汐越は浅瀬、象潟は潟湖。
鶴が海を見ている風景を詠んだ句だが、
涼しさがつたわってくるようだ。
現代の象潟は、潟湖時代の面影を彷彿させてくれるのが嬉しい。
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旅の場所・秋田県にかほ市象潟町象潟島
旅の日・2022年7月11日
書名・奥の細道
原作者・松尾芭蕉
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「芭蕉物語(中)」 麻生磯次 新潮社 昭和50年発行
十八日は快晴であった。
早朝象潟橋に行って鳥海山の晴嵐を眺め、海水の入江にはいる汐越のあたりで、鶴のおり立っている情景をみた。
汐越や鶴はぎぬれて海涼し 芭蕉
潮が満ちてひたひたと寄せてくる汐越に、鶴がおりている。
鶴の足は海水に洗われて、あたりの風景はいかにも涼しげであった。
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「日本の古典11松尾芭蕉」 山本健吉 世界文化社 1975年発行
腰長は象潟が海に通じているあたりの浅瀬で汐越といった。
芭蕉の真蹟に「腰長の汐といふ処はいと浅くて、鶴おり立てあさるを」と前書がある。
汐越は地名ながら汐が越してくる浅瀬の地形を思わせる。
その浅瀬に鶴が下りたって腰のあたりまでぬらしている情景を、涼しいとみた。
その彼方に広々とした日本海が見えるのである。
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