昨日、チテイジンさんとロビーで会った時に、手みやげに頂いたお菓子。
「わ・・松風やわ!」 かなり前、ブログ訪問した時、京都で過ごしていた時初めて食べた珍しいこのお菓子の事を書いた事があった。
覚えて下さっていたと言う、心憎い演出と言うか、これが彼の心なんだろうなぁと正直(参りました)
昨夜は情けない私だったけど、湿布して寝たし、早朝の目覚めは普段と変わらなかった。
最上階の14階、見晴らしの良いホテルの部屋から、京都を眺めた、これから日が登ろうかと言う。
昨夜の月がまだ存在を見せていた。 眼下を見下ろすと、昨日のごったがえしていた歩行者天国浴衣姿や下駄の音が嘘のように、
眼下の傘鉾もまだ関係者は無く、静かな京都の朝である。
夫は寝込んでいる、昨夜は食事が入らなかったのでおなかがすいていて、夫に見せていないのにおみやげを開封した。
(懐かしい~!) 冷たいお茶を飲んで「松風」を味わいながら2個いただいた。
もう3じゅう数年も前の事だけれど、懐かしい白味噌風味、白ごま、大徳寺納豆・・さまざまな思い出も重なり懐かしさ嬉しさで心が和んだ。
京都の朝は静かにあけた。 景観上大阪のように超高層建築もないのでやはり街並みが上品で穏やかにに見える。
夫が起きるまでの1人の時間、昨夜の山鉾巡りを思い出しながら旅気分祇園祭気分を味わった。
宿泊は朝食つきなので、ホテルのレストランでちらし寿しと温かいおうどんのセットをいただいた。
さぁ、おなかもふくれたし、灯りの灯っていない山鉾ちょっと回りましょうか。
真っ青な空をバックに、昨夜とはまた違った風情に新鮮な気持ち。
”月鉾(つきほこ) ”
とにかく”長刀鉾(なぎなたほこ) ” まで四条通を歩く。
他の山鉾では粽などを売るお店は10時からでやっていないが長刀鉾だけは昨夜のように
若い男衆が元気な掛け声をかけながら、粽やてぬぐいなど販売していた。
「厄除けの粽は長刀鉾でないと」のチテイジンさんのお母さんや長女夫婦と我が家のと3つ買った。
長刀鉾の胴懸や房飾り 長刀鉾にはカメラを構えた人がかなりいた。 巡行の先頭を行くだけあってさすがに一番人気である。
山鉾の鉾頭が気になる所だけれど、長刀鉾はもちろん長刀、月鉾のてっぺんの新月が見えるだろうか。
函谷鉾の鉾頭は何? 調べたら、山稜にかかる三日月だそうで三角の山、三日月確かに。
”油天神山(あぶらてんじんやま)”
チテイジンさんのお気に入り、 夫のリクエストで”船鉾(ふねぼこ)” ビニールが外してあったらいいのに・・
”伯牙山(はくがやま) ” 今度は提灯姿でなく、山自身の姿を撮りたい。 目の付けどころ失敗。
”芦刈山(あしかりやま) ” ご神体やその衣装は山鉾の中で、最古級とか。
商家の軒を飾る幕、薄くあちこちが痛んでいる古めかしさが、時代の長さを感じさせた。
祇園祭が終わると、また丁重に収められているのであろう、相当に老いた女性が収める姿が浮かんだ。
ホテルに戻りチェックアウトをして30分の待ち時間、自由にネットが出来る場所があって「きっとアップしてるわ」
やはり、早々に動画をアップしておられたので、2人で祇園囃子を聞きながら、昨夜の山鉾巡りを思い出していた。
無料の珈琲や抹茶ミルクのお代りをしながら。
夫が「最後にロビーから撮っとかな」と目の前眼下の傘鉾をカメラに収めた。
ロビーは宿泊客やその荷物で溢れていた。 明日が本番、今夜もまた満室であろう。
新しく気持ちのいいホテルだった。
実のところ、もし今日2人でバスや電車移動の観光だったら、私はギブアップしていたと思う。
今日はチテイジンさんが愛車で来て下さり、定刻通り11時半ホテルに到着、即効出発した。
コインロッカーのある駅や位置を事前に調べていたが、荷物を預ける事なく気楽にそして涼しい車で回れるとは・・
なんて有難い、なんて贅沢・・思いがけない幸せに浮き浮きした。
それに四条通りから烏丸通りを北へ向かう途中で
”孟宗山(もうそうやま) ”
”鈴鹿山(すずかやま)”が見られたこともラッキー。
貴船に行く前に「どっか近場でここと言う所へ連れて行ってえや」気楽に言う夫に、車は立派な御門をくぐって行った(え・・いいの~?)
案内してくれたのは「白峯神宮(しらみねじんぐう)」だった。 スポーツの神様。 御門の中は駐車場になっていた。
神社でなく神宮って、天皇を祀ってある? あちこちに見る菊の御紋が神宮の格式を思わせた。
境内にある「オガタマノキ」数百年の歴史のある木らしくで、京都市では最大のものらしい。
蹴鞠の場所が木で囲ってある、むげに足を踏み入れないように? 敬虔な場所だからか。
ここは全国からサッカーをはじめスポーツをする人たちの守護神、なるほど修学旅行のコースになっているはずだ。
サッカーやバレーの代表チーム、様々なスポーツ選手の数々の祈願や優勝、名前の書かれたボールが奉納されていた。
チテイジンさんの手にはいつの間にか”オレンジボール”が。 夫は時々現役でやっている卓球の試合をアップしている。
その夫の為にね、なんと言うまたまた演出、恐れ入る。 夫は早速、ピン球に何か書き込んでいた。 月曜はゴルフだけど 。
因島の甥っ子兄弟が小学校から大学までサッカーをやり全国大会までいったのに、知っていたらお守り送ってあげたのに。
前日からここを選択していてくれたことに、敬意を表する思い。
だって私が高校を卒業し京都に就職する日、夫は友人と一緒に見送りがてら京都へ来た。
その列車の中で私にくれたのは、いつも大事に使っていた赤と黒のラケットケースに、愛用のラケットである。
「卓球は命の次に大事」試合を見に行った時、良くそう言っていた。 そんな大事なラケットを私に。
もうかれこれ50年あまり夫が生きた歴史の中を歩いている卓球、そんな事へ思いを繋いで下さった。
きっと夫も口にこそ出さないけれど、チテイジンらしいそんな気の効いた神宮案内に、感激だったに違いない。
後部座席で2人のやりとりを、楽しみながら聞いていた。 晴天好日、車は貴船へ向かう。
次のコース貴船は京都時代病院の仲間と行ったと思うが、その風景が記憶から消えているし行きたいと思っていたので実に嬉しい。
2年前祇園祭宵山に来た長女夫婦が訪れていて、いいよ~と言ってくれていた。 昼食をこちらでと思っていたし。
えらい人だった。 細い道を料理やさんの送迎バスや観光客の車、すれ違う時には人は通りがたいくらい。
少し下の駐車場へ止めて正解だった。 紅葉の時期入口付近から1・7キロの道を2時間の渋滞になると言っていた。
かなり標高もあろうが木立の中をせせらぎの音を聞きながら歩くのは、平地よりも随分と涼しいと感じる。
平野部ではとっくに咲き終わっている紫陽花の青が、目に涼しさを倍加させている。
貴船名物、川床で涼と料理を楽しむ人たちを横目に・・
先に腹ごしらえ・・と思いきや、神社脇の鳥居茶屋さんは満席で順番を待つ間ちゃちゃっとお参りしようと言う訳。
朱塗りの水の神様貴船神社 の鳥居をくぐる。 (わ・・これはちょっときついかな・・)
緑に鮮やかに映える赤い灯籠、これはいい被写体やわ・・そんな事柄に惹かれて石段を登った。
境内には何本もの七夕神事の笹がたててあって、願いが込められた色とりどりの短冊が揺れていた。
ここは水占いが有名のようで、若いカップルやグループで水に浮かべ浮き上がる文字遊び心ある占いを楽しんでいた。
お店の席順が気にならなければ、私はやっていたなぁ。 本宮参りに長い行列が出来ていたのでお参りは無理かと境内で一服、
団体さんだったのか、さっと人の列が退いて(行ける!)3人で並んだ。 夫と2人なら、やめとこって言ったかも。
降りる時も・・(おっちょこちょいやし落ちたらかっこ悪い、気いつけなあかん)言い聞かせながら慎重に降りる。
浴衣姿の若い人は眩しく可愛い。 ほっと和むのは和。
懐石風料理をと思ったら、コース料理なので順次出て来る、人も多いし狭い椅子席だったのでやめにして、土用には早いが鰻丼にした。
(何、これって・・)鰻の上に卵2個分位のだし巻きがドベ~(ほんとそんな感じ)とのっている。 2000円なり。
鰻が見えないじゃん! 京都らしい? むしろ大阪っぽい? 「澄まし汁はやはり京都やね、いいね~」夫は言う。 (そうかなぁ)
おなかがふくれると、えらいもので気持ち良くなり、暑さや痛みも半減している気がするから不思議だ。
おなかがすくと怒りっぽくなると言うから、やはり食は大事だ。
私は今回の京都・・これで充分、(夫にはまだ体力や時間的にも未練はあったろうけど)
後は電車で京都駅に行くと言う私たちに、遠いのに車で送って下さった。
途中行列が出ていたお饅頭屋さん、TVで見たことがあるがそこで有名な豆餅を買った。
京都駅もかなりな人出、それはそう明日は祇園祭巡行、全国から観光客が来ているもの。
今日はあちこちで救急車に出合った。 熱中症だろう。 有難い、夏は青菜に塩状態な私、車で涼しく観光出来たなんて。
駅前へ降ろしていただき、別れた。
チテイジンさんが時々京都駅をブログにアップしておられたので、せっかくだから見て見ようかと夫と言っていた。
「是非空中経路遊歩道を」とのチテイジンさんの勧めもあり、足はどうにかなるだろうと荷物を預けて歩いた。
この贅沢な空間は何!? エスカレーターに誘導されるままに・・
遊歩道の途中から眺める京都タワー。
独身時代、勤務明けには病院から近かったので良く仲間と遊びに来ていた。
高層建築のない風景の中で、ろうそくを思わせるそのやさしい形や姿は際立ってて、当時を彷彿とさせ親近感いっぱい。
どこに出かけても、このろうそくの形は(こっちだよ~お帰り~) 見守り迎えてくれているような、それはまるで母親のように。
「ついさっきまでおった貴船は、あんなに北やねんなぁ」
駅から眺める京都は静かで、あの祇園囃しの賑わいの中にいた自分たちが嘘のようだった。
そして今も四条通りを中心にしてその賑わいの場所があることを。
休むべく、年甲斐もなくソフトクリームを食べながら街並みを眺め、二日間の満足感を味わっていた。
名前があるんだろうなぁ・・谷に見立てた段丘、この贅沢過ぎる階段の空間。 コンサートなんかいいよななんて。
屋上は大空広場や安らぎの空間、葉っぴいてらす。 しかし暑いので座っている忍耐な人はいない。
2日あまりを過ごした時間、仕事関係から長いおつきあいの2人の後ろ姿を追いつつ、山鉾や貴船もさることながら
チテイジンさんの、そして夫の人柄や2人の関係に改めて熱いものを感じた。
何枚もの写真をパソコンで眺めながら、かなり2人が写っていて(ブログ上後ろ姿が多いが)私としては上出来。
夫の言うように昨日出かける朝になって、「コンデジにしとき」大正解、やはり夫の言うことは聞くものであるなぁと。
足を引きづり、一眼は交換レンズも持参は無理。 私の場合、コンテストじゃないんだから大切なのは雰囲気。
案内のお陰で、貴重な充実の時間を過ごせた事が何より有難く感謝でいっぱい。
節電のためにむせ返るような駅、大阪に向かうホームには(もう駄目だぁ・・)と言いつつ気力だけで歩いた。
しかし昨夜買えなかったなつめの新調浴衣ドレスに合う京都ちりめんの巾着を・・駅のデパートのあちこち探す私の足は
痛みを忘れていたから椅子に座って待っていた夫は笑っていただろう。 夫だって腰が・・。
チテイジンさんのお陰で、多くの山鉾を見る事が出来、アップの為に調べた事がらで(今度は・・)提灯姿でなく、山鉾そのものの
美しい装飾品や胴懸の違いなども見たいし、そして静止でなく縄で仕上げられた山鉾、大車輪の曳きまわし、動く美術館
その雄姿を見てみたいと言う意欲をもらった。
「今回はとにかく怒らせないようにするわ」昨日朝、次女に言ったが、有言実行出来たのはチテイジンさんと愛車のお陰である。
ホテルに車で向かっていた彼に電話を入れた夫は「長刀鉾のちまき買うたから」良かったと思っていた私たちだったが、
「お袋が、ちゃんとちまきのお代お払いしときなさいって」自分の家の厄除けは人さまからもらっては・・そっか・・なんとね。
チテイジンさんを育てられたお母さんにして言える言葉であろう。 見えないがお母さんを描きながら私も母に会いたくなった。
今年は東北大震災で、何をしていても東北の場面があの日が脳裏をよぎる。 楽しいことの時は特に、申し訳ないかのような気がして。
今年の祇園祭は特に、869年東北地方が大津波に見舞われ平安を願って行われた御霊会が起源で今に続くお祭りとの事。
特に今年は東北へ鎮魂の思いを届けるべく行われる、自分たちもその中に加わっていたことに、少し気持ちが楽になった。