貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

伊賀市芭蕉の森公園3 石にしみつくから 岩にしみ入へ

2023-12-14 10:21:57 | 日記
令和5年12月14日(木)
 四つ目は、 
「閑かさや 
   岩にしみ入 
     蟬の聲」  。

 元禄2年。
 山寺と称す立石寺での吟。
 『奥の細道』本文に、
「岩に巌を重ねて山とし、
 松柏年旧(ふり)土石老て
 苔滑(なめらか)に
 岩上に院々扉を閉て
 物の音聞こえず。」
とある。
<その説明>

 『曽良書留』の形の
「山寺の 
   石にしみつく 
      蟬の聲」
が初案。
 『初蟬』の形、
「さびしさの 
   岩にしみ込む 
      せみの聲」
  が再案。
 この蟬は、
騒がしい油蝉ではなく、
細く澄んだ声のニイニイ蝉。
 蟬の声が澄み徹って、
あたりの岩にしみ徹ってゆくような
感じである。
 俗塵を絶した静寂を詠む。