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The Fear Ratio - Slinkyt(アルバムレビュー/感想)

2022-08-20 14:40:46 | 洋楽レビュー/感想 2022
洋楽レビュー/感想 2022。

他の2022年の「洋楽レビュー/感想」はこちら。


エレクトロニックミュージックで解釈した「ヒップホップ」に、
「IDM」と「グリッチ」と「テクノ」を絶妙にブレンドして、
アルバムタイトル通り「Slinky」に仕上げたような感じの、
「IDM」と「ヒップホップ」の核心に迫っている、
先鋭的な刺激的で深遠なIDM/グリッジ/エクスペリメンタル/テクノ作品。

※アルバムタイトルの「Slinky」は、
「1, (服が)体の線にぴったり合っていてセクシーな状態」
「2,コソコソしたり人目を忍んで動いてる様」
「3,優美に流れるように動いてる様」
などの意味があります。


◆The Fear Ratio - Slinky
UKテクノの重鎮である
Mark BroomとJames Ruskinの二人によるプロジェクトの新作なんですが、
先鋭的で難解だった前作以上に、
先鋭的で難解で挑戦的で刺激的で深遠という「攻めた」内容になってますね!


基本的には二人が敬愛して止まないヒップホップを、
エレクトロニックミュージックで独自に解釈して、
IDMとグリッジとテクノを絶妙にブレンドしたような感じになっており、
スリリングでディープで先鋭的な内容なんですが、
根底に過去の様々な「テクノ/エレクトロニックミュージック」があるので、
どこかノスタルジーやオマージュ的な物も感じるんだよねー!絶妙!

そして今作はラッパーの「King Kashmere」が参加しているのもあり、
いつもよりヒップホップ色が強めな感じですし、
ボーカル(ラップ)曲がアルバムの中で良いフックになっていますし、
フロア受けすような曲やハウス色強めの曲があったり、
ブレイクビーツ強めの曲があったりと、
一本筋が通っていながら曲がバラエティ豊かなんで、
聞いてて飽きが来にくいし、
聞けば聞くほど深みに嵌っていく…
…独特の世界に迷い込んでいくような感じがある!


大ベテランなのに衰えを感じない所か、
飢えてる感じというか「探求心」に溢れている感じで、
最後まで先鋭的で深遠で実に興味深くて面白く、
「Autechre」が目指す方向性とは違った形での、
「IDM」の最終形態がここにあると言っても過言では無いと思いますし、
「エレクトロニックミュージックで解釈したヒップホップ」の
一つの完成形がここにあるとも言える様に、
「IDM」と「ヒップホップ」の核心に迫っているような作品とも言えると思う。
難解で先鋭的で深遠で興味深い良作!


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