ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

小峰江湖溜池(江湖溜池)

2023-07-03 18:00:02 | 長崎県
2023年5月21日 小峰江湖溜池(江湖溜池)

小峰江湖溜池は長崎県諫早市高来町小峰にある灌漑目的のアースフィルダムです。
諫早湾北岸の諫早市小長井町から高来町にかけては多良岳火山活動で形成された傾斜地が海岸線まで続き平坦地はほとんどありません。
明治末期から丘陵地の新田開発が進められ、小峰江湖溜池も上流の鬼取溜池ともども諫早市高来町の湯江川と田島川に挟まれた丘陵上の開拓に合わせて建設されました。
ダム便覧には小峰農地組合の事業で1915年(大正4年)に竣工と記されており、受益者で組織された水利組合の事業、つまり農家の持ち出して建設されたと思われます。
現在の管理者は小峰新田組合です。
ダム便覧では位置未確認となっていますが、『小峰江湖ため池 地震時ハザードマップ』で位置が特定できます
またダム便覧では江湖溜池と記載されていますが、諫早市内には江湖溜池が2か所あり当ブログではため池データベースやハザードマップにならい『小峰江湖溜池』と記すことにします。

左岸に建つ記念碑。
やや草に埋もれつつあります。
裏に由来文等があるかと思ったら表の記念碑の文字だけ。


下流から遠望
ダム便覧では堤高17メートル、一方ため池データベースでは堤高11.3メートル。
見た目にも15メートル以上の高さがあるとは思えません。
池の下に向かうには田んぼの畔を通る必要があったのでアプローチは自重、底樋管は確認していません。


天端は定期的に草が刈られているようです。


天端からの眺め
諫早湾をはさんで真正面には雲仙。


天端中央の階段式池栓。


天端から左岸を望む
わかりづらいのですが、赤土のところが洪水吐。


天端脇に格納??放置??された船。
船底が朽ちかけており、水に浮かべたら沈みそう。


上流面はコンクリートブロックで護岸
総貯水容量は2万立米。


左岸洪水吐越しに。


階段式池栓を遠望。


池の左岸を市道が通ります。
市道から見た洪水吐。


洪水吐導流部は道路に沿って流下。
田島川に合流し諫早湾まで下ってゆきます。


ため池データベース掲載の際に測量が行われたようで、その際の堤高11.3メートルを採るなら河川法のダムの要件は満たさないことになります。

2581 小峰江湖溜池(江湖溜池)(2001)
ため池コード 422040041
長崎県諫早市高来町小峰
田島川水系田島川左支流
17メートル(ため池データベース 11.3メートル
145メートル(ため池データベース 150メートル)
20千㎥/20千㎥
小峰新田組合
1915年