☆寝たいので、短信です(←身も蓋もない理由・・・)。
とは言え、この作品、なかなかの傑作だったと思う。
ユニバーサル初の3Dアニメだそうだが、その圧倒的な「出遅れ」を全く感じさせないこなれた作りの作品だった。
世界中から大規模な物を盗み続けていたが、いまいち伸び悩んでいた<怪盗グルー>が、ピラミッドを盗むというライバルの出現に対し、月を盗むことをぶち上げる。
そこに、養護施設で過ごし里親を求める三人姉妹が絡んできて・・・、と言う物語。
主人公の吹き替えは笑福亭鶴瓶があてているのだが、知らなかったので第一声は驚いたが、すぐにその上手さに驚かされる。
グルーには、ミニヨンと言う家来の軍団がいるのだが、この小さな黄色い物体たちは、時に烏合の衆、時に忠実な労働力、時に良き協力者、時にグルーの行動に歓声(奇声)をあげる者として、作品を盛り上げる。
この作品はシリーズ物じゃないのに、ミニヨンの人懐っこい動きは、こちらに以前から見知ったような存在として、作品自体に親近感を抱かせてくれる。
彼らとマッドサイエンティストが巣食うグルー邸は、画面のそこかしこに面白いギミックが設えられていて、ただでさえ疲れる3D画面に更に注視させられる^^
・・・割りと個々の個性がある^^
三人姉妹も可愛い。
・・・ジェットコースターの場面、3Dの臨場感ハンパない!
私のお目当ては、三女の無邪気なアグネスだったが、物語の進行とともに、ややシニカルな次女イディスも素直になっていき、そのニット帽姿ともども可愛くなってきた。
グルーに初めて会ったときの、「ゲッ!」てな表情は最高でした^^
長女のマーゴは、おとなしめのメガネっ娘で、私はあまり好きじゃなかったのだが、クライマックス前夜、ベッドでメガネを外している姿を見て、「おっ!^^」と思い、空中脱出シーンで、意外にもヒロイン的な役割を醸すに至って、やはり魅力を感じるのだった。
この作品、その空中脱出シーンでの、クリフハンガー的な危機の構図と言い、アクション描写でヒヤヒヤさせられる(1)。
グルーが、ライバルのベクター邸から<デカチビ光線銃>を盗むシーンも、その動きでドキドキさせられる(2)。
「1」は、宮崎アニメの『未来少年コナン』を彷彿とさせ、「2」は、ジブリ近作の『借り暮らしのアリエッティ』を思い出させた。
だが、欠点もある。
ギリギリで許せる範囲だが、詰め込んだテーマの全てを十全に消化できていない。
グルーは、意地クソ悪い性格なのだが、実はツンデレ的な側面を持つ。
その、三人姉妹との交流で、段々と固い心を溶かしていく経過が弱い。
意地クソ悪い性格も、ツンデレ的な性格も、描写が弱い。
その性格は、グルーの幼少期からの育ちに原因があるのだが、母親との絡みも分かり難い。
三人姉妹の養護施設での生活も、院長先生一人の登場ではよく分からない。
それと同じく、「悪党銀行」からの、悪の作戦のための融資と言う斬新な設定も、そこの代表者一人しか描かれず、なんか、見ているこちらに世界観を想像させるピースが足りない。
だが、そのような欠点を補って余りある鋭い状況描写に溢れた作品だとは思う。
(2010/10/30)