みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
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私の好きなことを綴っているブログです♪

『海の底』

2010年08月11日 | 本・マンガ
有川浩/著

 有川さんの『図書館戦争』シリーズは読んでいないけどずっと気になっている本。その前に有川さんの「自衛隊三部作」と呼ばれるシリーズの一冊『海の底』を読みました。春の桜祭りで開放された米軍横須賀基地に巨大な赤い甲殻類が現れ次々と人を襲い食っていく。停泊中の海上自衛隊潜水艦「きりしお」の自衛官は救出した13人の子供達と潜水艦内に避難し立てこもる・・・。というあらすじ。

 冒頭いきなり事件が起きますが、甲殻類たちの描写がかな~りキツかったデス・・。甲殻類自体もそうなんですけど、映画であれなんであれ、血と血以外の何かがいろいろと出てくるような場面はとっても苦手なので想像するときつかった~。でも、とっても面白くて、一気に読了。
 随所に「ゴジラ」の場合はって引用されていますけど、まさに「ゴジラ」を連想してしまうような自衛隊(と警察)対怪獣(?)という図式。怪獣といっても、もしかしたら本当にこんなヤツらが海にいるかもしれない?と思ってしまうような設定になっているのもすごいですけど・・・。そして自衛隊モノにはよくある出動や武器使用をめぐっての云々。一見ありえないような話であるけれど、あるかもしれないと思いながら読んでいました。

 その海の外の話も面白かったですけれど、潜水艦内の二人の自衛官もかっこよかったけど、「歪んでいる」子供たちの人間模様も面白かったです。子供たちの関係が、子供達同士で・・・もあるかもしれないけれど、夏木と冬原に関わっていくことで変わっていく・・・。
 ヒロインの望に起こってしまうあることに関しては、作者が女性だから書けるんだよな~、と思ったと同時に、元々あの密閉空間とか想像するだけで怖いと思う私はさらに潜水艦生活なんて私(女)には、間違って自衛官になったとしても女性が潜水艦乗りにはなれませんけど、絶対に無理!!と思ってしまいました。恥ずかしながら私もその問題には悩む方なので(苦笑)とても共感できたし、“支援物資”が望の手元に届いた時は思わず涙が出てきましたよ(^^;。そんな望の夏木へのまっすぐな想いは・・・夏木への想いがんばったのねん♪ということで他の有川作品だけでなく、番外編が収録されている『クジラの彼』もそのうち読もうと思います。