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明治乳業争議団(blog)

働くルールの確立で人間性の回復を!

9.29中労委行動 全国事件弁護団事務局長 金井克仁弁護士から中労委闘争の報告

2016年10月08日 15時31分06秒 | お知らせ



 弁護団を代表して若干訴えたいと思います。思い起こせば今から3年前7月の9日、東京都労委で思いもかけない超不当命令が出た。これが今皆さん方と一緒に頑張ってもらっている明治乳業の事件です。

 あれから3年間、皆さんそれから申立人らさらには私たち弁護団、必死になって中労委でたたかってきました。当然、都労委命令の不当性がどこにあるかということを第一番目に訴えてきました。簡単に言えば、申立人らのグループとそれ以外の従業員のグループの間に明瞭な明白な賃金格差、それから職分という地位の格差がありました。にもかかわらず、従来労働委員会は「大量観察方式」という、グループごとに集団で見て、格差があるのかを決めていたのに、命令を書いた荒木公益委員は、この方式を使いませんでした。極めて異例なことです。

 先ほど松本議長の方から、なぜこんな異例な命令が出たのかという背景は、説明がありました。私の方からは同じことを言っても意味がないので、この不当性を弁護団は中労委で一生懸命訴えました。
その材料として一つは、申立人らのグループ以外の他の従業員はいつどれだけの職分に上がって、どれだけの賃金になったかの資料を提出させられれば格差は明らかになるだろうとして、いわゆる人事関係資料の開示を求めました。これについては、中労委は理解を示して会社側に要請したのですけれども、会社はもう申立人等以外の記録は全部廃棄したと言って応じませんでした。
さらには人事記録を開示しない理由として、市川工場事件(今中労委でやっている全国事件に先行して行われた事件で昭和60年に申し立てています)の東京高裁の判決を不当にも変に引用して、昔のことをやる必要はないといって抵抗しました。ですから私たちは、中労委において市川事件の東京高裁の判決はどうゆうものであったのかということを中労委にわかりやすく説明し説得しました。

 因みに、皆さんもご存じかと思いますが、東京高裁判決は、職分、要するに地位としての格差があることは認めませんでしたけれども、賃金の中の号給、これが申立人等のグループとそれ以外のグループの間では、明瞭な格差があると言うことを認めた訳です。初めてであります。そして、その原因は、申立人らが言っている【昭和40年代から始まった不当労働行為にある】という主張も妥当する余地があると言うところまで高裁判決は言ったのです。ですから、私たち弁護団からすればあと一歩の所まで行ったのではないかと思っています。このことを中労委によく解らせました。中労委の最終盤、本人尋問に入る前に論点整理が行われましたが、その際に会社は非常に抵抗しましたが、昭和40年代からの不当労働行為が、この事件にどうゆうふうに関係しているのかということも一つの論点として入れることができました。

 こうした結果、会社は断固採用に反対しましたけれども、11名の当事者、証人と証拠調べができました。若干一人15分という短い人もおられましたけれども、少なくとも選び抜いた証人、選び抜いた申立人全員採用させることができたことは、大きな成果だったのではないかと思います。
こういった経過を受けて今中労委は命令作業に入っています。当然、弁護団としては、勝利命令下してくれるだろうと思っています。こう思って迎えたのが3年前の都労委命令なので、なんとも言えない嫌な思いがするのですが、先ほど松本議長が言ったように、荒木と明治には色々な関係がある。しかし、少なくとも中労委の公益委員とは、そういう関係はないことが今のところ解っている。ですから当然、正義の内容のある救済命令が下されるものと弁護団は思っています。

 最終準備書面も色々ありましたけれども、一所懸命書き、記述の中にもポイントを訴える内容になっているのではないかと。
最終準備書面を出し切りましたけれども、弁護団はいろんな場所で、例えば今日の私のようにこうした場所に立って事件を訴える、違った弁護士は、会社の要請行動、座り込みの時に行って訴え等しています。更には、勝利命令を出ることはもちろんですけども、今、もう一度中労委を通じて和解で早期に解決ができないかと言うことを模索しています。

 こういう点で、お集まりいただいた皆さんのこの熱意、これを中労委に向けると共に会社包囲行動をさらに強化して、是非、会社をして和解を応じさせる様にしていきたいと思います。命令は年末から年度末にかけて私たちは出るもの予想しています。しかし今は、命令に期待すると同時に、先ほど言いましたように会社を包囲して、なんとしてまでも和解で早期に解決したいものと思っています。
弁護団は、皆さんと一緒に、この明乳争議が勝利で解決するまで、最後まで一緒になって頑張ることをお誓いしてここの報告といたします。一緒に頑張りましょう。
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全労連・野村幸裕副議長 公正でそして労働者の意見を聞いて判断するよう改めて強く求める

2016年10月05日 11時52分18秒 | お知らせ


全労連副議長 野村幸裕さん挨拶


 中労委前にお集まりの皆さんこんにちは。そして、30年もこの不当な差別とたたかい続けた皆さん、本当に心より敬意を表します。改めて全労連は、ここにお集まりの皆さん、そして皆さんを支えている職場のすべての労働者の皆さんと一緒に、一刻も早い明治乳業の争議の解決を強く求めるものです。
 さて皆さん、明治乳業はいろんな商品を出しています。それは多様性のある社会を認めているからではないでしょうか。しかし皆さん、食品の多様性を認めるのであれば、職場の多様性も認めて然るべきです。それを差別したり、あるいは分断をしたり、陰でいろんなことをするそれ自体、商品としての価値を落とすそうゆうことではないでしょうか。
 明治乳業に強く求めたいのは、改めて、消費者を大切にする労働者を作っていく。労働者の多様性を認めることにこそが、明治乳業の未来を開くというふうに思います。
 また、今日は中労委に対する行動です。中労委はきちんと事実を把握し、そして労働者のための判断をすべきだ。こうゆうふうに思っています。
今多くの労働者が職場の中で、イジメやパワハラ、セクハラいろんなことで悩んでいます。そして、その悩みを解決しようと立ち上がっている労働者も沢山います。
 しかし、職場や労使関係だけでは解決出来ない問題もある。その時に、地方労働委員会や中央労働委員会が職場の実態、労働者の意見を聞いて総合的に双方を判断する、それが労働委員会の役割です。法律的に正しいか間違っているか、だけを判断する裁判所と大きく違うところと思っています。そのことを改めて中労委は考え、30年間も労働者を苦しませていいのか。そのことを改めて思いすべきだ。そのことを私は強く思います。是非皆さん、中労委に対して、公正でそして労働者の意見を聞いて判断するよう改めて強く求めていこうではありませんか。
 今、中労委の委員の任命手続きが始まりました。純中立懇談会やMICと一緒に全労連は、全医労と新聞労連の二人の委員の任命を求めています。是非皆さん、この二人の任命を私たちは今回初めて一般企業担当としての任命を求めている。このたたかいを勝ち取る中で、合わせてこの中労委の民主化、そして、労働戦線の全体としての民主化を勝ちとろうではありませんか。そのことを申し上げまして、全労連、皆さんとたたかう決意を表明しまして連帯の挨拶といたします。どうもありがとうございました。
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2013年都労委命令に「失望」と怒り いま中労委の審査を通して救済に「希望」と確信を

2016年10月03日 17時33分55秒 | お知らせ
2016年9月29日中労委前昼行動を展開しました。


中労委前行動は3つの位置づけで行いました。

1.労働委員会の存立の原点に立った命令作業を!
2.明治の不当労働行為を断罪する命令を!
3.長期労働争議の解決に結実できる救済命令を!

 この行動には、平日のお昼時間にもかかわらず69団体・126名が支援に駆けつけていただきました。
行動を主催した明治乳業争議支援共闘会議議長の松本さん挨拶、全国事件としてたたかわれている明乳事件を支援する全労連から激励連帯の挨拶を副議長・野村幸裕さん、全国事件の経過と救済命令に確信する報告を弁護団事務局長・金井克仁さん、東芝の差別事件が中労委で和解解決し調印式で判を押した、東芝の職場を明るくする会代表・石川要二郎さんから報告をいただきました。
 争議団小関団長から、お礼と中労委前での行動の目的と審査を通して、都労委不当命令は労働委員会の存立の原点に立つならば、この中労委で救済される事件だと確信を持っていると強調しました。

順次、ご挨拶を掲載していきますが、先ず主催者挨拶の松本悟議長を紹介します。
明治乳業争議支援共闘会議議長 千葉労連顧問


 お忙しい中、明治乳業争議の解決を求める中労委前行動にお集まりのみなさん、ご支援ありがとうございます。
 本日の中労委前行動の目的は、長期にわたる明治乳業争議の解決につながる、一括是正の救済命令を求めに参りました。

 さて、この事件の本質は何か。ユニオンジャックです。多くの大企業は、労組を潰すと不当労働行為になるから、インフォーマル組織を使って潰しました。
 インフォーマルグループについては、千葉大学院の三宅明正教授が分析されています。60年安保闘争の時期に、鉄鋼連絡会など総評や中立労連の単産に組織されました。このことは、労働界や学会では常識になっています。
 そのインフォーマル組織を都労委の荒木尚志会長・東大の労働法教授は自主的組織と珍論を展開し、有力な証拠書類を無視し、企業犯罪を免罪しました。

 なぜ、他の大企業は解決しているが、明治乳業争議は解決しないのか。
 市川事件は、結審後、中山悠社長と高田章公益委員の密談後、印象が変わり、不当命令が出たと、当時の戸塚章介労働者委員が告白しています。その後、地裁、高裁、最高裁がそれに追随しました。
 全国事件は、審査委員が中島弘雅氏から和田正隆氏に変わり、和田正隆公益委員は、「私が責任を持って命令を書く」と約束し、私たちは結審に応じました。ところが、和田公益委員は命令を書かず、後任の荒木尚志会長が不当命令を下しました。私たちは、不審に思い調査しました。すると、明治乳業の中山悠社長と荒木尚志教授は、福岡の修猷館高校の同窓であり、二木会で講演する間柄でした。しかも、中山悠社長時代に明治乳業は東大に約5億円の寄付をしていました。すなわち、この不当命令は、利害関係者によって、下されたと言うことです。
 しかも明治乳業という会社は、中労委公益委員に佐貫葉子社外取締役を派遣、私たちの抗議により一年で退任しました。また、係争中の都労委には、元 明治HD取締役常務執行役員の金子秀定氏を現在も派遣するなど、労働委員会を冒涜しています。
 この中労委の玄関にも明治乳業の自販機が設置されています。 この間、都労委、中労委、地裁、高裁が和解提案をしましたが、すべて入り口で拒否しています。筆頭株主の和解提案も拒否しています。争議団の要請も話し合いも拒否する態度を貫いています。
 なぜか、それは、不当労働行為の実行犯である中山悠名誉顧問や浅野茂太郎相談役が院政を敷いているからです。
 
 その結果、食品事故33件、死亡事故7件、賃金差別などの争議11件をおこす、ブラック企業になりました。明治粉ミルクセシウム事件をおこしたときも、婦団連や国会事務所の要請を拒否するなど、反社会的行動を行っています。当然、株価は低迷、今期は減益予想、海外展開も中国から粉ミルク事業を撤退させるなど、行き詰まっています。

 明治HDの中山悠名誉顧問、浅野茂太郎相談役がならず者、アカムシ、生産疎外者、企業破壊者呼ばわりした争議団64人中、12人が50代、60代でたたかい半ばで他界しています。その無念が晴れなければ、本人も家族も浮かばれません。
  現在は、ネットから情報を得る社会です。「明治乳業争議を支援する会」のブログには、毎日3000人前後がアクセスしています。消費者に信頼されない食品企業は淘汰される時代です。
 私たちは、明治HDが食の安全を守り、労働者の人権を守るまっとうな企業として発展することを望んでいます。そのカギが、中労委の命令にかかっています。
 中労委のみなさん、都労委の誤った命令にこだわらず、未来に向かって、労働者の団結権を保護するという設立の原点に立ち、すでに解決した他の大企業争議と同様に、平等に解決する一括是正の救済命令をお願いします。この命令は、全国の労働者が着目しています。最後に私たちは、勝利するまでたたかうと言うことを申し上げ訴えとさせていただきます。ありがとうございました。



 
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