しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

「奥の細道」象潟や料理何くふ神祭  (秋田県象潟)  

2024年08月29日 | 旅と文学(奥の細道)

高校生の時、古文の授業の「奥の細道」で、【象潟】を初めて知った。
地図をひろげると、あった。秋田県地図の下の方に⛬象潟が載っている。

あまりに遠方で、その地を訪れることは想像もできなかった。
しかしそれから数十年経つと、行くことが想像できるようになり
象潟へ行ってみたいと思うようになった。

東京駅発のバスツアーで2022年、「象潟」に着いた。
象潟の田んぼ道を歩いていると、なんか夢の中のような感じがした。
バスが象潟を発車すると「ついに象潟にきた」と、自分ひとりの感動と満足にひたった。

 

 

・・・

旅の場所・秋田県にかほ市象潟町象潟島  
旅の日・2022年7月11日                 
書名・奥の細道
原作者・松尾芭蕉

・・・

「日本の古典11松尾芭蕉」 山本健吉 世界文化社 1975年発行 

象潟や料理何くふ神祭    曽良


六月十七日は象潟の熊野権現の祭日であった。『書留」の十六日の条に
「佐々木孫左衛門尋テ休。衣類借り濡衣干ス。 
ウドン喰、所ノ祭二付而女客有ニ因テ、向屋ヲ借リテ宿ス」とあり、
「象潟や」はこの熊野権現の祭の句で、
村人はこの祭の日にいったい何を食うのだろう、といぶかったもの。
これではもう一つ奥へ届かない解釈だが、もともと句のモチーフに深みのない句である。

・・・

 

 

・・・


「芭蕉物語(中)」 麻生磯次 新潮社 昭和50年発行

寺から宿へ帰ったところ、ちょうど土地の祭りの行列が通ったので、それを見物したりしているうちに、
朝から降っていた小雨がやんで日が照り出した。
昼食後、この町の鎮守である熊野神社に参詣して、踊りなどを見た。
早目に夕食を済ませて、象潟に舟を漕ぎ出した。
今野加兵衛という者が、茶、酒、菓子などを舟に持ちこんで、何かと面倒を見てくれた。

能因島に舟をつけて、能因法師が三年の間幽居したと伝える遺跡も訪ねた。
この島は六百坪ほどの 小島であるが、象潟九十九島の一つに数えられている。
蚶満寺のある島には、西行が「象潟の桜は波に埋もれて花の上こぐの蜑の釣舟』とよんだという桜の老木があって、
地蔵堂の前の汀に、枝を水面にさし出していた。

 

・・・

 

・・・

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする