ミルクレゥプのカルボナーラの逆襲2112 その時、納豆にネギも付いてほくほく

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Foster The People - Pumped Up Kicks(日本語訳付きの曲解説)

2021-11-24 10:41:22 | 日本語訳付きの曲解説
※重くてダークなネタなのでご注意を!


名作と誉れ高い「Foster The People」の「Torches」の10周年記念盤が出ましたね。
今聞いてもこの作品はやっぱり良い!
歌もアレンジもメロディも雰囲気も素晴らしい!
そして何より歌詞が深過ぎて最高過ぎるんだよねー!!
曲作りに置いて一番時間を掛けて、
考えに考えて練りに練って作ったと言ってるように、
現代社会の暗部や問題が、
毒多めにリアティティを込めて知的に描かれてる。
その代表がMVが現時点で8億回以上再生されている、
大ヒット曲である「Pumped Up Kicks」
この曲ほど歌詞の訳を見て戦慄を覚えた曲は無いですし、
(特に一回聞いたら口ずさみたくなるくらいポップでキャッチーなサビ)
10年経っても全く色褪せない所か、
ますますこの時代に際立って聞こえますよ…!
という事で日本語訳(和訳)付きで曲を貼り。


Foster The People - Pumped Up Kicks (Official Audio)

Robert's got a quick hand
(ロバートは手を使う事(トランプや銃の扱いなど)が得意だ)
He'll look around the room
(彼は辺りを見渡しながらこの部屋にやって来た)
He won't tell you his plan
(彼は何かを企んでいるようだったけど話しはしない)
He's got a rolled cigarette
(彼は手巻き煙草をくわえて)
Hanging out his mouth, He's a cowboy kid
(あれこれ呟いて、まるでカウボーイ気取り)
Yeah, he found a six-shooter gun
(なんと、彼は六連式のリボルバーを見つけたんだ)
In his dad's closet, in the box of fun things
(父親のクローゼットにある楽しみが詰まった箱の中から)
I don't even know what
(僕はそんなこと知る由もなかった)
But he's coming for you,
(でも彼は君を迎えにきた)
yeah he's coming for you
(そう彼は君を迎えにきたんだ)

All the other kids with the pumped up kicks
(ここに居る子供たちは、みんなイカした靴履いてるね)
You better run, better run, outrun my gun
(逃げた方が良いよ、走った方が良いよ、僕の銃から逃げなよ)
All the other kids with the pumped up kicks
(ここに居る子供たちは、みんなイカした靴履いてるね)
You better run, better run, faster than my bullet
(逃げた方が良いよ、走った方が良いよ、僕の弾丸より早く)

Daddy works a long day
(父さんはずっと仕事ばかり)
He be coming home late, and he's coming home late
(家に帰って来るのは遅いんだ 遅くにしか帰って来ないんだ)
And he's bringing me a surprise
(そしていつだって僕にサプライズをくれる)
'Cause dinner's in the kitchen and it's packed in ice
(だって夕飯としてキッチンに冷凍食品が用意されてる)
I've waited for a long time
(だから僕は父さんをずっと待ち続けるのさ)
Yeah the sleight of my hand is now a quick-pull trigger
(そうさ、このやせ細った手はいつでも引き金を引く準備は出来てる)
I reason with my cigarette
(僕はタバコをふかしながらあれこれ考えて)
Then say, "Your hair's on fire, you must've lost your wits, yeah?"
(言ってやったんだ“あんたの髪に火がついたら(頭が撃ち抜かれたら)正常ではいられないだろう。ねぇ?”)

All the other kids with the pumped up kicks
(ここに居る子供たちは、みんなイカした靴履いてるね)
You better run, better run, outrun my gun
(逃げた方が良いよ、走った方が良いよ、僕の銃から逃げなよ)
All the other kids with the pumped up kicks
(ここに居る子供たちは、みんなイカした靴履いてるね)
You better run, better run, faster than my bullet
(逃げた方が良いよ、走った方が良いよ、僕の弾丸より早く)

Run, run, run, run, ru-ru-ru-run, run, run
Ru-ru-ru-run, run, run, run
Ru-ru-ru-run, run, run, run, run, run
(走れ 走れ 走れ、逃げろ 逃げろ 逃げろ、逃げろ、走れ、走れ、逃げろ、逃げろ…)

All the other kids with the pumped up kicks
(ここに居る子供たちは、みんなイカした靴履いてるね)
You better run, better run, outrun my gun
(逃げた方が良いよ、走った方が良いよ、僕の銃から逃げなよ)
All the other kids with the pumped up kicks
(ここに居る子供たちは、みんなイカした靴履いてるね)
You better run, better run, faster than my bullet
(逃げた方が良いよ、走った方が良いよ、僕の弾丸より早く)







「コロンバイン高校銃乱射事件」筆頭に度々起こる、
「銃乱射事件」をテーマにして書かれてる歌詞で、
一番は「ロバート」に襲われる事になる被害者側の知人の視点。
二番以降とサビは加害者の「ロバート」の視点。
曲のタイトルでありサビにも出てくる「Pumped Up Kicks」というのは、
「流行りのスニーカー」や「イケてる高い靴」という意味合いがあり、
価格で言うと1万円以上はするんで「貧困層」から見たら高い価格です。
歌詞見れば分かるように、
ロバートは夜遅くまで働いている父親しか居なくて
瘦せ細った手という歌詞や、
夕飯に冷凍食品が用意されているという歌詞があるように、
決して裕福&家庭内コミニケーションが多いとは
言えるような家庭ではないようですし、
いつも「サプライズ」という名の「虐待」を受けていた的な歌詞もあるように、
「親から十分に愛情を受けず」に育ち、
「貧困層」で流行りの物も買えず、
「孤独」や「虚無感」に捕われ、
「恵まれた家庭への妬み」や「社会への不満」を抱き、
イケてるスニーカーを履いてる連中に対して
銃の乱射に及んだように描いてます。


あと「"Your hair's on fire, you must've lost your wits, yeah?"」
(あんたの髪に火がついたら正常では居られないだろう。ねぇ?)という部分は、
父親に向けられた歌詞であると同時に、
「正常では居られないだろ。ねぇ?」と問いかけている事からも推測出来るように、
この曲を聴いてる「こちら側」にも向けられてるようにも見える。


コロンバイン高校銃乱射事件以降も、
アメリカでは銃乱射事件は多く起きていて、
日本でも電車内で無差別殺傷事件があり、
それ以降も事件を真似た類似殺傷事件があったように、
こういう無差別の殺傷事件は決して他人事ではなく、
いつ自分の身に降りかかってもおかしくない訳で、
「もし当事者になってもそんな風に冷静に居られるのかい?」という皮肉も込められてると思う。



そしてこの曲の怖い所は、
前述したように一回聞いたら口ずさみたくなるくらいポップでキャッチーなメロディーなのに、
「人々が逃げまどう姿を楽しんでる様を描いてるような歌詞」のサビと、
ラスサビ前の「Run, run, run, run, ru-ru-ru-run, run, run~」という、
人々に「走れ走れ」「逃げろ逃げろ」という歌詞からの「口笛」

最後のサビは歌と共に「口笛」まで入ってるように、
その「口笛」はまるで軽快に銃撃を楽しんでるようにすら感じる…

でも同時にどこかに寂しげで悲しげにも聞こえるんだよね…

自分を見下して馬鹿にしていた人が怯えて逃げるのを見ながら、
後ろから撃つのはそりゃ気分も晴れるでしょうから、
口笛吹くくらい上機嫌にもなるかもですが、
逆にこれで自分の人生は終わりと悟って落ち込むというか、
自虐を込めて口笛を吹いてるようにも聞こえるし、
どこか「虚無感」が漂ってるんだよね…


この曲自体が明るくも暗くも無く、
終始「影」みたいな物が付き纏ってますし、
結局「救い」は一切無いもんな…


コロンバイン高校銃乱射事件の犯人はそうではないとも言われてますが、
多くの無差別殺傷事件の犯人は、
「貧困層」だったり「愛情の不足」などを抱えてる人で、
所謂「リア充」というよりは「非リア充」の人が多いように思えますし、
何かしらの「社会への不満や妬み」を持っていて、
それを募らせて犯行に及ぶケースが多い。


家庭の問題は往々にして社会の問題へ通じているように、
これは決して家庭内だけの問題ではなく、
現代社会の産んだ「大きな闇」である事は明白。


それをここまで隙間なく毒たっぷりかつリアリティ込めて、
ブラックユーモア交えて軽妙に描いてる曲はそうは無いかと。




しかしこの曲が発表されて10年経つのに、
コロナの影響もあるとはいえ、
こういう事件が減る気配が一向に見えないし、
良くなる所か悪くなる一方なのが、
人間らしいというかなんだかね…




PS
この作品には他にも歌詞が深い良い曲多いし、
10周年記念盤も発売されたという事なんで、
日本語訳を載せて解説…というか、
自分なりの解釈をまとめておきたいので、
暇見つけて他にも2~3曲くらい書こうと思ってます。
出来れば今年中に。

※後日書いた「Foster The People」の日本語訳付き曲解説記事。
2回目の「Helena Beat」はこちら。
3回目の「Call it What You Want」はこちら。
4回目の「Waste」はこちら。
5回目の「I Would Do Anything for You」はこちら。
※他の日本語訳(和訳)付き曲解説記事はこちら。



PSのPS
ここまで完成度の高い曲はそうは無いと書きましたが、
あえて挙げるなら↓は近い完成度と思うし、
ビデオの出来だけで言うならこちらの方が遥かに高いかと。

Childish Gambino - This Is America (Official Video)

詳細は↓を参考にするかググって下さい。
※以前書いたこのMVの簡単な解説記事へのリンク

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