第27回日本数学コンクールのショート・ヒストリー

　日本数学コンクールが誕生したのは、1990年のこと。この年、京都で開催された国際就学者会議にて、森重文京大教授がフィールズ賞を受賞されたことを記念に創設されたのが日本数学コンクールだったのです。元々前年度まで森先生は名古屋大学の数学科助教授として約10年在籍されていました。昨年叙勲された四方先生を中心に、数学コンクールの準備がなされました。
　（京都大学では「森の数学会」という数学コンクールが3年ほど前から実施されています。）

　さて、その森先生ですが、数理解析研究所をこの春、定年を迎えられました。現在は頭脳流出防止用に新設された京都大学高等教育院の教授に就任されています。

ジョコビッチとセルビアオリンピック。

　ジョコビッチの生まれは1987年5月22日。セルビアオリンピックは1984年2月8日から2月19日まで旧ユーゴスラビアで開催された冬期オリンピックだ。ユーゴスラビア紛争はユーゴスラビア連邦解体の過程で発生した紛争である。セルビアは旧ユーゴスラビアの中心都市であった。それが、1990年から2000年に至る期間で相次ぐ紛争により現在ではオリンピックスタジアムが巨大な墓地と化すという悲惨な状況下にある。平和の祭典の跡地が巨大な墓地になる。常人では想像できない。
　ジョコビッチ自身はセルビアオリンピックは知る由もないが、国内のセルビア人がボスニアからの独立を目指したボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を体験したことだろう。これは、想像の域を出ないが、ジョコビッチの強さの秘密はこの祖国に対する思いがあるかも知れない。まだまだジョコビッチ時代は当分続くだろうが、そのあたりのメンタル面の強さを一度正確に知りたいと思うのは、私だけではないだろう。