京都の夏といえばおそろしいほどのうんざりした暑さを想像します。(冬は冬でおそろしく底冷えがする)
俳句を始めてから、いっぺんくらいは祇園祭を見ておかなくてはお話にもならないと思いつつ、暑さの中を出ていく勇気が持てないままでいました。
昨年は大きな怪我をして退院してきたら、今度は先生(敬愛する俳句の先生)のお具合が悪く、とうとうこの4月にお亡くなりになってしまい、その句会も終わりました。
大好きだった先生に対する感謝を忘れないためにも俳句は続けたい。そしてたったこれだけのことを言うのにだらだらと書いてしまう性質のおかあさんです、俳句はきっぱりと、憧憬でもあり、先月から新しい句会に入れていただくことになりました。
新しい先生、新しい句会の人たちとは、まだ何となく違和感がありますが、一人前になるためにも『祇園祭』を知らねばと京都のお友だちNちゃんにお願いしました。
しかし、その祇園祭行きの相談をするのに前もって会う約束(たんなるおしゃべりの機会)をしていたのですが、おかあさんはこのところ疲れやすくて、その約束もキャンセルをしてしまっていて、本番の7月17日、決死の覚悟で近所のお友だちといっしょに出かけました。
祇園祭と言えば「山鉾巡行」。でも、今回は八坂神社の行事いわゆる本番のお祭り「神興渡御」を。
京都のお友だち曰く「京都の祭りは辛気臭いですから・・・」
4時からの祭礼に、もうすでに人垣ができていました。二人の優しいお友だちは、momoちゃんの疲れないよう、好きなようにしたらいいよと言ってくれましたので、おかあさんは人垣をくぐって一番前まで行って、どっかと座りました。
みんなが立って待っているのに、一人、とてもおしゃれなおばあさまがやはりどっかと腰をおろして座っていたので、おかあさんもにっと笑って横に並びました。かなりの年配にお見受けしましたが、つばのくるんと巻いたお帽子に、履きやすそうな涼しそうな(パッチワークでもなく、メッシュでもなく、、、)靴、洋服も一見してちょっと上等。
するとそのおばあさま、「はじめてどすねんえ、わたしは金閣寺から、あんたはんは?」とおしゃべりが始まりました。
暑いですね、と言ったとたん、す~っと涼しい風が東山の方から吹いてきて二人は顔を見合せます。「極楽の余風どすなぁ」
懐かしい言葉、もう長いこと聞いたことがありませんでしたが、『極楽の余風』 いいなぁ、胸にほっこりときました。
3基のお神輿(これはスサノオノミコトが乗られているという)が次々と担がれだし、ぐるぐると境内をめぐって 神社下の松原交差点を渦を巻くように練ってそれぞれ町の中の御旅所まで行きます。
さて、我が友Nちゃんは名プランナーなのです。食事は先斗町のお好み焼きで~ 生ビールの美味しかったことといったらありません。
それから夜遅くに大阪に帰ってきましたが、京都より大阪のほうがなんだかむっと暑いね、とお友だちと言ったことでした。