明治乳業争議団(blog)

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明治HDが中労委「公益委員」を取締役に据える異常さ!

2010年09月07日 16時36分55秒 | お知らせ
         ━━ 明治ホールディングス株式会社 ━━
       中央労働委員会「公益委員」を取締役に据えている異常さ!

● 明治HDの取締役は佐藤社長、浅野副社長を筆頭に10名体制です。そのうち2名が社外取締役ですが、なんと、現役の中央労働委員会公益委員である佐貫葉子氏がその一人で す。明治HD発行「6月29日開催株主総会」資料によると、「当期開催の取締役会13 回中12回に出席し、経営に対し弁護士としての観点から活発な助言、意見をいただいて おります」とあり、また、株主総会でも、他の取締役と同列に檀上に座していたのです。

● 問題は、労働委員会の公益委員という、労働者・労働組合の権利擁護にとって極めて重 要な役職にある人物を、民間大企業の取締役に据える事の異常さです。労働委員会は、労 働者・労働組合の団結権を擁護し、使用者(企業)の不当労働行為や権利侵害を厳しく規 制し、労働者・労働組合の諸権利の原状回復を使命に、①不当労働行為の審査・救済、② 労働争議の調整、③個別労使紛争のあっせん等を行う行政機関です。
 特に、公益委員の職責は重大です。使用者委員、労働者委員の参与委員と公益委員の三者 構成で不当労働行為などを扱いますが、その審査・判断の権限は公益委員にあるのです。 従って、公益委員は使用者側、労働者側からも信頼が得られ、一方にかたよることのな  い、まさに、公益を代表するに相応しい識者があたるべき役職なのです。

● 明治HD子会社の明治乳業は、1960年代から労働争議の絶えない極めて異常な企業 体質であり、いまでも市川工場事件(32名)と全国事件(9事業所32名)の、不当労 働行為・差別事件が未解決のまま続いているのです。今年の明治HD株主総会以降、各方 面で話題となり問題視されているのは、「労働争議の絶えない明治乳業の親会社明治HD が、労働者・労働組合の権利救済機関である労働委員会の公益委員を、高い報酬を支払っ て経営陣の一角に据えているのはなぜか?」、「民間大企業の取締役が公益委員とは異常 だ」など等であり、中労委に係訴中の事件当事者からも不信・不安の声が聞かれます。

     ━━ 公益委員「選考基準」の在り方を厚生労働省に問い質す ━━

● 今年11月の、中央労働委員会委員改選(第31期)に向け、労働委員会民主化対策会 議(全労連、純中立労組懇、MICなど)は公平任命を求め、厚生労働省への要請行動を 継続しています。要請の中で、公益委員の選考基準の在り方について問題を提起し、「民 間大企業の取締役が公益代表と言えるのか」、「労働委員会への信頼を失い、活性化にも 逆行する選考は改めるべき」と迫りました。応対した労使関係担当参事官室の調査官は、 「ご指摘の内容を受け止め、選考に向けて悩まさせてください」等と答弁しています。

● 経過を通じて明らかなのは、①労働委員会公益委員という役職を承知で、取締役に据え ている明治HDの異常企業体質、②公益委員という重要な職責にありながら取締役に就任 している佐貫葉子氏、③民間大企業の取締役を公益委員に選考した厚生労働省(行政)の 責任と、それぞれ重大ですが、やっぱり明治乳業・明治HDの企業体質は許しがたいもの です。

● 明治乳業争議団と支援共闘会議は、労働委員会公益委員を経営陣に据えて不当労働行為 や差別の「やり得」を改めようとしない、明治乳業・明治HDを許さない闘いを全力で行 うと同時に、労働委員会が労働者・労働組合の権利救済機関として活性化を図る為にも、 民間大企業の取締役が公益委員に選任されること等の異常さを正すために奮闘します。
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