昨年春から続けている歯の治療。
あまりに治療が一進一退なので、昨日、最近担当している女医がちょっとキレ気味に、「歯の掃除をすれば状態安定するならいくらでも掃除しますけど、アンタもしっかり身体休めなさいよ」みたいなことを言った。つまり普通ならばもう半年くらい様子を見るような状況なのに、「アンタの生活態度が良くないから、歯もよくなってない」と言う。
まあ確かに生活態度は良くないが、「いくらでも掃除する」発言に、オレもムッとする。
で、歯医者から帰ってきたらタイムリーなニュース。
水戸市宮町の水戸協同病院(津久井一院長)の耳鼻咽喉科の女性医師(28)が、自分のホームページ(HP)の「日記」で、患者について「二度と来るな」などと中傷する書き込みをしていたことが14日、分かった。昨年末、外部からの指摘で病院が気付き、HPを閉鎖させた。病院は「内容が不適切だった」として、女性医師から詳しい経緯を聴いた上、処分することを検討している。病院によると、女性医師はHPの「日記」に入院患者らについて、「あなたがこの世からいなくなってもなんとも思わないです。って言ってやりたい」「あんまりうるさいと…夜はヤクで寝かせちゃうよ」などと書き込んでいた。(時事通信)
もちろん、医師も人間なのだから、という意見はわかる。医師にとって患者が我ままなのもわかる。しかし「それを言っちゃお終いよ」なのだ。「お終い」というのは人間関係の「お終い」を指す。そして彼女のキャリアの「お終い」を指すのかもしれない。
僕たちは、おそらく「それを言っちゃお終いよ」を乗り越えていかなければ、信頼関係が築けないのだ。
もちろんそれ以前に信頼関係を築くことができれば素晴らしいし、「それを言っちゃお終いよ」を言い合える信頼関係もあるだろう。しかしこの医師と患者には「それを言っちゃお終いよ」な関係しかなかったと見える。まあ愚痴ってのはそもそもそういうもんではある。……で、これは関西在住らしい別の医師の
HPから(テレビにも露出しているそうだが)。
<社会人は大変だ。何せ責任感というのを背負わないといけない。教師、警官が痴漢したら直ぐに記事になる 医者も直ぐになる ヤンキー、乞食やヤクザはその程度では記事になりにくい なんか損やといっつも思う>
なんで<ヤンキー、乞食やヤクザ>を引き合いに出すのかわからないし(バカ正直な本音過ぎて本当はわからないでもないが)、損得の話ではないと思うのだが、この人たちはご自分の社会的責任や社会的地位をどう考えているのだろうか。
例えば目の前に、
「あなたがこの世からいなくなってもなんとも思わないです。って言ってやりたい」
「あんまりうるさいと…夜はヤクで寝かせちゃうよ」
「(医者は)なんか損やといっつも思う」
と思っている医者がいたとして、安心して身を任せられるだろうか。人間性を問われる怖い話ではある。
(追記)
「頭悪い」「来るな」HPで患者中傷 女性医師を解雇 水戸の病院
茨城県厚生農業協同組合連合会が運営する水戸協同病院に勤務する耳鼻咽喉科の女性医師(28)が自ら開設しているHPの日記に診療内容や手術の様子を書き込んで多数の患者を中傷したとして、同連合会は二十日、この女性医師を諭旨解雇処分にした。病院は今後、中傷された患者たちに直接会って謝罪する方針だ。(中略)同連合会は「患者の信頼を裏切る不適切な行為で、医師のモラルに反している」として解雇を決めた。退職金は支給せず「事実上の懲戒解雇」としている。
元ネタ
(さらに追記)
ある記事にトラックバックをしていただいた方のブログを読んだ。その方は「他人の日記って面白いか」という事で、ご自身のブログは“ブックレビュー”をテーマにしているのだけれども、それを読んでいて、ちょっと考えた。
ひとつは先日ニュースになった女医さんのことである。もうひとつはどこで見かけたか忘れてしまったが、「ブログのためにネタ探しをしている自分がいる」というあまりに正直な意見を書いている人がいた。
女医さんに関しては、やはりあれは愚痴というよりもネタだろう。それもブログだからこそのネタ(文章表現)だ。あの面白さ(過激さ)に対して僕らは、「あのようなストレスはどんな医者でも抱えている」というようなレベルで語るのではなく、「ブログだからこそ、あのような過激な表現で書かれてしまった」と解釈すべきじゃないかと思う。つまり、今となっては「口が滑った」と思うのだ。
もうひとつ、「ブログのためにネタ探しをしている自分がいる」という人。これも女医さんの「口が滑った」表現に近いのだけれども、「日記のためのネタ」を無理やり探そうとすれば、淡々とした日常の中の瑣末な出来事を拡大解釈して、無理やりな表現を生み出しやすい。そしてそれは過激に走りやすい。それも面白さを追求しようとすれば尚更だ。プロのライターさんや文章の上手な人というのはその辺のコントロールや表現が上手いわけです。
ま、その後に出てきた女医さんの関係者の「言い訳」は論外だと思いますが。
人に見せる日記ってのは難しいもんである。
(さらにさらに追記 2005年6月9日)
本文で登場した関西のアホ医師
カルパッチョは2ちゃんでようやく晒され、本格的な祭りとなった。無防備すぎて自業自得ですな。