ももすけの日記

きゃあと言ふ声あちこちで穴まどひ
ああ面白かったと言って死ねたらいいな

ロマンスから天使~♪

2016年02月21日 01時21分59秒 | ひとりごと

このところ、ぼくのおかあさんは演奏会づいています。

先日は今バリバリの辻井伸行、三浦文彰の究極の協奏曲コンサートというのに行ってきました。

辻井くんの演奏会切符なんか、ほとんど発売と同時に売り切れているようです。今回、おかあさんはネットの先行予約でゲットしました。

お目当ては三浦くんのほうでした。

ベートーヴェンのロマンス、と聞いただけで聴きたい、と思ったのです。

去年、おとなりのおじい様が亡くなられてお家での家族葬でしたが、ずっとモーツアルトが流れていました。おかあさんは自分のときは『ロマンス』にしてもらおうと決めました。ロマンスだけだと短いから、やっぱりヴァイオリン協奏曲(もちろんベートーヴェン)も、かなあ、とか。

ヴァイオリンは繊細かつ華麗でとても素敵でした。が、素人の感想ですけど、オーケストラが重いように思いました。ま、ベートーヴェンだから、重厚さがあっていいのでしょうけど、『ロマンス』に関してはもっともっと、オーケストラも繊細で華麗であってほしかった。

でも、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は良かったです。

 

さて、わざわざ、おかあさんが演奏会の感想を書こうと思ったのは辻井くんのほうです。

テレビでちら、っと見る程度、一度、どんなんだか聴いてみたいと思っていた程度でした。

が、みなさんが絶賛されるわけ、わかりました。言葉では言い尽くせない、そう、天使の音だと思いました。

プログラムに『ロマンス』がなければ、おそらく聴くことはなかった天使のピアノでした。

リストのラ・カンパネラは有名な曲ですが、ラフマニノフのピアノ協奏曲にはちっとも興味ありませんでした。

だいたいが、チャイコフスキーよりあとの作曲家、あまり好かんのです。

弦楽器と管楽器がそっぽを向いているような、てんでばらばらに好きな音を奏でているようで、ちっとも落ち着かないのです。

それが、そっぽ向いていなくて、心の中に溶け込んでくるような気がしました。

どんな好きな曲でも、たいていは気持ちよくうつらうつらするおかあさんですが、感動のあまり、すこしも眠らないで聴いていました。

 

人々が辻井くんのピアノをほめる意味、、、私のような素人にもわかる、すごさ、でした。

アンコール曲は二人揃っての『真田丸』

もう、ミモザが咲きだしています。

 


帽子

2016年02月02日 21時15分28秒 | ひとりごと

2月3日はぼく、ももすけの死んだ日にあたります。

ちょうど2年、人間の世界でいうと3回忌ということです。

 おかあさんは、いつまでこの「ももすけの日記」をぼくに書かせておくつもりなんだろう。

”ぼく”だったり、”おかあさん”だったり。

でも、前回、1月24日はすべておかあさんが”私”で出ています(?)。

意を決して、本人で行こう、と!

でも、まあ、どっちでもいいことなんだけど、おかあさんにも迷いがあってね。

”ぼく”から”私”にかわってしまうと、なんだかmomosukeのことを忘れようとしているようでさびしいし(実際、忘れられていない!)、”ぼく”のほうが下手くそな文章でも、少しくらい品が無くっても平気なような気がするんだ。

これって、実は依存症なのかもしれない、なんて、ふと思ったりします。

おねいちゃんのことをこの日記に書くのは久しぶりですが、相変わらずおとなになりきれていません。

死ぬまで、人間はかわらないのかもしれない、とも思います。
 

数日前の良く晴れた日、おかあさんは急に思いたって二上山に登りました。 

山に登るときの帽子を、ハットにしようか、キャップにしようか、と考え、キャップにしました。

そして、キャップのほうが、自立しているみたいな感じがすると思いうれしくなりました。

この年になって、自立も何もあったものでもないと思いますが、なんとなく、そんな気がしたのでした。

山のてっぺんはにぎわっていました。 

ひとりで行くと、いろいろな人とお話しする機会が多いように思います。

ほとんどが中高年ですが、犬を連れた人の近くにすわってお昼にしました。おにぎりとりんごのお弁当です。 

犬にみかんを食べさせていたので、よかったらどうぞ、と、おかあさんはりんごを一切れあげました。

いろいろお話して、ついでにおかあさんが食べているりんごも小さくかじって、わんこ(湯の山温泉の湯乃ちゃん)に食べさせてあげました。

そして、momosukeもりんごがだいすきだったなぁ、と思い出していました。

 

そこから少し下って、野鳥などを観察できるあずまやがあります。 おかあさんがそこに着いた時、テーブルの上に、ずっと昔からあったような籠がおいてありました。 

「すてきなカゴ~!」と言うと、そばにいたおじさんが、「あの人が今作ったところなんや。1時間ほどかかって、」と、別のおじさんをさしました。

葉っぱでつくった虫も2匹。そこへ、小さな男の子とママがやってきました。男の子は目を輝かせて”虫”に迫ります。

それを作ったおじさんが、「これは、こうして飛ぶんやで。ほら、飛ばしてごらん。」と。

なかなかうまく飛ばせない。「ほな、もって帰り」と、おじさん。

男の子とママはよろこんで、何度もありがとうと言って、てっぺんの方に登って行きました。

おじさんは、また、少し離れたところにいた家族連れに、もう一匹の”虫”をあげに行きました。

そして、ずっとカゴを眺めていたおかあさんに、あげるよと言って、立ち去りました。

しばらくして、家族連れの中の男の子が”虫”を持って走ってきました。

「もう一人いるので、もう1匹ください!」と。

「あら、それを作った人はもう山の上の方に行ったよ。」と言うと、男の子は走っておって行きました。弟の分かな?

 しばらく小鳥の写真を撮ったり、もうひとりのおじさんとおしゃべりしたり、なにしろカゴをゲットしておかあさんはご機嫌でした。

ものすごく肩が凝っていて、腕の付け根が抜けそうなほど痛かったのに、膝が痛かったんだ、と山を上り始めて思い出して不安になったり、なあんとなく、おねいちゃんのことが気になってもやもやしていたのだけれど、山を下るころ、すごく元気になっていました。

山は元気になれるのだね~!気持ち良かった~~!

もっとも、湯乃ちゃんのおかあさんは「私にしたら、この二上山は山ではない」と言っていたけど。彼女はほんとうの山に登っているらしい!