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明治ホールディングス株式会社 第4回株主総会へ「事前質問書」提出する

2013年06月13日 14時15分29秒 | お知らせ
明治ホールディングス株式会社の第4回株主総会に向けて「事前質問書」を提出する

 2013年6月27日第4回株主総会開催の告知を受けました51名の株主連名で「事前質問書」を、6月12日午後2時から明治HD本社に出向き提出しました。
 
提出に当たり
 ①毎回の事前質問書に対する回答は一部分であり、各項目・事項に対する質問に正しく答えること。
 ②51名株主連名の代表として提出している立場から、質問者に対する選別を止めしっかりと質問を受けること。
 ③時間内で打ち切ることなく社会的に開かれた株主総会であること。等を申し入れました。

以下質問書を掲載します。

                                     2013年6月12日
明治ホールディングス株式会社
 代表取締役社長 浅野 茂太郎 殿
                              賛同株主51名の代表株主
                              株主 小関 守
                                  株主 篠崎 力
                      
第4回 明治ホールディングス株式会社株主総会に対する「事前質問書」

はじめに
明治ホールディングス株式会社(以下、単に明治HD)の第4回株主総会に対し、趣旨に賛同される株主の連名で質問書を提出します。当然のことですが、全項目への回答を求めると同時に、総会議場での発言が異常に規制されることのないように厳しく申し入れておきます。 
尚、6月21日までに文書で回答されることを求めます。



1、経営施策、経営理念にかんする質問

(1) 統合効果と経営責任について
 2009年に明治乳業と明治製菓が統合しましたが、統合時の約束である統合効果が下記表のとおり発揮されていません。なぜ、統合効果が出ないのか、経営責任をどう感じているのか、明らかにしていただきたい。


       09年 統合前   2010年3月  2011年3月 2012年3月     2013年3月 (単位百万円)
売上高    1,125,474   1,106,645  1,114,095 1,109,275      1,126,520
営業利益     24,835     28,786    28,873   20,189       25,859

(2) 円安の影響と対策について
「原燃料価格の上昇が食品メーカーの収益を圧迫している。食品大手の2014年3月期は原燃料高が6社合計で158億円の連結営業減益の要因となる見通し。各社とも販売増やコスト削減で吸収し、営業増益を確保する」(日経5月29日付)
  このように、急激な円安により、輸入品の原料高が問題になっています。現在、円安の影響はどの程度出ているのか、また、円安対策をどう考えているのか、明らかにしていただきたい。

(3) TPP対策について
政府が環太平洋連携協定(TPP)に参加した場合を想定し、十九の道県が地元の農
水産業への影響を独自に試算。全道県で生産額は減少。千葉、茨城などでは牛乳・乳製
で、生計を立てられる農家がゼロになることを意味する「全滅」と判定されるなど、大
な影響が出ることが浮き彫りになった。(東京新聞2013年4月12日 付)
 明治HDのTPPに対する考えと、TPP対策について、考えを明らかにしていただ
たい。

(4) 工場操業について
 明治HDは、「世界的な食品メーカーに飛躍したい」「売上を伸ばし、成長路線でカ
バーしたい」と宣言しました。その具体化が中国工場操業です。「明治乳業(蘇州)有限公司」は、2013年1月頃より牛乳、ヨーグルトなどの製造を開始する予定と明治HDのホームページに掲示されています。しかし、未だに音沙汰なしです。進捗状況がどうなっているのか、明らかにしていただきたい。

(5) 消費者団体からの懇談及び要請の申し入れを拒否する経営姿勢について
日本婦人団体連合会が放射能汚染問題に関する懇談と要請を、日本乳業協会及び明
治HDに申し入れ、乳業協会とは2012年6月20日に実施したと聞きます。
同団体(21団体、91万人)は、主婦層を広く組織している全国組織です。しかし、
明治HDは「申し入れ」を拒否し懇談・要請を門前払いしたと聞きますが事実ですか。
貴社の経営理念や倫理にも反しますが、拒否理由を明らかにしていただきたい。

(6) 粉ミルクの一般競争入札をめぐる官製談合事件にかんする質問
   防衛医科大学校病院(所沢市)発注の粉ミルク入札を巡る談合事件で、(株)明治ら業者が市場価格を大幅に上回る価格で落札していた事件が発覚(マスコミ報道2012年8月29~30日)。競売入札妨害などで逮捕された防衛技官と同時に、(株)明治に家宅捜査が入り担当者ら2名が共犯容疑で埼玉県警の取り調べを受けた事件です。

1)企業倫理に関わる重大問題です。経営陣の責任で事件の経緯を明確にしてください。
① 逮捕容疑となった入札の落札価格が開示されましたが、不正な落札価格を社内で確認し承認した経緯を明らかにしていただきたい。
② 社員は取り調べに、「現場の一存では決められない、談合は長年の引き継ぎ事項」と証言。社内での指示・命令系統及び最終責任の所在を明らかにしていただきたい。
2)反社会的行為の烙印は消すことのできない事実。
不起訴処分ですが、不当に価格操作を行った反社会的行為は免罪されません。
(株)明治は倫理憲章で、「社会の人や家族に、正々堂々と話せる行動ですか」、「法
令、業界規範、社内規定、社会常識等に違反していませんか」等と厳しく社員を戒
めています。不当な利益のために企業倫理・モラルを社員に破らせた責任の所在と、
経営陣の責任の取り方について明らかにしていただきたい。

(7) 株主を差別する「会社法違反」の異常な対応について
   2012年12月26日、明治HDの個人株主3名が連名で「健全な企業活動を求める『質問書』」を貴社に提出しました。しかし、「純粋な株主ではない」等として回答を拒否し、その後、一切の応対すら拒否する異常事態が続いています。
   
① 総務グループ長は「貴方は純粋な株主ではない」と断言し、一切の対応を拒否し
ていますが、この異常対応は経営陣の指示なのか、明らかにしていただきたい。
② この対応は、会社法109条1項「株主平等原則」に反するものですが、明治H
D経営陣の一致した見解と理解してよいのか、明らかにしていただきたい。

(8) 明治HDの業績低迷の理由について
  日本経済新聞社が企業ランキング「NICES」(2012年11月30日)を発表。そ
れによると、明治HDのランキングは前年の129位から144位に低下しています。また、食品業界の純利益ランキング(平成23年度『Ullet』ユーレット)20社をみると、食品企業売上高第5位の明治HD(68億円)は、雪印メグミルクよりも下位の最下位20位です。これら指標での業績低迷をどう評価しているのか説明をしていただきたい。

(9)「第2回お菓子総選挙」に参加しなかった理由について
 「第2回お菓子総選挙」は国民1万人にアンケートをとり4月20日、テレビで報道 
  されました。 昨年10月27日の第1回お菓子総選挙には明治HDも参加していましたが、今回は15社が参加しているにもかかわらず、明治HDが参加していないことに違和感を感じました。宣伝効果が期待される企画になぜ参加しなかったのか、理由を明らかにしていただきたい。

(10) ハサップは「卒業した」との答弁について
   HACCPとは 食品の衛生管理手法のひとつで、原料の入荷から製造、出荷 
   までのすべての工程において危害を予測し、その危害を防止するための重要管理点を特定し、連続的に監視、記録することにより、ひとつひとつの製品の安全性を保証しようとするものです。昨年の株主総会で、「最近、明乳製品のハサップ表示が消えていますがなぜですか」と株主が質問しました。それに対して、吉岡氏は「ハサップ制度は継続しています。 消えている理由は、卒業したということで表示をしていません」と答弁しました。この「卒業した」と言う真意を説明していただきたい。


2、経営基盤を揺るがしている不祥事・不正行為にかんする質問

残念ながら、経営基盤を揺るがす不祥事や不正行為が後を絶たない状況であり、収益が伸び悩んでいる最大の要因でもあります。経営陣の責任は極めて重大です。

(1) 放射能汚染問題に関するその後の対応についての質問
 福島県県民健康管理調査検討委員会の発表(平成25年2月13日)では、県民の甲状腺異常の発生率が平成23年度では調査対象の35,8%に対し、平成24年度では44,2%と上昇です。チェリノブイリ原発事故以後の事例でも明らかなように食品企業の責任は重大です。

1) 消費者は、基準値に対し「それ以下なら安全」とは判断せずに具体的な汚染数値を知り、
特に子育て中の消費者は安心して商品が選べることを望んでいますが、貴社は「基準値以下
の汚染なら健康被害はない」と今でも判断しているのか、明らかにしていただきたい。

2) 牛乳などによる低線量内部被曝から子供たちを守る課題は長期に及ぶことですが、原乳の汚染検査をクーラーステーションだけではなく酪農家単位でも行い、学校牛乳や乳児用製品の安全性を高めることについて、経営陣の考え方を明らかにしていただきたい。

3)「オランダやドイツで乳児用粉ミルクが買い占められて中国に持ち出され、両国は品不足から販売制限を始めた。中国では食の安全への不安から外国製粉ミルクの需要が高まっており、主要供給元だったオーストラリア、ニュージランド、香港が輸出などを制限したため、買占めの動きが欧州に飛び火したようだ。『中国のすさまじい消費力』を見せつけられ、乳児食品メーカーは増産を急いでいる」(産経5月10日付)との報道がありました。

① 明治HDも中国で新事業を開始しましたが、放射能汚染が近隣諸国に止まらず国際問題と
なるなか、事業展開の現状と販売経路の見通しについて、明らかにしていただきたい。
② 同じ経営環境にありながら、メディアから「こんな会社に粉ミルクを作ってもらいたく
ない(週刊金曜日)」等と、告発されているのは(株)明治だけですが、何が問題でこれだけ厳しい批判が続くのか、経営陣の認識を明らかにしていただきたい。
③ 埼玉工場での粉ミルク汚染問題発生による損害額を明らかにしてください。

(2)「明治ミルクプリン超BIG200g」風味劣化の不祥事についての質問
   微生物の影響で賞味期限内に風味劣化が生じる可能性を記載し、「商品回収に関
するお詫びとお知らせ」が、新聞に掲載されテレビ報道もありました。

① 回収対象商品が23万個にも及び、2012年7月31日以降に製造した商品を購入した4人から、「腹痛」「気分が悪くなった」などの問い合わせで判明したとの報道ですが、会社が回収を公表したのは8月30日です。約一カ月の空白がありますが、遅れた理由を明らかにしていただきたい。
② 汚染原因について、(株)明治は「微生物」、所轄の保健所は「一般生菌(細菌)」、東京都から厚生労働省への報告は「芽胞菌」等と2転3転です。原因菌の特定経過、及び、発生原因を明らかにしていただきたい。
③ 「製造工程上のチェック体制」などの危機管理体制、その後の改善策。及び、対象商品23万個のうち回収された実数と、損害額を明らかにしていただきたい。

3、労働争議を解決し社員の人権を守る健全な企業活動を回復することにかんする質問

  (株)明治の異常な企業体質の一つに、1960年代から切れ目なく労働争議が続いていることがあり、現在でも3件が争われています。しかし、健全な企業として飛躍するためには、差別・人権侵害が容認されてきた企業体質の改善は、絶対に避けては通れない課題です。
  私たちは、全国9事業所事件への東京都労働委員会命令を目前にしている今年が、全面解決への決定的な局面だと考えています。

1) 市川工場事件への東京高裁判決では、会社の労組活動への支配介入の事実を「笠原ファイル」などの秘密資料を引用して判断。申立人らの、「差別的な成績評定が組織的に行われていた」との主張に沿って事実認定を行い、①申立人らの集団性、②集団間の「有意な格差」、③不当労働行為意思について「妥当すると見る余地はある」と判示しています。
   この内容を真摯に受け止めるならば、都労委命令を待たずに経営陣の判断で解決への道筋が開かれるものと確信しますが、いかがでしょうか。

2)日本経済の状況や厳しい経営環境を率直に判断し、「労働争議を抱えている場合ではない」との指摘があります。厳しい経営環境を脱却するためにも、不幸にして長期化している労働争議の解決に向け、話し合いへの道筋を切り拓くべきだと考えています。
経営陣は28年余に及ぶこの長期労働争議の終結をどのように考えているのでしょうか、明らかにしていただきたい。

3) 多く争われてきた大企業争議は、ほぼ全ての事件が話し合いによる和解解決で終結しており、明治乳業争議がこの種事件では最後の大型争議です。異常な労働争議のさらなる長期化を避けるためにも、都労委命令に基づいて全面解決への話し合いが行われるべきですが、考えを明らかにしていただきたい。


◎ 上記、「事前質問書」に賛同されている株主は、下記の方々であることを付記いたします。
株主49名


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