箕面市では、現在、民間企業であるダイキン工業株式会社と相互に人事交流を実施しています。今回は、ダイキン工業株式会社から箕面市に派遣されている南野さんからのメッセージをご紹介します。それでは、南野さんどうぞ!
撮れたて箕面ブログをご覧の皆様こんにちは!
地域創造部 活力推進室 箕面営業課の南野です。
私、平成25年の6月より、ダイキン工業株式会社から当箕面市役所に出向してきております。
28年間民間企業に勤め、齢50歳にして自治体へ出向となり、さてどうなる事やらと思いつつあたふたとしながら、早一年が経とうとしているといったところです。
ダイキン工業と言えば、みなさん「ぴちょんくん」のエアコンを思い浮かべると思いますが、私は入社以来「電子システム事業部」という部署で、B to Bの営業をしていました。
何を売っていたかというと、新薬開発や新素材開発のための「分子シミュレーションソフト」、コンピュータネットワークの通信障害を監視、発見するための「ネットワーク監視システム」、サイバー攻撃を防御するための「不正侵入防護システム」といったIT業界でも結構ニッチでディープなものを扱っていたのです。(なので実はエアコンの事はあまりくわしくなかったりします。)
こんな私が、箕面市役所に来て2日目、いきなり総務常任委員会に出席し、市議会ってこうやって進むのか、などと興味津々で議事を聞いていましたが、その8か月後、自分が答弁に立つ機会が与えられるとは・・・。
さて、箕面営業課と言えば箕面市の定住化人口を増やすために、まず箕面を知ってもらう事、箕面を好きになってもらう事、というわけで、滝ノ道ゆずるを伴ってイベントへ出撃!という業務が結構なボリュームになります。
では、私が出務したイベントをいくつかご紹介しましょう。
≪海上保安庁巡視艇「みのお」と「海の安全キャンペーン」イベント≫
観光PRや市内での各種啓発イベントとは毛色の違う、まさに箕面営業課ならではのイベントでした。
≪箕面まつりで箕面ビールの販売≫
箕面営業課員は、箕面市セールスプロモーション実行委員を兼ねていますので、実行委員会の活動資金を得る為に箕面の物産も頑張って販売します。ちなみに頭にタオルを巻いた変なおっさんが私です。
≪「りそなキッズマネーアカデミー2013」≫
りそな銀行さんでのイベントに呼んでいただき、「箕面ってこんなとこ!」クイズを出題。企業さんとの協業も営業課の重要なミッションです。
≪~滝ノ道ゆずるからの挑戦状~謎解き滝道ウォークラリー≫
健康福祉部、生涯学習部、地域創造部協働で行った大イベント! 3000人もの人が来てくれました。
≪滝ノ道ゆずるフォトコンテスト≫
滝ノ道ゆずるをインターネット上にもっと露出させようという事で行ったWebフォトコンテスト。その授賞式を謎解き滝道ウォークラリーの中で行いました。
そして、箕面営業課のエネルギーを大量に注ぎ込んだのがゆるキャラ(R)グランプリ2013の選挙活動でした。このグランプリで上位に食い込むことにより、ゆずると箕面がメディアに取り上げられますし、市民のかたの地元愛にもつながりますので、選挙活動戦略も真剣に練り上げ、実行していきました。
結果は3年連続近畿1位を死守! 得票数はなんと前年の2.4倍、27万7,820票となりました。
もちろん箕面営業課の仕事はイベントだけではありません。ふるさと寄附金事業や広告事業なども重要なミッションですし、いかに定住化人口を増やしていくかという議論も侃々諤々(かんかんがくがく)と行っています。
これは2014年の新規施策の検討を行っているところ(撮影者が筆者なので私は写っていませんが)。ミッション自体を自分たちで作り上げ、実現計画を練っていきます。
振り返ってみれば、1年という短い期間でなんと色々なことをやってきたものだと思いますが、民間の営業マンが市役所職員をやってみて思ったことなどを少々。
<ここが変だよ>
・紙とハンコ
まさにイメージ通りの「ザ・役所」。庁内の電子掲示板に掲載されている事務連絡などを都度プリントアウトして、「読んだよ」の認印を押していくというのはいかがなものでしょう。民間だと、読むことが義務付けられている書類を読んでいないのは知らなかった言い訳にならないので・・・。また、担当外の案件でも課内の書類はみんな回ってきて決裁に時間がかかります。民間の場合、意思決定に時間がかかるのは致命的という考えから、主担当者の判断と所属長決裁のみで案件を前に進めるところですし、責任の所在も明らかです。極端な話、外出先からハンコもないe-メールで「この条件で話を進めようと思いますがいいですか?」「OK」だけで終わりです(メールは決裁のエビデンスになりますので、株主への説明責任は果たせます)。
・人件費はコストじゃない?
人事を尽くすのが最大の命題になっていて、投入される人的工数に見合う成果が出るかどうかはあまり重要視されていない気がします。仕事に必要なちょっとした備品を買うにも「予算根拠がどうのこうの」で話が前に行かない一方、人件費をより有効に使おうという思想が少ないのは、いかがなものかと・・・。民間では人件費が最大のコストと判っているので、人が一日かけてやっていたことを設備導入や、専門の外注に出すことにより1時間で済むなら、当初予算もへったくれもなく、設備を入れて、浮いた人的工数はすぐに新規事業開発に回します。
<ここがすばらしい>
・人事を尽くす
すいません。先ほどの話と反対になりますが、一度始めたことに対する不退転の姿勢と、損得抜きで完成度をとことんまで追求する姿勢は素晴らしいと思います。民間だと、一度始めたことでも、やってみると意外に前の壁が高すぎて、これをやるのはコストに合わないなぁという言い訳でやめてしまうことが結構ありますので。
・とにかく親切
職員のみなさんは市民のどんなかたにも、市役所内の他部門の人に対しても、驚くほど親切です。そういう方が多いというより、これは文化だと思います。民間にいると、将来にわたってお客様になり得ないかたの話を親身に聞いて助けてあげるというのはあまり無いですし、事業部門同士でも競争をしているので他部門からの依頼なんかでも自部門のメリットが無ければ適当にあしらうことが多かったりします。ここに来るまで「公務員は杓子(しゃくし)定規」というイメージしかなかったですが、箕面市役所はまさに善意で動いていて、そこが非常に気に入っています。
とまあ、いろいろ書いてきましたが、西も東も分からない状態で箕面市役所にやってきて1年、職場の皆さんにささえられ、辛くも楽しく、充実した日々を送っています。
ダイキン工業に戻ってからもこの経験は糧になって残ってくれると確信しています。
<南野さん、1年間ありがとうございました。ダイキン工業株式会社に戻ってからも、箕面のファンでいてくださいね!