以前の会社で社長をしていた。ほんの3年ほどだけだった。
新事務所に引っ越すとメールがやってきて、私物処理のために神保町まで出かけた。
天気予報は外れてばかりいたので傘は持たなかった。
テレビの天気予報士の服のセンスがあまりに悪いので信用していない。
天気の所為ではないけれど、彼に会うのは避けたかった。
先月、別れ際の言葉が胸に引っかかっていて返答しなくてはならない。
どう返事をすれば縁を切ることができるだろうか?
噓をつくのは苦手だし、ましてや喧嘩をする気力もない。
しかし、不思議なもので愛がなくなると想像力は低下してしまうらしい。
鶏の頭脳のように三歩で記憶は遠のくのだ。そして、僕の想像も働かなくなり、
準備していた返答の言葉も永島茂雄の初打席のように豪快に空振りとなった。
まだまだ、未練たらしい言葉を吐かれることを想像していたことが恥ずかしいくらいの気分だ。
やっとこ、肩の荷が下りた。
今夜はぐっすり眠れそうだ。
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