徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

共犯者、総懺悔、ナイトパック

2011-07-19 13:46:48 | 素日記
日曜日、夕方から出田さんと駅南で呑む。切羽詰まりながらも前向きな話ができた。まあ、初耳だったけれども、3.11の影響は人それぞれ、いろいろとあったんだなとか。

問題はその後起こった。
別れたのが21時頃だったので、もう少し呑んでいくかと入った酒場で原発絡みの話題で爺さんに絡まれたのだった。
それまで、これからフクシマへ作業に行くという青年たちと気持ちよく呑んでいたのだけれども、彼らを含めた数グループが去った後に店へ入ってきたこの爺さんはオレを若造と見定めて(いくつに見えたのかわからん…)、若造の語るデモが気に食わなくて、要するに「おまえも共犯者じゃないか」みたいなことを言い始めた。さらには逮捕者が出ないようなデモは駄目だとか、わけのわからないことを言う。しかし、デモが嫌いなわけではないらしい。
今、冷静になって考えてみれば、自分が「加担」してきたことを物凄く自覚しているこの爺さんは(細かいことは書けないが状況として、実際に「加担していた」とも言えるんだが)、今の若造のデモが「軽く」感じられて、「自分の後ろめたさ」をオレにも背負えと言っているように感じた。
後ろめたさなんて感じる必要ないのに、だ。
周辺で「食っていた」高齢者にはこういうタイプは少なくないのだと思う。
しかし、後ろめたさなんか感じる必要はない。
それは、要するに無批判の、そして無責任な総懺悔でしかないのだから。

ああ、この人には「自分」はあっても「個人」はないんだと思った。
勝手に自分だけが思い込んでる「失敗」をオレたちに押し付けんな、とは思ったが、別れ際に嫌がる爺さんの手を取って強引に握手してやった。

ということで全然「もう少し呑む」どころではなかったので、仕方なくネトカフェで女子ワールドカップ決勝の偉業をヲチ。
優勝決定の瞬間がちょうどナイトパックが終了する時間でラッキーだったな…。

運命と宿命/第5節 新潟戦

2011-07-19 12:58:55 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


ゴトビ「われわれの目的は、リーグのトップで終わることです。私はあえて夢を見るという環境で育ってきましたし、つねに自分の運命に挑戦しています。このチームに就任したとき、周囲からJ2に落ちると、戦力が十分ではないと言われているという話を聞きました。しかし、チームとしてわれわれは運命と戦っています。(中略)もしかしたら、その目標というのは、われわれのポテンシャルより高いものかもしれません。ただ、私はファンと選手たちと夢を見ていきたいです。そして、共にそれを達成していきたいと思います」(J'sGOALニュース 7月16日付

土曜日はアウスタで新潟戦
予想通り、というか予想以上に日程の影響が大きかったのか、前半は実に酷い内容であった。前節の仙台戦でもそれほど成功したとは言えないボランチと最終ラインをそのままに戦ったのにはどういう意図があったのだろう。バランスを取るのに汲々とする真希あたりにはスタンドからもかなり野次が飛んだ。「豊富な運動量」が売りであるはずの真希は、本来便宜的な受け持ちというだけであるはずのポジションに縛り付けられながら汗をかいていた。あれは冷や汗だったと思う。
後半、ゴトビは真希と右SBの大輔の位置を交代させる。不完全燃焼だった「豊富な運動量」はこれでかなり活かされることになった。最後の15分あたりになると目に見えてヘロヘロの状態になってしまったが、前半の野次とは打って変わり「頑張れ」としか言い様のない、声援が真希に飛んだ(って、それはオレも叫んでたんですがね)。

前半終了後、ピッチを出ようとする伸二とウォーミングアップに出てきたナギーが身振り手振りを加えながら長く立ち話をしていた。その姿はチーム全体で闘っている姿が垣間見えるような光景だったな。伸二は後半5分、左サイドで2人、3人と抜き去っていくドリブルを見せた。そのプレーに、真希と大輔のポジションチェンジと共に「これは、前半とは変わったな」と感じられた。
57分にはタカがファウル(一発レッド)を誘うプレーでPK獲得。伸二が同点ゴールを決める。
ここから30分以上、10人の新潟を相手に萎えることなく攻め切ったことは成長と言えるのではないか。もちろん新潟が川崎や甲府のようにきっちり自陣をセットした上でプレーするのではなく、交代を含めて攻めの姿勢をあくまでも貫いたことも清水が終始攻め切れた要因ではあるのだけれども、それでもアディショナルタイム突入の直前、90分にタカが逆転ゴールを決めた。
この日、ゲーム前のウォーミングアップからキックオフ直前まであえて応援を「拒否」し、プレーヤーにメッセージを送ったゴール裏だったが、その意志は伝わったのではないか。
負けはもちろんドローであっても、この日ばかりはチーム始動以来、本気のブーイングがスタンドから飛んだだろう。
その燻った感情が終了直前のゴールで一気に完全燃焼してしまうのだからサッカーというのは不思議なものである。ゲーム終了後、タカはスタジアムでのインタビューで物凄い顔をしながら「最高ォーッ!!!!」と叫んだのだが、負けてはないとはいえ過密日程の中で(特にホーム戦では)不完全燃焼を続けてきたチームならではの高揚感だったのだと思う。

結果こそすべてとはいえ、もちろんそれは「終わりよければすべてよし」というわけではない。それでは、
             /)
           ///)
          /,.=゛''"/   
   /     i f ,.r='"-‐'つ____こまけぇこたぁいいんだよ!!
  /      /   _,.-‐'~/⌒  ⌒\
    /   ,i   ,二ニ⊃( ●). (●)\
   /    ノ    il゛フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \
      ,イ「ト、  ,!,!|     |r┬-|     |
     / iトヾヽ_/ィ"\      `ー'´     /

と同じである。いや、こまけぇこたぁいいのは、いくないのである。「こまけぇこたぁいい」のは、まあ、所詮その程度の人間である。ピッチ外では実に下らない「こまけぇこと」もありますがね。
運命と闘ってきたオレたちのリーダーはそんなに底の浅い人物ではないよ。この日J1通算500ゲーム出場を達成したテルの背番号7を自ら望むという宿命を背負った真希は、「豊富な運動量」でその宿命と闘わなければならないし、伸二やタカのようなベテランは時間という運命と闘わなければならない。リーダーの掲げるひとつの目標に向かって。
健太エスパルスは時間をかけて素晴らしいまとまりをみせたチームだったが、アフシンのチームも素晴らしく「チーム」になってきたと思う。

(追記)
アフシンは「このチームに就任したとき、周囲からJ2に落ちると、戦力が十分ではないと言われているという話を聞きました」と言うが、贔屓目抜きにしてもオレは髪の毛の先ほどもそんなことは思ったことがない。激動のオフは失望感満載だったけど、ゼムノビッチ後1、2年ほどの絶望感とやけっぱちの開き直りはなかったなァ…。