載されていますが、池は雲仙市と島原市の境界上にあり正式な左岸所在地は『雲仙市国見町多比良丁』となります。
受益農地が島原市側なのでダム便覧登録の際に誤って記載されたのでしょう。

左岸から
天端を道路が通り手前が雲仙市国見町、対岸が島原市有明町となります。


左岸の横越流式洪水吐。


洪水吐は濡れていますが、越流はなく右手擁壁のドレーンからの水です。




洪水吐脇の記念碑
『溜池記念碑』と刻されているだけ。


上流面は天端が車道のためコンクリートでがっちり護岸。


下流面
定期的に草刈りは行われているようですが、訪問時は草刈り前。
池下へのルートもなく底樋管などは未確認。


総貯水容量はため池データベースで10万8000立米、便覧では5万5000立米。


左岸湖畔に産廃業者の事業所がありやや雑然とした雰囲気。


右岸の斜樋
シャフトは2本。

池下にも下りれず、池の周りもごちゃごちゃした感じであまり見どころのない溜池でした。

2577 植松溜池(2008)
ため池コード 422130011
左岸 長崎県雲仙市国見町多比良丁
右岸 長崎県島原市有明町湯江丁
栗谷川水系栗谷川
17.7メートル(ため池データベース 16.9メートル)
84メートル(ため池データベース 81.7メートル)
55千㎥/55千㎥(ため池データベース 108千㎥/108千㎥)
新田水利組合
1914年