2013年 6月 12日
東京都労働委員会
会 長 荒木 尚志 殿
明治乳業争議支援共闘会議
議 長 松 本 悟
明治乳業賃金昇格差別撤廃争議団
団 長 小 関 守
要 請 書
[ 平成6年不55号事件・その他 明治乳業賃金昇格差別事件 ]
記
私たちは要請の中で、本件が不当労働行為の三要件に照らし典型的な事案であることを、様々な角度から改めて解明してきました。同時に、早期解決を会社に促すためには、6月株主総会の前に救済命令が交付されることが必要であることを強く訴え、命令作業の促進と早期救済命令の交付を繰り返し要請してきました。
しかし、6月4日の公益委員総会にも付されなかったことから、株主総会前の命令交付は残念ながら不可能と判断せざるを得ません。貴委員会が私たちの要請の主旨を受け止め、早期命令交付に向け努力している姿勢は伝わってきましたが、結果として命令交付に至らなかったことは、極めて遺憾に思います。
要請の中で、命令作業に時間を要している理由として、「資料や書証が膨大である」とのコメントがありました。今回の要請では、迅速な救済措置という労働委員会の使命及び職責に照らしても、注意深く精査されている膨大な証拠の内容を、事実認定として正確に命令に生かして戴き、不当労働行為・差別の「やり得」を厳しく断罪する救済命令を、重ねて強く要請するものです。同時に、本件は貴労働委員会や各地方労働委員会が、多くの事件への救済命令を通して蓄積してきている、不当労働行為事件への判断手法に照らしても、救済されるべき事案であることを改めて明らかにし、躊躇することなく一日も早く救済命令を交付されることを強く要請するものです。
1、累積格差の将来に向けた一括是正方式が、貴委員会を始め労委命令の到達点です
「賃金・職分差別事件」では、累積格差を将来に向けて一括是正する救済方法が、各労働委員会で定着し裁判所においても支持されているのが到達点です。特に、貴委員会が果たしてきた役割は、下記の命令例に見るように極めて積極的な内容です。
(以下、申立人最終準備書面第1章から3章の2、197~206頁参照願います) 。
①東京海上火災保険事件《東京都労委、昭和57年1月12日命令》
*労使関係は14年間の遡及審査、累積格差は4年間遡及して救済。
命令では、「会社は、昭和48年度における支部組合員の昇給昇格率が全社平均と同率になっているから、・・・同年度には何ら不当な差別はないとも主張する。たしかに、支部組合員の中には昇級・昇格した者がおり、かつ、その昇給昇格率は全国平均と同率で昇格しているけれども、それまでの格差が残されている以上、下記判断のとおり不当労働行為を構成する」と判示。低位の職分に据え置かれていた時期の「残存格差」についても、不当労働行為の成立を認めて救済しているのです。
②石川島播磨重工業事件《東京都労委、H2年2月20日命令》
*累積格差は16年間遡及審査し、将来に向けた一括是正の救済命令。
命令は、「会社は昭和51年度において職区分・等級に存する格差は申立人らの入社以来の職区分・等級の格付けの積み重ねであるので、その格差を同年度に一挙に是正することは申立期間の制限(労組法27条2項)によって許されないと主張するが、同年度におけるそれら格付けについて会社の不当労働行為が認められ、同年度の時点において、それまでの間に公正な格付けがなされてきたならばほぼ到達したであろう職区分・等級昇進との格差が認められる場合は、その時点以降においてその格差の是正を命じることは、むしろ不当労働行為救済制度の趣旨に適した救済方法というべきである。」として、極めて明確な判断を示しているのです。
紙面の関係で2事例にとどめますが、本件の救済方法についても上記の到達点を踏まえた、中島審査委員(当時)の審査指揮があったのです(別紙、調査調書)。
2、本件は1960年代後半から継続している極めて異常な不当労働行為・差別事件
会社が「インフォーマル組織」を結成して、従業員を紅組・白組・雑草組に分断し、昇給・昇格や仕事差別で脅しながら転向工作を執拗に行っていたことは、前回の要請でも紹介しました。今回は、会社が労働組合選挙に介入した直接証拠(甲A23号証)を紹介し、これら転向工作に屈しない労働者らが、職場からの排除など見せしめ的に差別されてきた一例として、「甲第11号証」を紹介します。
本件の申立人らは、1994年(H6)の申立以後も、それぞれ退職時まで追加申立を継続し、申立時点よりさらに格差(差別)が拡大している実態を明らかにしています。
また、1960年代後半まで遡及しての立証で、会社の不当労働行為・差別意思の動機や形成過程についても、多くの秘密資料を含め全面的に立証しているのであり、貴委員会に蓄積されている判断手法に照らせば救済命令は当然の帰結です。
3、貴労働委員会の先例を踏襲した公平な命令を強く求めます
上記記載のように、貴委員会を始め各地労委・中央委でも、継続的かつ累積的に格差が形成される不当労働行為事件の特質を正面から受け止め、必要年数の遡及審査を行い、累積差別の「一括是正」命令方式を定着させてきました。
かたくなに争議解決を拒否している(株)明治に、全面解決の決断を厳しく求めるためにも、貴労働委員会の蓄積されている判断手法を本件にも公平に適用され、一日も早く明確な救済命令が交付されることを、改めて強く求めるものです。
以上
東京都労働委員会
会 長 荒木 尚志 殿
明治乳業争議支援共闘会議
議 長 松 本 悟
明治乳業賃金昇格差別撤廃争議団
団 長 小 関 守
要 請 書
[ 平成6年不55号事件・その他 明治乳業賃金昇格差別事件 ]
記
私たちは要請の中で、本件が不当労働行為の三要件に照らし典型的な事案であることを、様々な角度から改めて解明してきました。同時に、早期解決を会社に促すためには、6月株主総会の前に救済命令が交付されることが必要であることを強く訴え、命令作業の促進と早期救済命令の交付を繰り返し要請してきました。
しかし、6月4日の公益委員総会にも付されなかったことから、株主総会前の命令交付は残念ながら不可能と判断せざるを得ません。貴委員会が私たちの要請の主旨を受け止め、早期命令交付に向け努力している姿勢は伝わってきましたが、結果として命令交付に至らなかったことは、極めて遺憾に思います。
要請の中で、命令作業に時間を要している理由として、「資料や書証が膨大である」とのコメントがありました。今回の要請では、迅速な救済措置という労働委員会の使命及び職責に照らしても、注意深く精査されている膨大な証拠の内容を、事実認定として正確に命令に生かして戴き、不当労働行為・差別の「やり得」を厳しく断罪する救済命令を、重ねて強く要請するものです。同時に、本件は貴労働委員会や各地方労働委員会が、多くの事件への救済命令を通して蓄積してきている、不当労働行為事件への判断手法に照らしても、救済されるべき事案であることを改めて明らかにし、躊躇することなく一日も早く救済命令を交付されることを強く要請するものです。
1、累積格差の将来に向けた一括是正方式が、貴委員会を始め労委命令の到達点です
「賃金・職分差別事件」では、累積格差を将来に向けて一括是正する救済方法が、各労働委員会で定着し裁判所においても支持されているのが到達点です。特に、貴委員会が果たしてきた役割は、下記の命令例に見るように極めて積極的な内容です。
(以下、申立人最終準備書面第1章から3章の2、197~206頁参照願います) 。
①東京海上火災保険事件《東京都労委、昭和57年1月12日命令》
*労使関係は14年間の遡及審査、累積格差は4年間遡及して救済。
命令では、「会社は、昭和48年度における支部組合員の昇給昇格率が全社平均と同率になっているから、・・・同年度には何ら不当な差別はないとも主張する。たしかに、支部組合員の中には昇級・昇格した者がおり、かつ、その昇給昇格率は全国平均と同率で昇格しているけれども、それまでの格差が残されている以上、下記判断のとおり不当労働行為を構成する」と判示。低位の職分に据え置かれていた時期の「残存格差」についても、不当労働行為の成立を認めて救済しているのです。
②石川島播磨重工業事件《東京都労委、H2年2月20日命令》
*累積格差は16年間遡及審査し、将来に向けた一括是正の救済命令。
命令は、「会社は昭和51年度において職区分・等級に存する格差は申立人らの入社以来の職区分・等級の格付けの積み重ねであるので、その格差を同年度に一挙に是正することは申立期間の制限(労組法27条2項)によって許されないと主張するが、同年度におけるそれら格付けについて会社の不当労働行為が認められ、同年度の時点において、それまでの間に公正な格付けがなされてきたならばほぼ到達したであろう職区分・等級昇進との格差が認められる場合は、その時点以降においてその格差の是正を命じることは、むしろ不当労働行為救済制度の趣旨に適した救済方法というべきである。」として、極めて明確な判断を示しているのです。
紙面の関係で2事例にとどめますが、本件の救済方法についても上記の到達点を踏まえた、中島審査委員(当時)の審査指揮があったのです(別紙、調査調書)。
2、本件は1960年代後半から継続している極めて異常な不当労働行為・差別事件
会社が「インフォーマル組織」を結成して、従業員を紅組・白組・雑草組に分断し、昇給・昇格や仕事差別で脅しながら転向工作を執拗に行っていたことは、前回の要請でも紹介しました。今回は、会社が労働組合選挙に介入した直接証拠(甲A23号証)を紹介し、これら転向工作に屈しない労働者らが、職場からの排除など見せしめ的に差別されてきた一例として、「甲第11号証」を紹介します。
本件の申立人らは、1994年(H6)の申立以後も、それぞれ退職時まで追加申立を継続し、申立時点よりさらに格差(差別)が拡大している実態を明らかにしています。
また、1960年代後半まで遡及しての立証で、会社の不当労働行為・差別意思の動機や形成過程についても、多くの秘密資料を含め全面的に立証しているのであり、貴委員会に蓄積されている判断手法に照らせば救済命令は当然の帰結です。
3、貴労働委員会の先例を踏襲した公平な命令を強く求めます
上記記載のように、貴委員会を始め各地労委・中央委でも、継続的かつ累積的に格差が形成される不当労働行為事件の特質を正面から受け止め、必要年数の遡及審査を行い、累積差別の「一括是正」命令方式を定着させてきました。
かたくなに争議解決を拒否している(株)明治に、全面解決の決断を厳しく求めるためにも、貴労働委員会の蓄積されている判断手法を本件にも公平に適用され、一日も早く明確な救済命令が交付されることを、改めて強く求めるものです。
以上