日々雑感 ~写真と思い~

今日と言う日は、二度と来ない。 
だから今日を大切に・・そんな私のデジカメ散歩 

* 娘になりし、ひととき・・ *

2010年04月10日 | 風景・お出かけ

先日実家の母が、兄夫婦に早朝から岡山へお花見に連れて行ってもらって、すごく感激していた。
「あんなに立派ですごい桜は生まれて初めてじゃわ」
涙ぐんでいたそんな母の言葉を自分のことのように嬉しく思い、兄夫婦に感謝だった。

それにしても今年は桜の咲いている期間がなんか長いよな~と思っていたら、新聞に掲載されていた。



「開花から三週間、なお見頃」開花直後の寒のもどりで満開まで間があり、満開になってからも、
冷え込むと言う好条件が重なったためと書いてある。
ゆえに今どこへ行っても桜の開花、開花から三週間たってもまだ見頃と言うのは聞いたことがないと言う。
夙川に始まり、大阪城だって、大川沿いだって、近所の公園だって同じように満開。

咲き急ぎ散り急ぐ桜、毎年この時期は必ず、昨年もそう書いたと思うが今年は違う。
しかしそのことがとても嬉しい、絶対に連れて行ってあげたいと思う気になる人がいたから。
神戸の夫人である。 血の繋がりはないが、夫の会社で働いていたと言うそんな流れで結婚前からの
お付き合いがある。 結婚をされなかったので時として、親のように接し子供達も孫のように。
84歳、もう40年のおつきあいである。 足が弱くなってからはちょこちょこ歩きで出かけるのが危ないし、
月に二度の謡いのお稽古はタクシー、それも今月からやめてしまわれ、出かけるとしたら病院くらいになった。

そんな訳でもちろんお花見など行くよしもなく、かと言って休日は予定があったりで気がかりだった。
(桜・・散っちゃう・・)でも今年の桜の満開が長いことは好都合で、とても有難かった。 
夫は半ドンだが「おかん、土曜お昼からお花見に行こう」と電話してもらい約束していた。 
本当は疲れが少し残っていたが、喜んでもらいたい一心で頑張って四時間かかってお花見弁当を作った。 

炊き込みご飯、豚肉の野菜巻き、きんちゃく卵と花形人参、ほうれん草のお浸し卵巻き、筍の木の芽和え、
肉ごぼう、いかとウインナーのフライ&ブロッコリー、肉団子、お漬物。 
冷凍用とお世話になっているお友達用にと、炊き込みご飯のおにぎり20個ラップにくるんだ。
次に持参するお弁当のために、必ず写真にとって献立を残しておくことにしている。


高速道路から見る六甲の山並みは所々薄いピンク色、桜だ。 そんな山を見たのはきっと初めてだと思う。
車を走らせる道中、どこも桜が満開だった。
お弁当は家で食べようとの婦人の要望で、積もったお話を聞きながら食べた。 手が止まるほど。
婦人が食べられる量ではないが、夕食のおかずにもと言う気持ちで作っているから、いつも。

3日に娘三人や孫と行った夙川に行く事に決めていた。 あの見事な桜を見せてあげない手はない。
前より更に満開の桜だった。 夙川の両岸からたわわに桜が枝垂れて、その下では大勢の人々、
最高の人で出で宴が行われていた。
駐車場がいっぱいなので桜の下を歩くことが出来ず、婦人も車でも充分と言うので、
夫は桜の通りを二往復した。 車道からでも充分に楽しめる素晴らしい桜並木であった。
「こんなすごい桜、こんなお花見したの始めてやわ」震災後仮設にいた頃もお花見に行ったが問題にならない。
夫も初めてだったので、「すごいなぁ、来年も来ようっと」 婦人同様、事のほか喜んでいた。
帰りには布引の滝の桜にも車を走らせたが、夙川の方が大いに強み。
実家の母と重なり、婦人の娘となりしひととき、車をちょちょっと止めて記念写真を撮った。

いつも着いたら電話を入れのに、渋滞と夕食の買い物もあり帰宅が少し遅れたら、案じて、家に電話をくれて、
家族でUSJへ行き帰宅したばかりの次女が応対したようだ。 「ものすごく喜んでたよ~」
電話を入れると、友達二人に持参した田舎の安政柑や炊き込みのおにぎりを差し上げたとき、
お花見に行ったことやお弁当のことなど話したようで、とってもうらやましがられたそうだ。
ちょっと自慢したい(親戚でもないのにしてくれる)気持ちが、いつも感じられるから 。

電話の声は会った最初のときの声よりも、ずっと明るく弾んでいた。
来年は桜の並木の下を歩かせてあげたい。