演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

理論と原則

2010年06月21日 23時28分41秒 | 演劇
面白かったとか、面白くなかったというのは
自分の価値基準なので言いやすいが
なぜあそこがおかしいのか、というのを技術論としていうのは難しいし、
文系の人間には理解してもらえないこともある。

照明の例を挙げる。

エリヤスポット※にネタを入れてポチポチした照明を見せるやり方だ。

※エリプソイダルリフレクタースポットライト。長いのでこう呼ぶ。反射鏡が楕円(エリプス)形なのでこう呼ばれる。一種のレンズプロジェクターで、金属製の種板(GOBO)を入れることにより様々な模様を投射できる。カッターを使って余分な部分を切ることも可能。

普通は舞台全体を色で染めて
白い光でポチポチ模様を作る。

でも、アマチュア演劇で時々見るのは
地明かりに、ポチポチ色をかけている例。

1.色を使うと光量が減るので、ぽちぽちっと色をつけようとすると
地明かりに対して大量の光源を使わなくてはならず現実的ではない。

2.もともとが木漏れ日のような表現のために作られているので、人工的で不自然なシーンになる。
例)青く染めた中に不規則な白い光を落とせば、月光のシーンとか。

とまあ、言葉で説明しようとするとなかなか難しい。
見れば一発で分かるのだが。