令和5年12月14日(木)
四つ目は、
「閑かさや
岩にしみ入
蟬の聲」 。
元禄2年。
山寺と称す立石寺での吟。
『奥の細道』本文に、
「岩に巌を重ねて山とし、
松柏年旧(ふり)土石老て
苔滑(なめらか)に
岩上に院々扉を閉て
物の音聞こえず。」
とある。
<その説明>
『曽良書留』の形の
「山寺の
石にしみつく
蟬の聲」
が初案。
『初蟬』の形、
『初蟬』の形、
「さびしさの
岩にしみ込む
せみの聲」
が再案。
この蟬は、
この蟬は、
騒がしい油蝉ではなく、
細く澄んだ声のニイニイ蝉。
蟬の声が澄み徹って、
あたりの岩にしみ徹ってゆくような
感じである。
俗塵を絶した静寂を詠む。