洋楽レビュー/感想 2022。
他の2022年の「洋楽レビュー/感想」はこちら。
アングラ臭もありながら瀟洒な感じもあるバラエティ豊かなトラックに、
自伝的なパーソナルなリリックの、
バリエーションとメリハリの効いた
流暢でタイム感に溢れたセンス抜群のフロウの、
テクニカルでリズムカルで変幻自在で縦横無尽なラップが載る形の
ヒップホップ/ラップ作品。
◆JID - The Forever Story
「J.Cole」に才能を見出されてデビューした「天才」ラッパーの新作なんですが、
2017年に出した「The Never Story」の続編と言えるような作品であると同時に、
「The Never Story」を再構築してアップデートしたような作品になってますね。
JIDという名前は、
子供の頃に祖母に「あなたはちょこまか動く(Jittery)ね」と
言われた事から名付けられたように、
ラップもあっちこっちへ、
ちょこまか動く感じがあるし、
フロウもバリエーション豊富でメリハリも効いてて、
流暢でタイム感とセンスに溢れていてテクニカルでリズミカル!
変幻自在で縦横無尽!
ぶっちゃけ以前までは
「Kendrick Lamar」や「Lil Wayne」筆頭に、
〇〇っぽいと思う部分多かったのですが、
今回はかなり個性が出て来ていて、
早口で捲し立てたかと思えば、
叩きつけるように重いラップしたり、
複雑なリズムでテクニカルなラップしたり、
跳ねるように軽やかにラップしたり、
感情を爆発させるようにラップしたり
スローでメロウな感じにラップしたりなどなど、
バリエーションが増えてますし、
フックも適度にメロディアスで良い感じだし、
ライミングの技術も更に磨かれているように、
明確な「進化」と「深化」を感じますし、
「自信」と「余裕」が出てきた感があるんだよねー!
「Lil Wayne」との相性抜群過ぎ!
終盤「Lil Wayne」と真っ向勝負するのとか格好良過ぎ!
リリックは自伝的な感じ多めで、
ラップのキャリアをスタートさせるきっかけの事件である、
「フットボールの奨学金の喪失」についてや、
「兄の刑務所行き」に「祖母の死」などなど、
パーソナルな内容なんですが、
それを重い感じではなく冷静かつ痛快にラップしてる感あるし、
言葉選びや韻の踏み方や組み立て方なんかもセンスあって実に巧い!
自伝的なヒップホップ/ラップ作品と言えば、
「good kid, m.a.a.d. city」を思い浮かべる人も多いでしょうが、
確かにあの作品っぽい雰囲気もあるにはありますが、
流石にあの作品ほどの完成度や衝撃は無いですし、
「Drake」に通じる要素もあるし、
「Kody Blu 31」みたいなR&B色が強い曲もあるように、
もっとメインストリーム感があるので、
良くも悪くも「軽さ」がありますし、
全体的に見ると少し冗長な感じも無きにしも非ずなのも否めなく、
個人的にはガツンと来る何かが足りないというか、
どうしても圧倒的な個性や魅力には欠けてるように思うんだよね…
ただラップスキルは間違いなくトップレベルなんで、
聞き応え自体は凄くありますし、
現時点のJIDの魅力を存分に味わえる、
素敵で凄いヒップホップ/ラップ作品なのは間違いないので、
惜しさもあるけど十分良作かと!
PS
個人的にこれだけラップがリズミカルでテクニカルだと、
単純にビートに乗りながらも聞くとはいえ、
どちらかというと、
プログレ的な「耳で聞くというより頭で理解しながら聞く」ような感覚でも聞いてしまうw
プログレで「転調したな」とか「変拍子になったな」とか
「ドラムだけ7拍子でギターは6拍子だな」などと考えながら聞くように、
「こことここに加えてここでも韻踏んだな」とか、
「韻を踏むとこ微妙に変えて来た」とか、
「単語のチョイス面白くて巧いわ~」などと頭で考えながら聞いてしまうw
ヒップホップ好きは勿論ですが、
ラップに抵抗の無いプログレファンなら今作は面白く聞けるかも…
他の2022年の「洋楽レビュー/感想」はこちら。
アングラ臭もありながら瀟洒な感じもあるバラエティ豊かなトラックに、
自伝的なパーソナルなリリックの、
バリエーションとメリハリの効いた
流暢でタイム感に溢れたセンス抜群のフロウの、
テクニカルでリズムカルで変幻自在で縦横無尽なラップが載る形の
ヒップホップ/ラップ作品。
◆JID - The Forever Story
「J.Cole」に才能を見出されてデビューした「天才」ラッパーの新作なんですが、
2017年に出した「The Never Story」の続編と言えるような作品であると同時に、
「The Never Story」を再構築してアップデートしたような作品になってますね。
JIDという名前は、
子供の頃に祖母に「あなたはちょこまか動く(Jittery)ね」と
言われた事から名付けられたように、
ラップもあっちこっちへ、
ちょこまか動く感じがあるし、
フロウもバリエーション豊富でメリハリも効いてて、
流暢でタイム感とセンスに溢れていてテクニカルでリズミカル!
変幻自在で縦横無尽!
ぶっちゃけ以前までは
「Kendrick Lamar」や「Lil Wayne」筆頭に、
〇〇っぽいと思う部分多かったのですが、
今回はかなり個性が出て来ていて、
早口で捲し立てたかと思えば、
叩きつけるように重いラップしたり、
複雑なリズムでテクニカルなラップしたり、
跳ねるように軽やかにラップしたり、
感情を爆発させるようにラップしたり
スローでメロウな感じにラップしたりなどなど、
バリエーションが増えてますし、
フックも適度にメロディアスで良い感じだし、
ライミングの技術も更に磨かれているように、
明確な「進化」と「深化」を感じますし、
「自信」と「余裕」が出てきた感があるんだよねー!
「Lil Wayne」との相性抜群過ぎ!
終盤「Lil Wayne」と真っ向勝負するのとか格好良過ぎ!
リリックは自伝的な感じ多めで、
ラップのキャリアをスタートさせるきっかけの事件である、
「フットボールの奨学金の喪失」についてや、
「兄の刑務所行き」に「祖母の死」などなど、
パーソナルな内容なんですが、
それを重い感じではなく冷静かつ痛快にラップしてる感あるし、
言葉選びや韻の踏み方や組み立て方なんかもセンスあって実に巧い!
自伝的なヒップホップ/ラップ作品と言えば、
「good kid, m.a.a.d. city」を思い浮かべる人も多いでしょうが、
確かにあの作品っぽい雰囲気もあるにはありますが、
流石にあの作品ほどの完成度や衝撃は無いですし、
「Drake」に通じる要素もあるし、
「Kody Blu 31」みたいなR&B色が強い曲もあるように、
もっとメインストリーム感があるので、
良くも悪くも「軽さ」がありますし、
全体的に見ると少し冗長な感じも無きにしも非ずなのも否めなく、
個人的にはガツンと来る何かが足りないというか、
どうしても圧倒的な個性や魅力には欠けてるように思うんだよね…
ただラップスキルは間違いなくトップレベルなんで、
聞き応え自体は凄くありますし、
現時点のJIDの魅力を存分に味わえる、
素敵で凄いヒップホップ/ラップ作品なのは間違いないので、
惜しさもあるけど十分良作かと!
PS
個人的にこれだけラップがリズミカルでテクニカルだと、
単純にビートに乗りながらも聞くとはいえ、
どちらかというと、
プログレ的な「耳で聞くというより頭で理解しながら聞く」ような感覚でも聞いてしまうw
プログレで「転調したな」とか「変拍子になったな」とか
「ドラムだけ7拍子でギターは6拍子だな」などと考えながら聞くように、
「こことここに加えてここでも韻踏んだな」とか、
「韻を踏むとこ微妙に変えて来た」とか、
「単語のチョイス面白くて巧いわ~」などと頭で考えながら聞いてしまうw
ヒップホップ好きは勿論ですが、
ラップに抵抗の無いプログレファンなら今作は面白く聞けるかも…