☆う~む、面白かった。
どこが面白かったかと聞かれたら、パッと答えられないのだが、幕末の激動の序章を、きっちりと、『十三人の刺客(2010)』のような「ケレン」を全く排して、「十八人の刺客」を描いていたのが良かった。
私は、例え『ダンス・ウィズ・ウルブス』の「バッファロー狩り」のシーンがなくても、あの映画は充分に面白い作品だったと思っていて、
同じく、この『桜田門外ノ変』も、派手な暗殺襲撃シーンがなかったとしても、他の部分で、随所に静かな起伏が感じられ非常に面白かった。
造り手も、この物語が、「桜田門外ノ変」自体にあるのではないことも分かっていて、そのクライマックスを前半に持ってきていて、後は、その後の事件に及んだ浪士たちの行く末と、事件以前の、何故、事件に至ったかを交互に描くという、かなり入り組んだ凝った構成になっている。
だが、ナレーションを大胆に、それでいて自然に使うような親切な語り口で、作品のエピローグで、全ての作品構成因子のピースがかっちりとはまることになる。
◇
話が前後するが、また、私の言っていることが矛盾しているように聞えるかもしれないが、「桜田門外ノ変」自体の描き方も、実にリアルで素晴らしかった。
いい意味で「まったり」と、雪の降る中での赤い血しぶき舞う殺陣を見せてくれた。
悪役然としている伊武雅刀演じる井伊直弼も、日本の前途を案じ死んでいく。
つまり、襲撃した側の水戸脱藩浪士たちも日本の前途を真摯に考え計画を実行し、
暗殺された井伊直弼も、彼なりのビジョンで政治を行なっていたのだ。
事件の名前と結果ぐらいしか知らなかった「桜田門外ノ変」の後先を、ドキュメントならざるドキュメント的にクールに見せてくれた力作と言えよう。
おお! 原作は吉村昭ですかッ!!^^
もっとも、私、マンガ『風雲児たち 幕末編(みなもと太郎著)』を読んでいたので、登場人物たちに馴染みがあったことが、この作品に思い入れが出来た一因でもある^^
◇
・・・しかし、主人公・関鉄之介(大沢たかお)の愛人が拷問されるシーンは妙に容赦がなかったね。
(2010/10/26)
どこが面白かったかと聞かれたら、パッと答えられないのだが、幕末の激動の序章を、きっちりと、『十三人の刺客(2010)』のような「ケレン」を全く排して、「十八人の刺客」を描いていたのが良かった。
私は、例え『ダンス・ウィズ・ウルブス』の「バッファロー狩り」のシーンがなくても、あの映画は充分に面白い作品だったと思っていて、
同じく、この『桜田門外ノ変』も、派手な暗殺襲撃シーンがなかったとしても、他の部分で、随所に静かな起伏が感じられ非常に面白かった。
造り手も、この物語が、「桜田門外ノ変」自体にあるのではないことも分かっていて、そのクライマックスを前半に持ってきていて、後は、その後の事件に及んだ浪士たちの行く末と、事件以前の、何故、事件に至ったかを交互に描くという、かなり入り組んだ凝った構成になっている。
だが、ナレーションを大胆に、それでいて自然に使うような親切な語り口で、作品のエピローグで、全ての作品構成因子のピースがかっちりとはまることになる。
◇
話が前後するが、また、私の言っていることが矛盾しているように聞えるかもしれないが、「桜田門外ノ変」自体の描き方も、実にリアルで素晴らしかった。
いい意味で「まったり」と、雪の降る中での赤い血しぶき舞う殺陣を見せてくれた。
悪役然としている伊武雅刀演じる井伊直弼も、日本の前途を案じ死んでいく。
つまり、襲撃した側の水戸脱藩浪士たちも日本の前途を真摯に考え計画を実行し、
暗殺された井伊直弼も、彼なりのビジョンで政治を行なっていたのだ。
事件の名前と結果ぐらいしか知らなかった「桜田門外ノ変」の後先を、ドキュメントならざるドキュメント的にクールに見せてくれた力作と言えよう。
おお! 原作は吉村昭ですかッ!!^^
もっとも、私、マンガ『風雲児たち 幕末編(みなもと太郎著)』を読んでいたので、登場人物たちに馴染みがあったことが、この作品に思い入れが出来た一因でもある^^
◇
・・・しかし、主人公・関鉄之介(大沢たかお)の愛人が拷問されるシーンは妙に容赦がなかったね。
(2010/10/26)