☆ちょいと忙しいので、短めに…。
『パヒューム』のトム・ティクヴァ監督の新作^^
幾つかの欠点はあれど、ウィリアム・フリードキンの狂気の演出にも似た、パワフルな勢いで最後まで見せてくれる良作であった。
欠点と言うのは、現代劇でありながらも、あまりにもアナログ過ぎやしないかと言うことであった。
例えば、主人公の「インターポール(この響きも前時代的)」捜査官サリンジャーは、国際銀行の犯罪捜査を続けるのだが、当然に捜査マニュアルの基本になっていなくてはならない各種防犯カメラの存在を、捜査の途中で気づいたりする。
また、これは、アナログ云々とは関係ないのかも知れないが、インターポールに捜査権のないことを、共同捜査官に今更ながら諭されたりする。
これは、字幕のニュアンスがおかしいのかも知れないが。
また、イタリアの次期大統領と目される男が演説会場で暗殺されるのだが、その暗殺が、ちょいと凝った方法で、二組のヒットマンが用意される、
でも、「イタリアの次期大統領と目される男」の演説で、そんな二箇所からの銃撃を許すセキュリティはあり得るのかよ?
そういった間の抜け具合を、ひたすら丹念な描写で、あまり致命的な作劇欠陥とは見せずに、極上のエンターテイメントとして魅せてくれるのはキャスリン・ビグローの演出にも似てる。
◇
ベルリン、リヨン、ルクセンブルグ、ミラノ、ニューヨーク、トルコと舞台は移動するが、「007」のように、その移動の理由が不明瞭でないのは良かった。
世界各地を豪勢に撮り上げ、物語を格調高くしているが、
その最たるものは、ニューヨークの美術館での大銃撃戦だろう。
重厚な施設が、瓦礫に変貌していく様が、非常に刺激的だった。
ここでサリンジャーは、ひょんなことから、追っていたヒットマンと組んで敵の集団と戦うことになる。
その展開に、私は燃えた。
敵にすると厄介な奴も、味方となると、こんなに心強い存在はない。
ヒットマンは、自分を守るために、結果的に、サリンジャーを危機から救う。
私は何故か、『深夜プラス1』を思い出しました^^
◇
また、この作品の特筆は、ステロタイプに描かれがちな、大企業の暗部を担当する男の人間性をちゃんと描いている点だろう。
大きな流れに流されるままの男が、主人公と話し合い、改心する様が斬新で良かった。
◇
最後に、サリンジャーは、悪を裁くために、悪に堕ちるのかと思ったが、その役目は他の者に譲られた。
私は、「最後の男」が、モサドの一員のほうが、物語に説得力が生まれたと思うのだが・・・。
◇
ナオミ・ワッツ演じる検事は、途中、捜査からの退場をサリンジャーに促される。
危険な戦いに参加を希望する女性検事を諦めさせるのも、リアリティがあった。
ナオミ・ワッツだが、その名前も込みで、日本人受けする女優に思える。
◇
映画館を出て、駐車場に向かう間、私は、主演のクライブ・オーウェンに影響されて、早足で、前方をやぶ睨みしながらの足取りとなりました^^;
(2009/04/05)
『パヒューム』のトム・ティクヴァ監督の新作^^
幾つかの欠点はあれど、ウィリアム・フリードキンの狂気の演出にも似た、パワフルな勢いで最後まで見せてくれる良作であった。
欠点と言うのは、現代劇でありながらも、あまりにもアナログ過ぎやしないかと言うことであった。
例えば、主人公の「インターポール(この響きも前時代的)」捜査官サリンジャーは、国際銀行の犯罪捜査を続けるのだが、当然に捜査マニュアルの基本になっていなくてはならない各種防犯カメラの存在を、捜査の途中で気づいたりする。
また、これは、アナログ云々とは関係ないのかも知れないが、インターポールに捜査権のないことを、共同捜査官に今更ながら諭されたりする。
これは、字幕のニュアンスがおかしいのかも知れないが。
また、イタリアの次期大統領と目される男が演説会場で暗殺されるのだが、その暗殺が、ちょいと凝った方法で、二組のヒットマンが用意される、
でも、「イタリアの次期大統領と目される男」の演説で、そんな二箇所からの銃撃を許すセキュリティはあり得るのかよ?
そういった間の抜け具合を、ひたすら丹念な描写で、あまり致命的な作劇欠陥とは見せずに、極上のエンターテイメントとして魅せてくれるのはキャスリン・ビグローの演出にも似てる。
◇
ベルリン、リヨン、ルクセンブルグ、ミラノ、ニューヨーク、トルコと舞台は移動するが、「007」のように、その移動の理由が不明瞭でないのは良かった。
世界各地を豪勢に撮り上げ、物語を格調高くしているが、
その最たるものは、ニューヨークの美術館での大銃撃戦だろう。
重厚な施設が、瓦礫に変貌していく様が、非常に刺激的だった。
ここでサリンジャーは、ひょんなことから、追っていたヒットマンと組んで敵の集団と戦うことになる。
その展開に、私は燃えた。
敵にすると厄介な奴も、味方となると、こんなに心強い存在はない。
ヒットマンは、自分を守るために、結果的に、サリンジャーを危機から救う。
私は何故か、『深夜プラス1』を思い出しました^^
◇
また、この作品の特筆は、ステロタイプに描かれがちな、大企業の暗部を担当する男の人間性をちゃんと描いている点だろう。
大きな流れに流されるままの男が、主人公と話し合い、改心する様が斬新で良かった。
◇
最後に、サリンジャーは、悪を裁くために、悪に堕ちるのかと思ったが、その役目は他の者に譲られた。
私は、「最後の男」が、モサドの一員のほうが、物語に説得力が生まれたと思うのだが・・・。
◇
ナオミ・ワッツ演じる検事は、途中、捜査からの退場をサリンジャーに促される。
危険な戦いに参加を希望する女性検事を諦めさせるのも、リアリティがあった。
ナオミ・ワッツだが、その名前も込みで、日本人受けする女優に思える。
◇
映画館を出て、駐車場に向かう間、私は、主演のクライブ・オーウェンに影響されて、早足で、前方をやぶ睨みしながらの足取りとなりました^^;
(2009/04/05)