しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

桔梗 ( ききょう ) <季> 初秋

2011-07-28 |  秋の草木 の 俳句

◉ きちこう

きちかうも見ゆる花屋が持仏堂 ・・・・・ 蕪村
きりきりしやんとしてさく桔梗かな ・・・・・ 一茶
仏性は白き桔梗にこそあらめ ・・・・・ 夏目漱石

秋の七草のひとつです。
万葉集に詠まれている「朝顔の花」は「桔梗」のことと言われますが、
「昼顔」あるいは「木槿(むくげ)」のこと、
とする説もあります。
古名としては、
丘に生えるので「おかととき」、
蟻が根を食べ根元に穴を開けるので
穴を火口に見立てて「ありのひふき」
などとも言われていたそうです。
漢名で「きちこう」と言い、
転訛して「キキョウ」になったと言われます。
白色の花のことを特に「白桔梗」といいます。
古くから衣装の秋の色目や家紋などにも使われ、
襖や蒔絵などにも描かれています。
室町時代になると
生け花や茶花として使われるようになりました。

  [ キキョウ科キキョウ属の多年草 ]

以前、7月半ば頃に鎌倉の瑞泉寺を訪ねた時、
ちょうど見ごろな桔梗の花と出会いました。
庭石とのうつりもよく
楚々とした趣を添えていました。

桔梗や身だしなみよき母の老い ・・・・・ みなみ

日本では、
全国の日当たりの良い山地の草原や林縁に自生します。
草丈は、50~100cm。
地下には太い主根があり、
茎は直立して上部が分岐します。
葉は柄がなく長卵形で先がとがり、鋸歯があります。
花期は、7~9月頃。
茎の先に柄のある花径4~5cmの花を数個付けます。
花冠は青紫色の幅の広い鐘形で5裂します。
果実は果(さくか)で、その上端が星形に裂けます。
古くから栽培されて園芸品種も多く、
白花・白に紫青色の斑入りの花・二重咲きなどの変種や
矮性種・高性種( 切花用種 )などがあります。
茶花や切り花として広く用いられ、
秋の七草の一つに数えられています。
根はキキョウサポニンを含み、
生薬の桔梗根として去痰・鎮咳薬などに使われます。
食料としても使用され、
食べ方としては
若芽や茎の先などを湯がいて水にさらし、
根はそのままでは有毒なので
割ってしばらく水にさらしてから用いる、
などの記述があります。
名は、漢名で「きちこう」と言い、
転訛して「キキョウ」になったと言われます。
・ 絶滅危惧種 ・


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