部屋を出たところで行き場所はない。
あてもなく彷徨うのが似合う人間なんだ。
それははもう決まってたんだ。
あの時、迷って、ウソをつき、救いのない日々を送った。
そんなツケが廻って来たに過ぎない。
風が強くて雲が吹き飛ばされてしまった。
青い空が広がっている。
果てしなく遠くまで。
何処を探したって、希望のかけらさえ見当たらない。
絶望の欠片さえ、哀しみの欠片さえ
僕の手のひらには残されていないのだ。
まあ、こんなもんよ。生きるってことは。
いつものように彼女の声が聞こえた。
ボブディランのデビュー時の歌声のようだ。
覚悟は決めていたから、
モタツクことはない。
彼女の細い足首が頭の中に浮かび上がったけれど、
さあ、どっちへ行こうか・・・・・だ。
風の向くまま気の向くままって・・・やつだ。
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