洋楽レビュー/感想 2022。
他の2022年の「洋楽レビュー/感想」はこちら。
「Vivaldi」の「四季」を分解して、
自分なりの解釈を施して再構築した、
現代音楽/ポストクラシカル作品。
なお今作は2012年に発表した物の改訂版となります。
◆Max Richter - The New Four Seasons
数多くあるクラシック音楽の中でも、
トップクラスの有名曲である、
「Vivaldi」のヴァイオリン協奏曲集の「Four Seasons(四季)」を分解して
自分なりの解釈を施して再構築した作品の「改訂版」なんですが、
音や演奏は明らかに良くなってるものの、
曲構成の違いは聞き比べないと分からない感じ多め。
ただ、よりソリッド且つコンパクトに、
濃厚で濃密且つ洗練した感じなってますし、
あえて改訂版を出したように、
「Max Richter」はかなり今作に執着や拘りがあるようですね。
基本的な曲構成としては、
オリジナルの「四季」をベースにしつつも、
構成や音を減らす&カットしてコンパクトにする。
印象的なフレーズを切り取って繰り返す。
テンポや演奏に顕著にダイナミクスを持たす。
構成を変えたりパートを付け足したりするなどですが、
どれも「四季」だというのは如実に分かりますし、
省いても良いと思える部分は省いて「簡潔」にして、
ギュッと「濃縮」してる感じがあるように、
分かり易く&聞き易くなってる感あるし、
忙しない「今の時代」に合ってる感があるんだよねー!
2022年版の「四季」感が凄くある!
もう少し細かく書いていくと↑の「春の第一楽章」は、
アンビエント色とミニマル色を強めにした感じで、
個人的に「Vivaldi」の「春」ほど、
音楽だけで「春の情景」を見事に描いた曲は無いと思ってるのもあり、
序盤の春が訪れて小鳥が喜んでるように囀ってる部分を繰り返すだけで、
展開して行かない事にモヤモヤもしますが、
この曲で上位に来る印象的なフレーズを、
丁寧で優しい且つ迫力のある巧い「生演奏」で
ミニマルな反復を繰り返す事で、
春の訪れが来た事で感じる幸福感が、
増長されていく&強調される感覚があって興味深いですし、
繰り返す事で夢のように感じるというか、
現実感が無くなって儚く切なくも感じるように、
得も言われぬ不思議な魅力がある!
なおMax Richterはこの曲を「Vivaldiとの "対話 "」と位置づけてるようです。
そして、そんな「春」に比べて↓の「夏の第三楽章」は全く違う解釈。
大胆に曲をカットして構成した春の第一楽章とは打って変わって、
基本的に原曲に忠実に展開していくのですが、
演奏がかなりヘヴィでダイナミックでエネルギッシュで迫力ありますし、
テンポを細かく変えたりパートを長くしたりと、
コントラストを強めに付けており、
終盤には新たなフレーズを付け足したりと、
独自のアレンジを加えて、
よりスリリングでダイナミックでドラマティックにしてる感じで、
素直にクールでヒリヒリしていてカッコイイー!
オリジナルとは違う終わり方も良い&面白い!
全体的にクラシック好きな人ほどモヤモヤしそうな気がしなくも無いですが、
クラシックが好きな人ほど興味深くも聞ける要素もありますし、
同時にクラシックにあまり興味の無い人に受けそうな要素もあるように、
老若男女&幅広い音楽ファンに受けそうな要素があって、
人によっていろんな聞き方&考え方が出来るという、
興味深い作品なのは間違いないですし、
クラシック興味ない人が「Vivaldi」を聞くきっかけになりそうですし、
聞けば聞くほど良くなる&いろんな発見がある作品で
個人的には凄く高いとは言わないまでも、
一定以上の評価はしてます。
他の2022年の「洋楽レビュー/感想」はこちら。
「Vivaldi」の「四季」を分解して、
自分なりの解釈を施して再構築した、
現代音楽/ポストクラシカル作品。
なお今作は2012年に発表した物の改訂版となります。
◆Max Richter - The New Four Seasons
数多くあるクラシック音楽の中でも、
トップクラスの有名曲である、
「Vivaldi」のヴァイオリン協奏曲集の「Four Seasons(四季)」を分解して
自分なりの解釈を施して再構築した作品の「改訂版」なんですが、
音や演奏は明らかに良くなってるものの、
曲構成の違いは聞き比べないと分からない感じ多め。
ただ、よりソリッド且つコンパクトに、
濃厚で濃密且つ洗練した感じなってますし、
あえて改訂版を出したように、
「Max Richter」はかなり今作に執着や拘りがあるようですね。
基本的な曲構成としては、
オリジナルの「四季」をベースにしつつも、
構成や音を減らす&カットしてコンパクトにする。
印象的なフレーズを切り取って繰り返す。
テンポや演奏に顕著にダイナミクスを持たす。
構成を変えたりパートを付け足したりするなどですが、
どれも「四季」だというのは如実に分かりますし、
省いても良いと思える部分は省いて「簡潔」にして、
ギュッと「濃縮」してる感じがあるように、
分かり易く&聞き易くなってる感あるし、
忙しない「今の時代」に合ってる感があるんだよねー!
2022年版の「四季」感が凄くある!
もう少し細かく書いていくと↑の「春の第一楽章」は、
アンビエント色とミニマル色を強めにした感じで、
個人的に「Vivaldi」の「春」ほど、
音楽だけで「春の情景」を見事に描いた曲は無いと思ってるのもあり、
序盤の春が訪れて小鳥が喜んでるように囀ってる部分を繰り返すだけで、
展開して行かない事にモヤモヤもしますが、
この曲で上位に来る印象的なフレーズを、
丁寧で優しい且つ迫力のある巧い「生演奏」で
ミニマルな反復を繰り返す事で、
春の訪れが来た事で感じる幸福感が、
増長されていく&強調される感覚があって興味深いですし、
繰り返す事で夢のように感じるというか、
現実感が無くなって儚く切なくも感じるように、
得も言われぬ不思議な魅力がある!
なおMax Richterはこの曲を「Vivaldiとの "対話 "」と位置づけてるようです。
そして、そんな「春」に比べて↓の「夏の第三楽章」は全く違う解釈。
大胆に曲をカットして構成した春の第一楽章とは打って変わって、
基本的に原曲に忠実に展開していくのですが、
演奏がかなりヘヴィでダイナミックでエネルギッシュで迫力ありますし、
テンポを細かく変えたりパートを長くしたりと、
コントラストを強めに付けており、
終盤には新たなフレーズを付け足したりと、
独自のアレンジを加えて、
よりスリリングでダイナミックでドラマティックにしてる感じで、
素直にクールでヒリヒリしていてカッコイイー!
オリジナルとは違う終わり方も良い&面白い!
全体的にクラシック好きな人ほどモヤモヤしそうな気がしなくも無いですが、
クラシックが好きな人ほど興味深くも聞ける要素もありますし、
同時にクラシックにあまり興味の無い人に受けそうな要素もあるように、
老若男女&幅広い音楽ファンに受けそうな要素があって、
人によっていろんな聞き方&考え方が出来るという、
興味深い作品なのは間違いないですし、
クラシック興味ない人が「Vivaldi」を聞くきっかけになりそうですし、
聞けば聞くほど良くなる&いろんな発見がある作品で
個人的には凄く高いとは言わないまでも、
一定以上の評価はしてます。