社会人になってからは 多少の風邪くらいなら
もっぱら市販の風邪薬と気力で治すようになり 寝込む事はなくなったなあ…
なんて油断してたら…。
近頃の急激な涼しさと 夏の格好のままでうたた寝してたのが悪かったのでしょう。
風邪を引いてしまいました。
ちょうど次の日が休みだったんで その日は1日ゆっくり休養することに。
昼間 太陽が高い時間にパジャマ着て寝てるなんて
ずい分久しぶりだなあ~ なんて思いつつ うとうと…。
そしたら ふと思い出したんですよね。
小さな頃はよく熱を出して寝込んでたなあ…って。
高熱による身体中の痛さにうんうんうなりながら
起き上がる気にもならず ひたすら眠るだけ。
夕方仕事から帰ってきた母が 心配そうに覗きにくる。
しばらくして台所からカチャカチャと夕飯の準備の音。
通りから聞こえる近所のおばさんたちの賑やかな喋り声。
そんな日常の音を 熱で朦朧とした頭で聞きながら
いつも決まって同じ事を思ってたっけ。
(私がこんなにしんどいのに…
なんで私以外の世界中の誰もしんどくないんやろ?)
今になって思えば 子供じみた考えだけど
当時は真剣に不思議だったなあ。
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「人生の主人公は自分だ 」
これ すごくよく聞く言葉です。
確かにそれは間違いないとは思うんだけど・・・。
こういう弱ってるときって フッと
自分が主人公のはずのこの世界は 自分のためだけの舞台じゃないんだ…
ということにも気づくんですよね。
私が風邪でウンウンうなっている時でも 世の中は何も変わらず回り続けているし
もしも…私がこの世界から突然消えてしまったとしても…
世界は相変わらず 何も変わることなく回り続けていくんだ…ということに。
当時。
まだまだ幼稚でおぼろげな考えながらも
そのことにハタと気づいてしまった私。
布団の中でゾーッとしたことを 今でもよく憶えてます。
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こうして人は 少しずつ物事を俯瞰で見る術を
身につけていくんでしょうね。
秋って たそがれるなぁ…。