SBSラジオ「鉄崎幹人のWASABI」
鉄崎幹人 愛してやまないものについて語りつくす『午後のテッパン』12:00~
月曜日は生物、植物、自然、農業などにスポットを当てたクローズアップ生き物
スズメが絶滅危惧種に? 2024年10月7日(月)
確かにスズメ①が電線に横一列に並んだ光景を見なくなりました……。
ネットニュースで環境省と日本自然保護協会は今月1日に国内各地で動植物の状況を定点観測した結果、里山に棲息している鳥類や、蝶々類が非常に減っているという報告書を出しました。このまま減少ペースが続けばスズメなどの身近な鳥やチョウが、環境省のレッドリストの絶滅危惧種指定される可能性もあると……。いうことなんですよ。
身近な鳥やチョウ、スズメもだし、鳥でいうと日本固有種のセグロセキレイ②は8.6%のペースで減っていたということですね。
こういった生きものって特に農地や湿地など、開けた環境を好んで普段よく目にする種であったんですが、ソレが減少している。
「絶滅危惧種は守ろう」と環境保護活動なんか起こりますけど、絶滅危惧種って元々はすべて普通種だったわけですよ、最初から絶滅危惧種なんて一匹も居ないんですよ、元々は当り前に居た普通種がソレが気づかぬうちに絶滅危惧種に替わっていくことがイチバン怖いことです。なぜならば、気づかないから。
変な言い方になるけども、絶滅危惧種指定された方がその種は守りやすいんですよ。なぜならば、棲息場所が限られてるから、そういったものを守りたいという人たちもガッと増えるから。だから保護活動が盛んになって、例えばオオサンショウウオであったり、タナゴの仲間であったり、ミナミメダカという日本のメダカであったり、あとカエルでいうと、ナゴヤダルマガエルだとかニホンイシガメなんかも絶滅危惧種です。愛知県だと、ウシモツゴ、カワバタモロコという魚が居るんですけど、もうそこにしか、その水辺にしか居ないんですよ。その地域を守ればいいということになるんで、狭いんですね、看板をバ~~ンと立てて『ここには、こんな生きものが居ます』と、昔は隠したんですけど、今は『居ます、棲息してます』と、『地域をあげてこの生き物や植物を守っています、絶対に捕獲や密猟を許さない!!』とド~ンと打ち出す方が効果的な保護方法なんですね。ところが絶滅危惧種に対して普通種の方は棲息範囲が広すぎる、だから減ったことに気づかない。例えばスズメなんかもそうだけど、ちょっと里山に行くとまだいるんですよ。そういう人たちは「スズメなんか普通に居るよ」と、思うんです、それが、ちょっと町に近づくと途端に居なくなるんですよ。減ったことに気づかないというのがイチバンやばい問題だと思います。じゃ、スズメを守ろうとしたときに、どうやって守っていいのかどうやって守ればいいのか、難しいこと、そもそもスズメが減った原因は何かというと、
1.まず、里山的環境の減少、それから、農業の衰退が大きいです。耕作放棄地が増えてしまってる、そこで、えさ不足が起こったり。
耕作放棄地でまだ草が生えてたら別ですけど、耕作放棄してそれが全部、宅地開発されれば、当然、スズメもチョウもトンボも減っていきますよね。ま、農業の衰退は大きいし里山というものが減ったことも大きいです。
2.農薬の影響でちっちゃい虫たちがホントに減ってしまったというのも大きいですね。スズメは穀物主体に食べますけど、当然虫も食べるんでそういう害虫、害虫というモンがカメムシが異常に多いんでカメムシ食ってくれるのが居ると良いんだけれど鳥たちもああいう臭い虫たちは食べないですからね。
3.営巣、巣を作れる場所が減ったということ。営巣環境の減少。昔ながらの日本家屋は隙間があったのよね、屋根、農機具置き場、保管場所などなど巣作りに適していた環境があったんだけども、そういうのが無くなってきた。
なかなかスズメが巣を作れなくなってきて結果、今、どうなったかというと、ツバメ③が巣を乗っ取られるんですよ、一生懸命ツバメが作った巣をスズメがやってきてツバメを追い出すんですよ。スズメの方が強いんだね、くちばしを見ると、スズメって穀物を割るくちばしをしてて堅いでしょ、ツバメって虫を食べるくちばしだから、細くて短い、くちばしを見てもスズメの方が強いのがよく分かる。
だからツバメも影響を受けちゃってる。
4.都会に生活の場を移したスズメたちが今度はムクドリ④やカラス⑤の脅威にさられることになる。元々農耕地帯に居たスズメは農業がだんだん少なくなってきて餌が無くなってきた、都会に場所を移す、ちょっと前までは都会で神社の境内で落ちてたお菓子など食べたりしてたんだけど、そこに今度はムクドリが急激に増えたり、ちょっと前まではカラスがめちゃくちゃ増えたりしたから、この脅威にさらされるようになった。ちょっと前までは町中はカラス天国だった、今はムクドリ天国です。子育てを終えたムクドリがまた、今、町中に大集結しています。追い払っても追い払ってもやってくる。いろんな対策やってるけど、根本的解決には至らないどっかに移動するだけでまた戻ってくる。コレに関しては鳥獣保護法改正して、カラスもムクドリも一網打尽にできるような、可哀そうなことなんだけど、人間がもたらしたことですから、人間が責任を持って解決する必要があるんですよ。
やはり、都会のムクドリは増えすぎてるんですよ。元々ムクドリも農耕地帯に居たんですけども、都会にやって来た、都会の方が天敵も少ないですからね。その結果スズメが追いやられた。
と、いうように人の暮らしに寄り添う適応能力を持った、生きものっていうのは今後も生きていけます。
鳥でいうと最近ではイソヒヨドリ⑥、町中に増えてきました。
セグロセキレイがめちゃくちゃ減ったと言いましたけど、ほとんど、同じのハクセキレイ⑦は増えてます。何でかというと、ハクセキレイは町中に進出してきたからです。人の暮らしになじむことができたんです。。セグロセキレイは水辺でしか生きられないから町に来れないです。そういう暮らし方の違いによって数の増えたり減少が起こったりするのです。
当たり前のことが当たり前でなくなることは非常に怖いことです。
秋の味覚サンマなんかも当たり前だと思ってたよね、イカなんかも辺り前に安いと思ってたよね、でも今、ソレが当たり前じゃない。それと同じことがスズメです、当たり前に身近に居たスズメが居なくなってきた、ソレを食い止めるには絶滅危惧種のようにそのフィールドだけを守るんじゃなくて、やっぱり何で減ったのかという我々の生き方、ライフスタイルこういったモノを根本から考えていかないとスズメの減少に歯止めはかからないですよ。
元々、全ての動植物は普通種でした、それが絶滅危惧種になっていく、すべての原因が人の暮らし方にあるわけです。
SBSラジオ「鉄崎幹人のWASABI」午後のテッパン クローズアップ生き物 2024年10月7日
記事中の鳥たち
①スズメ 散歩道で 2016-2-28
②セグロセキレイ 水景園で 2017-2-16
③ツバメ 近鉄奈良駅前書店軒先 2008-6-6
④ムクドリ 散歩道で 2016-3-24
⑤カラス 散歩道で 2016-3-24
⑥イソヒヨドリ 精華町畑の前公園にて 2019-1-17
⑦ハクセキレイ 室津にて 2023-1-28 水景園にて 2017-2-16
鉄崎幹人 愛してやまないものについて語りつくす『午後のテッパン』12:00~
月曜日は生物、植物、自然、農業などにスポットを当てたクローズアップ生き物
スズメが絶滅危惧種に? 2024年10月7日(月)
確かにスズメ①が電線に横一列に並んだ光景を見なくなりました……。
ネットニュースで環境省と日本自然保護協会は今月1日に国内各地で動植物の状況を定点観測した結果、里山に棲息している鳥類や、蝶々類が非常に減っているという報告書を出しました。このまま減少ペースが続けばスズメなどの身近な鳥やチョウが、環境省のレッドリストの絶滅危惧種指定される可能性もあると……。いうことなんですよ。
身近な鳥やチョウ、スズメもだし、鳥でいうと日本固有種のセグロセキレイ②は8.6%のペースで減っていたということですね。
こういった生きものって特に農地や湿地など、開けた環境を好んで普段よく目にする種であったんですが、ソレが減少している。
「絶滅危惧種は守ろう」と環境保護活動なんか起こりますけど、絶滅危惧種って元々はすべて普通種だったわけですよ、最初から絶滅危惧種なんて一匹も居ないんですよ、元々は当り前に居た普通種がソレが気づかぬうちに絶滅危惧種に替わっていくことがイチバン怖いことです。なぜならば、気づかないから。
変な言い方になるけども、絶滅危惧種指定された方がその種は守りやすいんですよ。なぜならば、棲息場所が限られてるから、そういったものを守りたいという人たちもガッと増えるから。だから保護活動が盛んになって、例えばオオサンショウウオであったり、タナゴの仲間であったり、ミナミメダカという日本のメダカであったり、あとカエルでいうと、ナゴヤダルマガエルだとかニホンイシガメなんかも絶滅危惧種です。愛知県だと、ウシモツゴ、カワバタモロコという魚が居るんですけど、もうそこにしか、その水辺にしか居ないんですよ。その地域を守ればいいということになるんで、狭いんですね、看板をバ~~ンと立てて『ここには、こんな生きものが居ます』と、昔は隠したんですけど、今は『居ます、棲息してます』と、『地域をあげてこの生き物や植物を守っています、絶対に捕獲や密猟を許さない!!』とド~ンと打ち出す方が効果的な保護方法なんですね。ところが絶滅危惧種に対して普通種の方は棲息範囲が広すぎる、だから減ったことに気づかない。例えばスズメなんかもそうだけど、ちょっと里山に行くとまだいるんですよ。そういう人たちは「スズメなんか普通に居るよ」と、思うんです、それが、ちょっと町に近づくと途端に居なくなるんですよ。減ったことに気づかないというのがイチバンやばい問題だと思います。じゃ、スズメを守ろうとしたときに、どうやって守っていいのかどうやって守ればいいのか、難しいこと、そもそもスズメが減った原因は何かというと、
1.まず、里山的環境の減少、それから、農業の衰退が大きいです。耕作放棄地が増えてしまってる、そこで、えさ不足が起こったり。
耕作放棄地でまだ草が生えてたら別ですけど、耕作放棄してそれが全部、宅地開発されれば、当然、スズメもチョウもトンボも減っていきますよね。ま、農業の衰退は大きいし里山というものが減ったことも大きいです。
2.農薬の影響でちっちゃい虫たちがホントに減ってしまったというのも大きいですね。スズメは穀物主体に食べますけど、当然虫も食べるんでそういう害虫、害虫というモンがカメムシが異常に多いんでカメムシ食ってくれるのが居ると良いんだけれど鳥たちもああいう臭い虫たちは食べないですからね。
3.営巣、巣を作れる場所が減ったということ。営巣環境の減少。昔ながらの日本家屋は隙間があったのよね、屋根、農機具置き場、保管場所などなど巣作りに適していた環境があったんだけども、そういうのが無くなってきた。
なかなかスズメが巣を作れなくなってきて結果、今、どうなったかというと、ツバメ③が巣を乗っ取られるんですよ、一生懸命ツバメが作った巣をスズメがやってきてツバメを追い出すんですよ。スズメの方が強いんだね、くちばしを見ると、スズメって穀物を割るくちばしをしてて堅いでしょ、ツバメって虫を食べるくちばしだから、細くて短い、くちばしを見てもスズメの方が強いのがよく分かる。
だからツバメも影響を受けちゃってる。
4.都会に生活の場を移したスズメたちが今度はムクドリ④やカラス⑤の脅威にさられることになる。元々農耕地帯に居たスズメは農業がだんだん少なくなってきて餌が無くなってきた、都会に場所を移す、ちょっと前までは都会で神社の境内で落ちてたお菓子など食べたりしてたんだけど、そこに今度はムクドリが急激に増えたり、ちょっと前まではカラスがめちゃくちゃ増えたりしたから、この脅威にさらされるようになった。ちょっと前までは町中はカラス天国だった、今はムクドリ天国です。子育てを終えたムクドリがまた、今、町中に大集結しています。追い払っても追い払ってもやってくる。いろんな対策やってるけど、根本的解決には至らないどっかに移動するだけでまた戻ってくる。コレに関しては鳥獣保護法改正して、カラスもムクドリも一網打尽にできるような、可哀そうなことなんだけど、人間がもたらしたことですから、人間が責任を持って解決する必要があるんですよ。
やはり、都会のムクドリは増えすぎてるんですよ。元々ムクドリも農耕地帯に居たんですけども、都会にやって来た、都会の方が天敵も少ないですからね。その結果スズメが追いやられた。
と、いうように人の暮らしに寄り添う適応能力を持った、生きものっていうのは今後も生きていけます。
鳥でいうと最近ではイソヒヨドリ⑥、町中に増えてきました。
セグロセキレイがめちゃくちゃ減ったと言いましたけど、ほとんど、同じのハクセキレイ⑦は増えてます。何でかというと、ハクセキレイは町中に進出してきたからです。人の暮らしになじむことができたんです。。セグロセキレイは水辺でしか生きられないから町に来れないです。そういう暮らし方の違いによって数の増えたり減少が起こったりするのです。
当たり前のことが当たり前でなくなることは非常に怖いことです。
秋の味覚サンマなんかも当たり前だと思ってたよね、イカなんかも辺り前に安いと思ってたよね、でも今、ソレが当たり前じゃない。それと同じことがスズメです、当たり前に身近に居たスズメが居なくなってきた、ソレを食い止めるには絶滅危惧種のようにそのフィールドだけを守るんじゃなくて、やっぱり何で減ったのかという我々の生き方、ライフスタイルこういったモノを根本から考えていかないとスズメの減少に歯止めはかからないですよ。
元々、全ての動植物は普通種でした、それが絶滅危惧種になっていく、すべての原因が人の暮らし方にあるわけです。
SBSラジオ「鉄崎幹人のWASABI」午後のテッパン クローズアップ生き物 2024年10月7日
記事中の鳥たち
①スズメ 散歩道で 2016-2-28
②セグロセキレイ 水景園で 2017-2-16
③ツバメ 近鉄奈良駅前書店軒先 2008-6-6
④ムクドリ 散歩道で 2016-3-24
⑤カラス 散歩道で 2016-3-24
⑥イソヒヨドリ 精華町畑の前公園にて 2019-1-17
⑦ハクセキレイ 室津にて 2023-1-28 水景園にて 2017-2-16