徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

20年目の危険な話

2007-04-10 01:33:52 | LB中洲通信2004~2010
夕方から作家の広瀬隆さんの取材。
80年代後半から90年にかけて盛り上がった反原発の旗手である。時代のスターである。今も変わらず反骨の人である。そして時代を代表するベストセラー『危険な話』の刊行から今月でちょうど20年経つ。取材前に著書を読み直して、88年にリリースされたトークライブ(勉強会)のビデオを観直したけれども、どれも今もなお緊張感に溢れた“ライブ”だ。近現代の“長者”と政治の関係を綿密な分析のもとに描いた最新刊の『持丸長者』もとても興味深い内容。2月に刊行された第一巻は序章で、これから刊行予定の二、三巻が間違いなくスリリングに盛り上がるだろう。これも楽しみ。
今回の取材は、広瀬さんがあまり自分のことを語らない方なのでバイオグラフィ的なインタビューを試みたのだけれども、しかしことごとく「そんなことはどうでもいい、今の方が大事」とはぐらかされてしまった。まあそれもまた、あの“広瀬隆”らしい。構成が難しくなってしまったけれども。
20年前の“危険な話”は、今もなお“危険な話”である。そのこと自体はあまり言葉にはならなかったけれども、広瀬さんから不変、無私のスタンスを強烈に感じた。
6月号に掲載予定。