2020年11月22日 狩音ダム
狩音(かりおと)ダムは山口県長門市日置中の二級河川掛淵川水系狩音川にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
長門市の旧日置町から油谷町を貫流する掛淵川流域は干ばつ頻発地帯で、本支流沿いには6基のダムが密集、うち5基が農業用ダムとなっています。
狩音ダムは1981年(昭和56年)に着手された農水省の補助を受けた県のかんがい排水事業の中核施設として1992年(平成4年)に竣工しました。かんがい排水事業全体も1996年(平成8年)に竣工し、狩音ダムからは536.1ヘクタールの農地に灌漑用水が供給されています。
ダムの管理は運用開始当初は当時の日置町が受託していましたが、その後の市町村合併により現在は長門市が引き継いでいます。
県道281号線で長門市日置中を南に進み、畑集落で右に折れ狩音川沿を進むとダム下に着きます。
ゲートは自由越流式のクレストゲート3門と農業用ダムらしいシンプルな構造。
左岸ダム下(写真右手)に送水放流設備があります。
堤体直下に植えられた椿がいいアクセントに。
いったん県道に戻り、狩音ダムの標識に従って右折すると右岸ダムサイトに到着します。
上流面
クレストゲートの奥に取水設備があります。
下流面
農業用ダムとはいえ、堤高37.1メートル、堤頂長185.5メートルはなかなかのスケール。
左岸の放流、送水設備
ここからパイプラインで受益農地に送水されます。
2015年(平成27年)に小水力発電所設置予定というニュースもありましたが、発電所が設けられた様子はありません。
天端は車両通行可能。
天端から見た減勢工。
ダム湖は総貯水容量83万8000立米。
湖畔は公園として整備されています。
東屋の下に巡視船係留用の浮き桟橋があります。
左岸から上流面。
(追記)
狩音ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
2106 狩音ダム(1593)
山口県長門市日置中
掛淵川水系狩音川
A
G
37.1メートル
185.5メートル
838千㎥/838千㎥
長門市
1992年
◎治水協定が締結されたダム