風が窓のガラスを揺らす音で目を覚ました。
君は僕の傍らで眠っている。
唇はしっとりと濡れているように見えた。
静かに、とても静かな目覚めのはずだったのに、
強い風が、それを邪魔した。
バスルームに入り便座に座りこんだ。
ジュニアは起きない。
ただ、元気なくうつむいたままだ。
ベッドルームに戻った。
君がいない。
そうだった。
シンデレラみたいに12時前に、
「帰ります。」
笑顔も見せずに僕に、そう言ったんだ。
その前にベッドのシーツをひっくり返し、枕をたたき、
左の耳のピアスを探した。
もうその時には、僕の存在は なかったんだ。
まあ、そんなもんでしょ。
なんて、自然に僕はつぶやいてしまう。
家が火事になったって、
地震で隣の家が倒壊したって、
「まあ、そんなもんでしょ。」
て、呟くのだ。
暫くはベッドでキミの左耳のピアスを探すことになったけれど、
疲れたのでその部屋を出てしまった。
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