梅雨まっただ中のとある日、京都府立植物園に行ってまいりました。
ちょうど、その日は
【名誉園長さんの気まぐれ散歩】 の日だからです。
梅雨まっただ中に咲く花木といえば、誰しもアジサイをイメージしますが
梅雨に咲く花木はアジサイだけじゃ無いんですよ・・・
というのが、その日のメインテーマのようでした。
名誉園長さんがインカムをして歩きはじめます
その後ろをゾロゾロとついて行きます
定員30名と言われてましたが、それ以上だったような気がします。
“甘い系の香り”が・・・
タイサンボク(泰山木、)モクレン科
ふつうタイサンボクと言えば、高~い、高~い枝の先に咲いていて
「あぁタイサンボクが咲いているわ~」ってカンジなんですが
普通の目の高さに咲いてるんですよ、花の中が覗いて見えるんです
木もそのまま自然に大きく育っています、というコレはこの植物園のご自慢
この花は三日花、この花は三日目(多分)明日になったらバラバラと落ちてしまいます
この花を近くに引き寄せて、
「このカギ型になっているのが雌しべ群、その下のが雄しべ群・・・」とタイサンボクの花のしくみを解説されてました。
タイサンボクの落ち葉のシーズンは?
今時なんですよ、足元に茶色の葉っぱがカサコソと、みんな落ち葉を踏みしめていたのです。
枯葉が散るのは何も秋だけじゃないって・・・
秋に葉が落ちるのは落葉樹、冬も緑の常緑樹の落ち葉のシーズンは春から初夏にかけてです・・・とも。
「皆さん、葉っぱの色は何色でしょうか?」「ミドリ・・・」
「それは葉っぱの表だけしか見てないんですよね」葉っぱの裏と表の色が違うということも・・・
タイサンボクの1枚目、2枚目の写真で・・・
「これが、ホンマに三日花か?また3~4日したらここへ見に来てください」とも。
その隣に引き続き“甘い系の香り”
クチナシ(梔子)アカネ科
シリブカガシ(尻深樫)ブナ科
ふつうドングリの生る木は花は春に咲くのがほとんどなんですが、シリブカガシの花は秋に咲きます、そういう点で珍しい木だそうです
去年の秋に咲いた花から、もうドングリの赤ちゃんが・・・
この木の名前はドングリの尻の部分が深くなってるから・・・とか
「へぇ~~」と言う声があがったんです、するとすかさず
「また、そのことを確かめにドングリの生る秋にぜひ来て確かめてください」
「アラカシの実とかと比べてみてください」とも・・・
ハリモミ(針樅) マツ科
針のように薔薇の棘のように痛いというところからの名前、確かに触ってみて痛かった。
日本の固有種、日本にしか自生してない、マツボックリが下向きについているところがこの木の特徴です。
他のマツボックリは上向きか?下向きか?横向きか?またこの園に見に来てください、とも。
イチョウ(銀杏、公孫樹、鴨脚樹)イチョウ科
ギンナンがもうこんなに大きくなってます。
秋に見る黄色のギンナンと同じくらいの大きさです。
緑の葉っぱと同じ色なんでちょっと気が付かないけど、もうこんなに大きくなってるンやなぁ・・・と。
ザクロ(石榴、柘榴)ザクロ科
車で走っていて民家の垣根越しに大きなザクロの木に赤い花が咲いているのを見たり、タイサンボクが咲いているのを見ると「あぁ~梅雨やなぁと思います」って、おっしゃってました。
梅雨の花はアジサイだけやないということを、おっしゃりたかったみたいです・・・・
ザクロの枝の先端は針!
「勇気のある方はホンマにその枝の先をツンツンと、つっ突いてみてくださいホンマに痛いですよ」
ツンツン・・・ハイ!ホンマに痛かった・・・
高い枝の先に黒くからからになった実が残ってました
「アレが欲しいな」って一緒に参加した友人が言うてました。
何に使うのかなぁ?長い柄の傘でも持っていたなら、ちょっとひっかけて取ってあげるんやけど・・・
梅雨の定番
アジサイのもともとの花はこっち・・・
周りのは装飾花、中のがホンマの花です
アジサイの開花日は?いつでしょう?そして、花は?萼片が開いて1週間ぐらい経ってから開花します
ドレ?開いてみます。見ました、コレです。
関西から西の方ではアジサイと言えばヤマアジサイ、葉っぱが小さくテカテカとしてないです
山の中の木の陰で咲いてますね、太陽がガンガン当たるところでは上手く咲かない・・・
葉っぱがテカテカとしている豪華なアジサイの方は逆に日陰では生育しません
ヤハズアジサイ( 矢筈紫陽花)ユキノシタ科
葉っぱの形がヤハズに似ている、このアジサイはとても気難し屋さん、挿し木ではつかないそうです
ボダイジュ(菩提樹) シナノキ科
この木は中国原産のボダイジュ
花の付き方が変わっていますね、小舟がひっくり返ったような、その真ん中に、コレは葉っぱが変形して苞というモノ。
秋になって実が生るとこの苞がプロペラのようになって遠くに飛んで実を運ぶような仕掛けになってます(ちょっとでも親より離れて繁殖をするため)
ちなみに、シューベルトのボダイジュはヨーロッパのボダイジュでナツボダイジュ、フユボダイジュとありまた別モン
お釈迦さまが悟りを開いたといわれるボダイジュはインドボダイジュで日本の冬を過ごすことはできません・・・すかさず「温室にあります、ジャングルゾーンに入ったすぐ右手にあります、皆さんまた後で観に行ってください」と。
他に
モッコク、マテバシイ、シダレエンジュ、ツクバネ、ランシンボク、ミズキ、クマノミズキ等々名誉園長さんと共に・・・楽しい観察会でした。
「コレが咲いていた時はとても可愛かったんですよ」とか「もう少しあと2~3週間で可愛い花が咲きます、またこの園に見に来て下さい」とか、なかなか営業もお上手、なんせ、この名誉園長さんが就任されてからこの京都府立植物園は日本一の入場者数を記録してるそうです、今の園長さんが、その日本一を引き継いでおられます。
名誉園長さんお薦めの
比叡山を借景にしたナンバーワン・ビューポイント。
他にもナンバーワン・ビューポイントは何か所かあるそうです
ケヤキ並木
このケヤキの並木は昭和10年くらいからだったそうです。
このケヤキは三代目なんですって・・・
一代目はアメリカキササゲ
二代目はシリブカガシ
アメリカキササゲとシリブカガシは両方とも枝が暴れるのでケヤキに替わったとか・・・
【名誉園長さんと気まぐれ散歩】は午後1時からです
午前中に植物園内をウロウロ
京都府立植物園の今が旬のお花たちです
2011.6-26京都府立植物園1.wmv
エゾキスゲ(蝦夷黄萓) ユリ科
アサザ(阿佐佐) ミツガシワ科
ナツツバキ(夏椿)ツバキ科
ヒメユリ(姫百合) 別名:スターリリー(Star lily). ユリ科
ヒメフウロ(姫風露) フウロソウ科
ノハナショウブ(野花菖蒲)アヤメ科
カキツバタ(杜若) アヤメ科
ツキヌキオトギリ(突抜弟切) オトギリソウ科
ヤマブキソウ(山吹草) ケシ科
オカトラノオ(丘虎の尾)サクラソウ科
ノカンゾウ(野萱草)ユリ科
クマノミズキ(熊野水木)ミズキ科
ヒメアマチャ ( 姫甘茶)ユキノシタ科
アマギアマチャ(天城甘茶). ユキノシタ科
ヤマアジサイ(山紫陽花) ユキノシタ科
クレナイアジサイ(紫陽花)ユキノシタ科
シチダンカ(七段花)ユキノシタ科
ガクアジサイ(額紫陽花) ユキノシタ科
タカサゴユリ(高砂百合)ユリ科
【おまけ】
この花はルドベキア
花を見た瞬間菊に似てます、キク科ということが解りますね、
花よりもラベルに注目、
コレはフロロセレクト、もう一つAAS(オールアメリカセレクション)というのがあります。
フロロセレクト、コレがあるということは、ものスゴイことやそうです。
ヨーロッパやアメリカで毎年、審査会があって、ゴールドメダルを取ったものの種を、ここの職員さんが種をまいてこの場所に植えて花を咲かせる・・・。
フロロセレクト、AAS(オールアメリカセレクション)というところから認定されているというのは世界中の植物園ででも、京都府立植物園だけなんやそうです。
コレッて物凄いことなんやそうです。
ヨーロッパやアメリカで品種改良されたものなんで京都でちゃんと花が咲くのかどうかわからない、咲かないものもある・・・
職員さんは咲かせて、入園者に喜んでもらいたい、そんな思いを込めて・・・
種まきからして、ある程度株が大きくなったものを植え替えておられます。
「どっか他所でたくさん作ったものを植えてるんじゃないというところも皆さんに見て欲しいなぁと思います、必ず品種名も書いてあるのでそんなことも勉強しながらこのラベルを見てください」と・・・
へぇ~と改めてラベルをジックリと見ました
もう一つのAAS(オールアメリカセレクション)認定のお花たちは北山門から入ってすぐのワイルドガーデン(花壇)のお花たちに多くみられました。
6月27日
【ササユリ見学会】 の記事の中に、やませみchanさんから提供のササユリ五姉妹の写真を追加しました
ぜひご覧になってください