朝日歌壇(毎週日曜日朝刊)の入選歌(選者は馬場あき子さん、佐佐木幸綱さん、高野公彦さん、永田和宏さん)より、戦争を詠んだ歌を、わんちゃんが独断で選り抜きを。
☆⇒共選作
2024年11月 11/3、 11/10、 11/17、 11/24
馬場あき子選
☆受賞より核廃絶を待ち望む被爆者の顔深き皺(しわ)よる(つくば市)山瀬佳代子
【評】消えぬ被爆者の苦悩。
☆兵隊に「行った」と言わず「徴(と)られた」と腰曲げ戦後の母らは言った(大和郡山市)四方 護
憎しみのかたまりの如き不発弾戦後七十九年の今にして出る(山口県)末広 正己
秋晴れのパリの街頭に聞くものかノーベル平和賞に「ノーモア・ヒバクシャ」(フランス)佐久間尚子
【評】「ノーベル平和賞」を秋晴れのパリで受け止めた感動が言外に伝わる。
ガザの地に瓦礫を集むる青年ふたり義足を作り子供等(こら)に与うと(沼津市)佐々木みつお
☆生徒らは「特攻」という演目を中学生らしくさらりと演じる(東京都)尾張 英治
佐佐木幸綱選
☆生徒らは「特攻」という演目を中学生らしくさらりと演じる(東京都)尾張 英治
高野公彦選
☆受賞より核廃絶を待ち望む被爆者の顔深き皺よる(つくば市)山瀬佳代子
被爆者の証言こそが「ノーベル賞」一万二千発ひそむ地球に(安中市)鬼形 輝雄
平和賞受賞の記事に吾もまた感慨無量 被爆者なれば(堺市)藤野 守
【評】作者は96歳。
人間の遺体食うとぞ戦争の瓦礫の中のガザの犬たち(観音寺市)篠原 俊則
最下位の丙種の父は戦争を語らず逝った 訊けずに老いた(札幌市)田巻 成男
もっともっと殺しまっせとネタニヤフいのちを商うごとくに言えり(水戸市)中原千絵子
姉妹(しまい)の髪お揃いに結う母の居て哀しみのガザに小さな日常(茨城県)原 里江
【評】この「小さな日常」が一日も早くガザ全体に戻ってくることを願う作者。
永田和宏選
国連でノーモア・ヒバクシャ訴えし山口仙二に届けよ受賞(東京都)漆原 淳俊
なんかちょっと違うんじゃないかと思う被団協へ「おめでとう」って(焼津市)増田謙一郎
核禁会議に参加できない政府から熱低き祝辞受ける平和賞(水戸市)中原千絵子
核禁条約批准せぬ国の被団協に平和賞このねじれ哀しも(船橋市)佐々木美彌子
☆受賞より核廃絶を待ち望む被爆者の顔深き皺よる(つくば市)山瀬佳代子
感涙の被団協理事長を見る女高生大使のすがすがしき目(埼玉県)酒井 忠正
半世紀前の総理も受賞した平和賞でも中身は違う(横浜市)田中 廣義
「負けられぬ戦い」それはどちらかが必ず負ける戦いでもある(東京都)岩本 朗
☆兵隊に「行った」と言わず「徴られた」と腰曲げ戦後の母らは言った(大和郡山市)四方 護
地下はまだ「戦後」が埋まっていて地上はもう「戦前」の風(袖ケ浦市)一尾 弘志
【評】今年度のノーベル平和賞に日本被団協が選ばれたことは大きなニュースだが、誰もが諸手(もろて)を挙げて喜べないのも事 実。 唯一の戦争被爆国である日本政府が核兵器禁止条約を批准しないという※自己撞着(どうちゃく)。これを機に改めて真剣に考えたい。
※言葉や行動につじつまが合っていないこと」をあらわす 言葉です。 前に言ったことと、今言っていることが違う場合や、論理に 矛盾が生じている場合に使います。「撞着」とは、「つじつまが合っていないこと」 という意味。
北朝鮮兵十八人が脱走と聞けば眼に浮かぶロシアの曠野(福島市)澤 正宏
【評】北朝鮮派遣兵士たちの脱走の記事に、かつて見たロシアの曠野(こうや)のあてどない広さが思われたか
食べ物が廃棄をさるる国で見る皿を差し出す無数の腕(かひな)(鹿嶋市)大熊佳世子
【評】大熊さんは、この豊かな国で、ガザの人々の悲惨を見ているだけの自分を恥じる思い。
どちらかが滅びるまでは終わるまいあるいはどちらも滅びるまでか(朝霞市)岩部 博道
赤旗日曜版
~短歌~
選者:下村すみよ
ヒバクシャは世界に通じる言葉なり付け加わりしニホンヒダンキョウ(埼玉県)宇内 陽子
【評】今年のノーベル平和賞は日本被団協に。受賞者が発表された場面をカタカナ表記が生き生きとよみがえらせる。
敗戦後しばらくを朝鮮に居残れり吹く風もみな軍靴の足音(福岡県)安東 光子
秀吉の朝鮮征伐を書き直す「朝鮮侵略」が歴史の事実と(佐賀県)田中 秀子
【評】唐津の名護屋城博物館2. 歴史の中の名護屋城|佐賀県立 名護屋城博物館
選者:久々湊盈
停車時の引揚げ無蓋車に吾を立たせ母の支えにゆまれせし荒野(静岡県)遠山 長春
【評】歳月を経て今なお鮮明な引き揚げの記憶。結句の「荒野」が目に痛い
数万のガザの犠牲者その誰も名前持ってる自史を持ってる(茨木県)渋谷加代子
~俳句~ 選者:高田正子
ガザの月さぞ青ざめているだろう(兵庫県)上野 景子
~川柳~ 選者:こはりつよし
「被団協」世界へ届け平和賞 (群馬県)牧 春夫
軍拡は始め出したら終わりなし(宮城県)高橋 敏
赤文字の徴兵メール来るかもね(神奈川県)本間 勝
戦争は絶対いやと電話かけ(和歌山県)江藤 弥生
ハマちゃんは釣り竿担ぎ黄泉の旅(東京都)長谷川 節
【評】反戦が信条の西田敏行さん。釣りバカ日誌のハマちゃん役が人気でした。
11月17日(日)精華町・せいか祭りの日 水景園の紅葉
☆⇒共選作
2024年11月 11/3、 11/10、 11/17、 11/24
馬場あき子選
☆受賞より核廃絶を待ち望む被爆者の顔深き皺(しわ)よる(つくば市)山瀬佳代子
【評】消えぬ被爆者の苦悩。
☆兵隊に「行った」と言わず「徴(と)られた」と腰曲げ戦後の母らは言った(大和郡山市)四方 護
憎しみのかたまりの如き不発弾戦後七十九年の今にして出る(山口県)末広 正己
秋晴れのパリの街頭に聞くものかノーベル平和賞に「ノーモア・ヒバクシャ」(フランス)佐久間尚子
【評】「ノーベル平和賞」を秋晴れのパリで受け止めた感動が言外に伝わる。
ガザの地に瓦礫を集むる青年ふたり義足を作り子供等(こら)に与うと(沼津市)佐々木みつお
☆生徒らは「特攻」という演目を中学生らしくさらりと演じる(東京都)尾張 英治
佐佐木幸綱選
☆生徒らは「特攻」という演目を中学生らしくさらりと演じる(東京都)尾張 英治
高野公彦選
☆受賞より核廃絶を待ち望む被爆者の顔深き皺よる(つくば市)山瀬佳代子
被爆者の証言こそが「ノーベル賞」一万二千発ひそむ地球に(安中市)鬼形 輝雄
平和賞受賞の記事に吾もまた感慨無量 被爆者なれば(堺市)藤野 守
【評】作者は96歳。
人間の遺体食うとぞ戦争の瓦礫の中のガザの犬たち(観音寺市)篠原 俊則
最下位の丙種の父は戦争を語らず逝った 訊けずに老いた(札幌市)田巻 成男
もっともっと殺しまっせとネタニヤフいのちを商うごとくに言えり(水戸市)中原千絵子
姉妹(しまい)の髪お揃いに結う母の居て哀しみのガザに小さな日常(茨城県)原 里江
【評】この「小さな日常」が一日も早くガザ全体に戻ってくることを願う作者。
永田和宏選
国連でノーモア・ヒバクシャ訴えし山口仙二に届けよ受賞(東京都)漆原 淳俊
なんかちょっと違うんじゃないかと思う被団協へ「おめでとう」って(焼津市)増田謙一郎
核禁会議に参加できない政府から熱低き祝辞受ける平和賞(水戸市)中原千絵子
核禁条約批准せぬ国の被団協に平和賞このねじれ哀しも(船橋市)佐々木美彌子
☆受賞より核廃絶を待ち望む被爆者の顔深き皺よる(つくば市)山瀬佳代子
感涙の被団協理事長を見る女高生大使のすがすがしき目(埼玉県)酒井 忠正
半世紀前の総理も受賞した平和賞でも中身は違う(横浜市)田中 廣義
「負けられぬ戦い」それはどちらかが必ず負ける戦いでもある(東京都)岩本 朗
☆兵隊に「行った」と言わず「徴られた」と腰曲げ戦後の母らは言った(大和郡山市)四方 護
地下はまだ「戦後」が埋まっていて地上はもう「戦前」の風(袖ケ浦市)一尾 弘志
【評】今年度のノーベル平和賞に日本被団協が選ばれたことは大きなニュースだが、誰もが諸手(もろて)を挙げて喜べないのも事 実。 唯一の戦争被爆国である日本政府が核兵器禁止条約を批准しないという※自己撞着(どうちゃく)。これを機に改めて真剣に考えたい。
※言葉や行動につじつまが合っていないこと」をあらわす 言葉です。 前に言ったことと、今言っていることが違う場合や、論理に 矛盾が生じている場合に使います。「撞着」とは、「つじつまが合っていないこと」 という意味。
北朝鮮兵十八人が脱走と聞けば眼に浮かぶロシアの曠野(福島市)澤 正宏
【評】北朝鮮派遣兵士たちの脱走の記事に、かつて見たロシアの曠野(こうや)のあてどない広さが思われたか
食べ物が廃棄をさるる国で見る皿を差し出す無数の腕(かひな)(鹿嶋市)大熊佳世子
【評】大熊さんは、この豊かな国で、ガザの人々の悲惨を見ているだけの自分を恥じる思い。
どちらかが滅びるまでは終わるまいあるいはどちらも滅びるまでか(朝霞市)岩部 博道
赤旗日曜版
~短歌~
選者:下村すみよ
ヒバクシャは世界に通じる言葉なり付け加わりしニホンヒダンキョウ(埼玉県)宇内 陽子
【評】今年のノーベル平和賞は日本被団協に。受賞者が発表された場面をカタカナ表記が生き生きとよみがえらせる。
敗戦後しばらくを朝鮮に居残れり吹く風もみな軍靴の足音(福岡県)安東 光子
秀吉の朝鮮征伐を書き直す「朝鮮侵略」が歴史の事実と(佐賀県)田中 秀子
【評】唐津の名護屋城博物館2. 歴史の中の名護屋城|佐賀県立 名護屋城博物館
選者:久々湊盈
停車時の引揚げ無蓋車に吾を立たせ母の支えにゆまれせし荒野(静岡県)遠山 長春
【評】歳月を経て今なお鮮明な引き揚げの記憶。結句の「荒野」が目に痛い
数万のガザの犠牲者その誰も名前持ってる自史を持ってる(茨木県)渋谷加代子
~俳句~ 選者:高田正子
ガザの月さぞ青ざめているだろう(兵庫県)上野 景子
~川柳~ 選者:こはりつよし
「被団協」世界へ届け平和賞 (群馬県)牧 春夫
軍拡は始め出したら終わりなし(宮城県)高橋 敏
赤文字の徴兵メール来るかもね(神奈川県)本間 勝
戦争は絶対いやと電話かけ(和歌山県)江藤 弥生
ハマちゃんは釣り竿担ぎ黄泉の旅(東京都)長谷川 節
【評】反戦が信条の西田敏行さん。釣りバカ日誌のハマちゃん役が人気でした。
11月17日(日)精華町・せいか祭りの日 水景園の紅葉