株式会社 明治(旧明治乳業) 浅野茂太郎社長 様 2011年12月8日
明治セシウム入り粉ミルク事件の背景に異常な経営体質 究明、対策、謝罪、責任を求める 公開質問状
明治乳業争議支援共闘会議 議長 松本悟
株式会社明治(明治乳業)に対する公開質問状
初冬の候、セシウム入り粉ミルク事件で、赤ちゃんに内部被曝をあたえるなど、取り返しのつかない事件をおこした貴社にたいし、公開質問状をブログで提出することにした。
今回の粉ミルクセシウム入り事件の背景には、27年目に入った明治乳業争議を話し合いで解決しない異常な経営体質がある。すなわち、貴社の労働者に対する人権尊重の姿勢に問題がある。
また、福島原発事故以来、子どもの命を守るため、お母さんたちが放射線検査と検査結果の公表を求めてきたが、牛乳、粉ミルクのベクレル数の公表を拒んできた株式会社明治の基本姿勢に問題がある。このことは消費者が求める食の安心・安全に対する軽視がある。
これらの異常な経営体質を改善しない限り、株式会社明治の発展はあり得ない。
いまこそ、懸案事項を解決し、乳業業界トップ企業として、本来のものづくり企業に専念することを求めるものである。
なお、貴社は明治乳業争議支援共闘会議と明治乳業争議団の要請に対し、「電話は取り次がない、要請書も受け取らない、話し合いにも応じない」という異常な対応をしている。また、東京高裁などが三回にわたって和解提案を行いましたが、三回とも和解を拒否している。
よって、今回の公開質問状も同様の扱いが目に見えているので、ブログ上で浅野茂太郎社長に回答を訴えるものである。
市民のみなさん、社員のみなさん、酪農家のみなさん、株主のみなさん、明治セシウム入り粉ミルク事件の真相究明、対策、謝罪、責任をご一緒に求めようではありませんか。
以下、公開質問をする。
① 粉ミルクにセシウムが検出された経緯を明らかにすること。
「明治が今回検査を実施したのは、市民団体が『明治ステップ』について行った放射線検査で反応があったこときっかけだ。同社の広報担当者によると、不安に思った顧客からの電話が11月28日にあり、検査を行ったという」(ウォール・ストリート・ジャーナル・12月7日付)。
貴社は11月28日に顧客からの電話を受理、セシウム入り粉ミルクの発表が12月6日、この間、何をしていたのか。なぜ、直ぐに回収しなかったのか、真相を明らかにしていただきたい。
② この間の粉ミルクの放射能検査結果を明らかにすること。
明治乳業は、粉ミルクに使われている乳原料は北海道、海外はアメリカ・オセアニア・ヨーロッパとしている。そして、放射能は安全確認されたものを仕入れている。安全な原材料を使っている、と回答している。
この「安全神話」に基づき、検査をしていなかったのではないのか。この間の放射能検査と検査結果の公表を求めるものである。
③ 粉ミルクにセシウムが混入した原因を明らかにすること。
明治は「問題の製品は、大気中に大量の放射性物質が放出された3月14~20日に製造したという。広報担当者によると、同社は3月21日に放射線量を検査したが、検出限界値未満だった。以来、その前後に製造された製品は安全だと考えていたという」
同社は「原発事故直後に飛来した大気中の放射性物質が、噴霧乾燥の過程で混ざった可能性が高い」としている(12月7日 gooニュース)。
独立行政法人放射線医学総合研究所は問い合わせに対し、「福島原発事故が発生した時に飛散した放射性ヨウ素と放射性セシウムについては、ヨウ素は空気中に漂ったが、セシウムはすべて地表に落下した。ヨウ素は半減期が短いので、現時点では存在していない。セシウムは半減期が長いので、現時点では土の中に存在している。
製造は室内で行われているはずだから、セシウムが混入することは考えられない。
もし入るとすれば、風で土が舞い上がって製造中に紛れ込んだ事が考えられるが、その場合は部屋のどこからか入ったことになる。もう一つは、風で土から舞い上がって原材料に入ったということしか考えられない。」とのことである。
また、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏は、「外部の雑菌だらけの空気で乾燥することはありうるのですかね?」と疑問をなげかけている。
また、本当のところは、原材料の牛乳にセシウムが入っていたのではないか、それを隠ぺいするためにウソをついているのではないか、と指摘する人もいる。
「大気中の放射性物質が、噴霧乾燥の過程で混ざった可能性が高い」との説明だが、福島原発から180㎞離れた埼玉の工場でそんなことがあり得るのか。
なぜ、粉ミルクにセシウムが混入したのか、真相究明を求めるものである。
④ 「今回検出されたセシウム合計値は22から31ベクレル/kgであり、毎日飲用されましても健康への影響はない」と明治HDは宣言しているが、その医学的根拠を明らかにすること。
暫定基準値200ベクレル/kg以下だが、世界基準であるWHOの基準値10ベクレル/kgやドイツ放射線防護協会が提言する数値、すなわち子供4ベクレル/kg、大人8ベクレル/kgという数値を上回っている。
「子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク」の代表で小児科医の山田真氏は、政府の基準は容認できないと述べた。山田氏によると、この基準は四半世紀前にチェルノブイリ原発の事故を経験したベラルーシやウクライナといった国に基づいている。今回検知された量のセシウムを含む製品は乳児にとって良くないと警告している。
京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏は「30ベクレルという値であれば、それなりの危険なわけです。国が定めた200ベクレルという危険もそれなりの危険だと思わなければいけません。できるだけ子どもには汚染のないものを与えるべきです」と警告している。
「安全神話」を振りまかないでいただきたい。子どもたちを守るために、30ベクレルが安全だというなら医学的根拠を明らかにしていただきたい。
⑤ 子どもたちの命を守るため再発防止を含め、今後どうするのか、方針を明らかにすること。
⑥ 浅野茂太郎社長は国民に謝罪と経営責任を明確にすること
今回のセシウム入り粉ミルク事件は明らかに人災である。赤ちゃんに内部被曝をあたえるなど、取り返しのつかないことをした明治の浅野茂太郎社長は、国民に対し謝罪と経営者としての責任を明確にすること。
⑦ 27年目に入った明治乳業争議を話し合いで解決すること
今回の事件の背景には、冒頭に述べたように明治の人を大事にしないという基本姿勢が影響している。その象徴が27年目に入った明治乳業争議を話し合いで解決しようとしない姿勢にある。
もう労使で争っている場合ではない。働くものの人権を守り、消費者の食の安全と安心を守り、酪農家のくらしと営業を守る、そういう企業として発展するためにも長期争議の解決の決断を求めるものである。
以上
明治セシウム入り粉ミルク事件の背景に異常な経営体質 究明、対策、謝罪、責任を求める 公開質問状
明治乳業争議支援共闘会議 議長 松本悟
株式会社明治(明治乳業)に対する公開質問状
初冬の候、セシウム入り粉ミルク事件で、赤ちゃんに内部被曝をあたえるなど、取り返しのつかない事件をおこした貴社にたいし、公開質問状をブログで提出することにした。
今回の粉ミルクセシウム入り事件の背景には、27年目に入った明治乳業争議を話し合いで解決しない異常な経営体質がある。すなわち、貴社の労働者に対する人権尊重の姿勢に問題がある。
また、福島原発事故以来、子どもの命を守るため、お母さんたちが放射線検査と検査結果の公表を求めてきたが、牛乳、粉ミルクのベクレル数の公表を拒んできた株式会社明治の基本姿勢に問題がある。このことは消費者が求める食の安心・安全に対する軽視がある。
これらの異常な経営体質を改善しない限り、株式会社明治の発展はあり得ない。
いまこそ、懸案事項を解決し、乳業業界トップ企業として、本来のものづくり企業に専念することを求めるものである。
なお、貴社は明治乳業争議支援共闘会議と明治乳業争議団の要請に対し、「電話は取り次がない、要請書も受け取らない、話し合いにも応じない」という異常な対応をしている。また、東京高裁などが三回にわたって和解提案を行いましたが、三回とも和解を拒否している。
よって、今回の公開質問状も同様の扱いが目に見えているので、ブログ上で浅野茂太郎社長に回答を訴えるものである。
市民のみなさん、社員のみなさん、酪農家のみなさん、株主のみなさん、明治セシウム入り粉ミルク事件の真相究明、対策、謝罪、責任をご一緒に求めようではありませんか。
以下、公開質問をする。
① 粉ミルクにセシウムが検出された経緯を明らかにすること。
「明治が今回検査を実施したのは、市民団体が『明治ステップ』について行った放射線検査で反応があったこときっかけだ。同社の広報担当者によると、不安に思った顧客からの電話が11月28日にあり、検査を行ったという」(ウォール・ストリート・ジャーナル・12月7日付)。
貴社は11月28日に顧客からの電話を受理、セシウム入り粉ミルクの発表が12月6日、この間、何をしていたのか。なぜ、直ぐに回収しなかったのか、真相を明らかにしていただきたい。
② この間の粉ミルクの放射能検査結果を明らかにすること。
明治乳業は、粉ミルクに使われている乳原料は北海道、海外はアメリカ・オセアニア・ヨーロッパとしている。そして、放射能は安全確認されたものを仕入れている。安全な原材料を使っている、と回答している。
この「安全神話」に基づき、検査をしていなかったのではないのか。この間の放射能検査と検査結果の公表を求めるものである。
③ 粉ミルクにセシウムが混入した原因を明らかにすること。
明治は「問題の製品は、大気中に大量の放射性物質が放出された3月14~20日に製造したという。広報担当者によると、同社は3月21日に放射線量を検査したが、検出限界値未満だった。以来、その前後に製造された製品は安全だと考えていたという」
同社は「原発事故直後に飛来した大気中の放射性物質が、噴霧乾燥の過程で混ざった可能性が高い」としている(12月7日 gooニュース)。
独立行政法人放射線医学総合研究所は問い合わせに対し、「福島原発事故が発生した時に飛散した放射性ヨウ素と放射性セシウムについては、ヨウ素は空気中に漂ったが、セシウムはすべて地表に落下した。ヨウ素は半減期が短いので、現時点では存在していない。セシウムは半減期が長いので、現時点では土の中に存在している。
製造は室内で行われているはずだから、セシウムが混入することは考えられない。
もし入るとすれば、風で土が舞い上がって製造中に紛れ込んだ事が考えられるが、その場合は部屋のどこからか入ったことになる。もう一つは、風で土から舞い上がって原材料に入ったということしか考えられない。」とのことである。
また、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏は、「外部の雑菌だらけの空気で乾燥することはありうるのですかね?」と疑問をなげかけている。
また、本当のところは、原材料の牛乳にセシウムが入っていたのではないか、それを隠ぺいするためにウソをついているのではないか、と指摘する人もいる。
「大気中の放射性物質が、噴霧乾燥の過程で混ざった可能性が高い」との説明だが、福島原発から180㎞離れた埼玉の工場でそんなことがあり得るのか。
なぜ、粉ミルクにセシウムが混入したのか、真相究明を求めるものである。
④ 「今回検出されたセシウム合計値は22から31ベクレル/kgであり、毎日飲用されましても健康への影響はない」と明治HDは宣言しているが、その医学的根拠を明らかにすること。
暫定基準値200ベクレル/kg以下だが、世界基準であるWHOの基準値10ベクレル/kgやドイツ放射線防護協会が提言する数値、すなわち子供4ベクレル/kg、大人8ベクレル/kgという数値を上回っている。
「子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク」の代表で小児科医の山田真氏は、政府の基準は容認できないと述べた。山田氏によると、この基準は四半世紀前にチェルノブイリ原発の事故を経験したベラルーシやウクライナといった国に基づいている。今回検知された量のセシウムを含む製品は乳児にとって良くないと警告している。
京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏は「30ベクレルという値であれば、それなりの危険なわけです。国が定めた200ベクレルという危険もそれなりの危険だと思わなければいけません。できるだけ子どもには汚染のないものを与えるべきです」と警告している。
「安全神話」を振りまかないでいただきたい。子どもたちを守るために、30ベクレルが安全だというなら医学的根拠を明らかにしていただきたい。
⑤ 子どもたちの命を守るため再発防止を含め、今後どうするのか、方針を明らかにすること。
⑥ 浅野茂太郎社長は国民に謝罪と経営責任を明確にすること
今回のセシウム入り粉ミルク事件は明らかに人災である。赤ちゃんに内部被曝をあたえるなど、取り返しのつかないことをした明治の浅野茂太郎社長は、国民に対し謝罪と経営者としての責任を明確にすること。
⑦ 27年目に入った明治乳業争議を話し合いで解決すること
今回の事件の背景には、冒頭に述べたように明治の人を大事にしないという基本姿勢が影響している。その象徴が27年目に入った明治乳業争議を話し合いで解決しようとしない姿勢にある。
もう労使で争っている場合ではない。働くものの人権を守り、消費者の食の安全と安心を守り、酪農家のくらしと営業を守る、そういう企業として発展するためにも長期争議の解決の決断を求めるものである。
以上
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