トイチニッキ

旧ドイツニッキ
ドイツ駐在の日々から日本での小さな日々まで

ウラ弔辞

2008-12-09 07:39:43 | おうち
naheの祖母が死にました。
今日は告別式。
でも私は今、ドイツにいます。
最後の別れをしに行きませんでした。

なので自己満足ではありますが、
ここに弔辞を述べさせていただきます。




元々ばあちゃんっ子だった私。
そんな私が葬式に出ないなんて、
ばあちゃんはがっかりしているでしょうか。
それとももうすっかり私のことなんて忘れてしまったでしょうか。
認知症がだいぶすすんでいたから。


認知症が現れた頃、
ばあちゃんにはかなり手を焼きました。
毎日のようにかかってくる被害妄想の電話。
どう対処していいかわからなくて
一度マジギレしてばあちゃんの家に行きましたね。


もう私に電話してきたことすら忘れているばあちゃんに
私は怒りながら家中をひっくり返して
盗られたというものを探しました。
品物が出てきて
「やっぱり盗られてないじゃない!」と怒り続ける私に
ばあちゃんは自分の幼少の頃の話をしはじめましたね。


話が通じない。
ばあちゃんが壊れていく。


ばあちゃんは自分の辛い体験を思い出して泣いていましたね。
私はそんなばあちゃんが悲しくて泣きました。
あの日は二人でずっと泣いていましたね。


あの時に私の中では
それまでのばあちゃんは死んだのです。



だからその後どんどんボケて
歩けなくなって、小さくなっていくばあちゃんを
私は冷ややかに見てました。
申し訳ないけれど
もういつ命が尽きてもいいだろうと思ってました。
私が結婚して遠くに住むようになっても
久々に顔を見たいとも特に思わなかったし
葬式に出られなくてもしょうがないと思ってました。


だけど

今、やっぱり寂しいです。
ばあちゃんの最後の顔を見たいです。


でも顔を見ても涙は出ないでしょう。
あの日に散々泣きましたから。
ばあちゃんは笑顔が可愛い人だったから
私も笑顔でお別れします。


ばあちゃん、おつかれさま。
楽しい思い出、辛い思い出、
いっぱい与えてくれてありがとう。
さようなら。